この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ
『大事な娘の扶美を巻き込まない為』
当初、久美子には母親としてご立派な大義名分があった。だからそっちの気が無くとも一度きりだと自分に言い聞かせこの無茶な要望に耐え抜く覚悟だった。
それに相手はギラギラした脂っこい中年男性でも、妖し過ぎる年季の入ってるレズ女でもない。
体こそ立派に育っているが、つい数ヶ月前まではまだ中学生だった可愛らしい子供なのだ。
対して自分は彼女が生まれる前から平凡ではあるが女としての人生を経験してきている。
度胸もそれなりについている。だから静かな気持ちで只じっと屍のようにひたすら時が過ぎるのを待つだけでよい。
それで娘が救われるのだ。
そんな風に彼女が考え、どこか高をくくっていたのも無理からぬことではあった。
だが実際は、そんな余裕や覚悟などものの5分ともたなかったのだ。同性の、と言うより真由の愛撫は久美子の想像以上のテクニックと感触だった。最初に乳房に触れられた時の戦慄は間違いでも勘違いでもなかったのだ。
真由の舌が弱点の耳を執拗に弄る。噛んだり吸ったり挟んだり、時には息を吹きかけられ悶絶する。
これ程優しく丁寧な愛撫は初めてだった。
(ダメよ、ダメ。感じちゃいけない。ああ、でも・・・)
久美子は自分の身体に言い聞かせるように祈る。耳が特に感じる彼女は一刻も早く真由の口が他の場所に移ってくれることを願った。決して感じたり恥ずかしい声を挙げたりしたくなくて久美子は、漏れそうになる声を呼吸を荒げたり、深呼吸したりして必死でコントロールしようとしていた。久美子のそんな様を見て、真由は絶望的な言葉を久美子に発した。
「我慢しなくていいんですよ。耳がとっても弱いんですね。素敵。早く久美子さんの声を聞かせて。もっと舐めてあげるから」
堪らず耳を押さえて隠す久美子だったが、それは違うわよね、とばかりに手首を摑まれ力無く剥がさる。露になった真っ赤な耳の産毛を舌が掃った。
「んっ」
(ヤダ、声が出ちゃう)
何が何でも感じたくなくて今度は無意識に頭を振った。だがそれも冷静で且つ圧力的な真由の腕に止められ逆に特に敏感な左耳を晒され「ふぅー」と息を吹きかけられた。
「はああん」
終に久美子の口から艶かしい声が漏れた。
「可愛い、久美子さんの声」
思わず漏らしてしまった口に栓をする様に人差し指を丸く折り曲げぐっと噛んだ。
「もう、久美子さんたら強情なんだから。でもそういうのも結構好きなんだなあ、実は。私、Sだから。あっ!もしかしたらずっとマグロでやり過ごそうと思ってた?」
久美子は本心を言い当てられ、真っ赤な耳を更に赤くした。
「なんだ、そういうことか。本気で受け入れてくれたわけじゃなかったんだ。ちょっとがっかり」
「当たり前でしょ。誰が娘を盾に脅迫まがいなことされて、体は許しても心まで許すわけないじゃない。とっとと終わらせて帰ってよ」
久美子は横を向いたまま感情剥き出しに開き直った。しかし真由は怯むどころかクックックと口に手を添えて含み笑いをしている。
「なっ、何が可笑しいのよ」
「ええ~だってェ、あまりにも自分の置かれてる立場わかってないから。はっきり言って甘いですよ、久美子さん。でも本当はもう半分わかってるんじゃないんですか?キスと耳を舐められただけなのに久美子さんのアソコはどうなってるのかなあ?」
久美子の顔が見る見るうちに真っ赤なリンゴのようになった。確信はないが、きっと濡れているに違いない。そう自分でも気付いていた。
「久美子さんのような人を夢中にさせちゃうのってすっごく興奮するのよねェ。使用前と使用後のギャップが可愛くて堪らないの。ということでここからは少し本気をださせてもらいますね」
言うや否や久美子のTシャツとブラジャーを脱がし、スカートも剥がしパンティ1枚にした。真由は服を着たままだ。それが久美子を余計に恥ずかしく思わせた。豊満な胸を両腕で隠し、脚を内股に構える。上から舐めるようにしてじっと眺める真由と、これからされることに怯え体が固まって動けずにいる久美子はまるで蛇に睨まれた蛙のようだった。
「そんなに怯えないでくださいよ。取って食ったりしませんから。大丈夫、優しくしてあげますね」
まるで立場と共に年齢まで逆になってしまったようだった。
真由は久美子の両手をそっと床に置き、右のピンク色のサクランボを優しく口に含んだ。
「あっ」
短く吐息のような声が出る。そして水色のパンティの上からそっと右の掌を添えた。
そこは想像通り熱くしとっと湿っていた。
「やっぱり。熱い」
恥ずかしくて消えてしまいたかった。さらに真由の愛撫は続く。勃起させた乳首を舌で巻きつくように舐められ、腰が砕けそうになる。
「あああ~、あっ、やっ、うんっ、はあん、はあん」
もう声を抑えることなど出来ない。夫とは明らかに違う柔らかい唇と舌は、今迄知っていた愛撫とは比べ物にならない程優しく、官能を掻き立て、そして感じさせてくれた。
(すごい。全然違う。こんなタッチ初めて。女性の舌ってなんて柔らかいの)
キスで感じていた事を敏感な乳首で改めてより鮮烈に感じていた。そのせいか感じ方もいつもの何倍も敏感になっていることを認めざるをえかった。
「ああん、あああ、ああああ~」
(やだぁ。この感じ、本当にハマっちゃいそう)
つづき「堕ちた天使 4」へ
コメント