どうしてこんなことしてるのかな。
僕は掛け布団の中に頭からスッポリと入って前を開いた学生服同士の胸をピッタリと重ねて、ただ黙って抱き合っていた。
テスト終わりの半ドンの午後、話の弾む一番仲の良い奴の家に遊びに来た。
学校の中で話が盛り上がり過ぎて、腹が減ったから帰ると言う友達を同じ方向の間だけ並んで帰った。
話が尽きなかったから寄って行けと言う話になり、一緒にカップ麺を食べても話し続けて、部屋に上げてもらった。
好きなアイドルの写真とかを見せてもらいながら、初めて見る部屋は話題のネタが尽きなくて、友達は楽しそうに「ア~、話し疲れた~」とベッドに転がった。
「お前どうする?俺もうなんか眠いわ」
友達はそう言って目をこすった。
「…うん…」
疲れちゃったのか、僕はまだ話し足りない。
でもまた、話に来れば良いかな。
そう思って立ち上がったのに、一緒に寝ちゃえば目が覚めた後また話せるんじゃないかと。
僕は本気でそう思って「俺、寝てく」と言って友達の隣に転がった。
バカじゃねぇの?みたいに笑って友達は布団の中に招き入れてくれた。
変な感じで二人で爆笑した。
寝っ転がったら寝っ転がったで話はするもんだ。
今までよりゆっくりしたトーンで、僕らはまた話し始めた。
そして何気なく友達を見た。
友達も振り向いた僕を本当に何気なく見返した。
そしたら息がかかりそうなほど顔が近かった。
僕らは気まずかったんだけど、なんかそう言うのと違う感覚にも襲われた。
「やべえ」
友達が言った。
「何?」
「何でもねえよ」
「何」
「……」
友達は伏目がちに僕の顔を見なかった。
女の子が照れてるようだと僕は思った。
「何だよ、お前何か可愛い感じになってるぞ(笑)」
僕は何となく言ってみただけだ。
友達はパッと目を上げて僕をじっと見つめた。
熱く、僕を見つめて、モジモジしていた。
その目を決して逸らさず、真剣な、でも変な感じで見つめてごそごそしてる。
「どうした?」
ごそごそしながら、やがて眼を閉じた友達が、何をしてるか悟った瞬間と、友達が口を開いたのは同時だった。
「ちんちん勃って来た」
友達はズボンの上からペニスをいじってたんだ。
「誤解すんなよ、俺ホモじゃねえから」
そう言いながらでも友達は眼を閉じて、自分の世界に入っていった。
友達が口を半開きにして眼を閉じている。
見た事が無い表情の友達がそこに居た。感じながら息を吸ってるのが衝撃的だった。
「バカじゃねぇの?……男見てなに勃たせてんだよ。」
「知らねえよ、キスできそうに近いと思った途端に勃ったんだよ」
「お前、まさか、俺の前でオナニーする気?」
友達は少し息を上がらせながら目を開いて、僕の金ボタンを外し始めた。
僕は抵抗しなかった。好奇心が先に立ったから。
何をされるのか。オナニーより気持ち良いのか。気持ち悪いより、自分の体がどう反応するのかの方へ好奇心が進んだから。
それに、こいつならいやじゃないと思ったから。
友達は自分の金ボタンも外して体を合わせて来た。
あれ……僕、何だこれ……。
生まれて初めて、ゆっくり胸を合わせたからか、カッターシャツとランニング越しに伝わる友達の体温が気持ち良かった。
「やべえ……ほんとやべえ」
友達が言った。
ほんと、やばい。一緒に布団に入るって、こんなにやばいことなのか。
友達の胸も僕の胸もドキドキしていた。
それが恥ずかしかった。
と同時に、何も話さないでも何を考えてるのか分かった。
僕たちはかなりしっかり抱きしめあった。
大きくなった友達のが、僕の股間に当たった。
僕は足を開いて、誘い込むように友達に足をからめた。
友達が掛け布団を引っ張って、スッポリ僕達を包んだ。
薄手の掛け布団からすこーし入ってくる光と、薄暗さと、密室さが更に僕達を二人だけにした。
もう吐息が普通に近いその世界で、友達はグッと股間を僕の股間に押し付けてきた。
つづき「あいつの部屋 2」へ
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