この話はつづきです。はじめから読まれる方は「貧学生とおかみさん 1」へ
熱帯夜のその晩、恭平は抑えきれない欲情をテツシュに放出した。
「島さんまた飲んできたの・・・私の下着また盗ったでしょう」
初枝はあきれた様子で問いただした。
島善三はもう還暦を過ぎ、朝新聞販売所に勤める古くからの下宿人である。
深夜の2時頃出かけ朝方帰ってくる男である。
「アレですかい、学生の飯島に頼まれましてへへ、何でもおかみさんにぞっこんらしいですよ」
「もう、冗談はよして、こんなおばさん相手にするもんですか」
しかし内心うれしかった、夫との死別後こんな浮ついた話はなかった。
「男の人ってそんな下着どうするの、島さん」
「そりゃあー、おかみさんのアソコ想像してマス掻くんじゃあないですか」
「まあ、いやらしい島さん」
初枝は照れ笑いしながら掃除にかかった。
各部屋の前にはゴミ箱が出されそれを袋に詰めて収集場所へ持っていくのだ。
学生のゴミ箱はやはりテツシュを使ったゴミが多い、若い男達は毎晩のようにマスを掻くのだ。
初枝は飯島の事を意識しながらゴミ箱を見た。
丸めたテッシュを摘んで鼻で嗅ぐと生臭い臭いが鼻に付いた。
「もう恥ずかしいわ」
初枝は独り言を言いながら二階から下のまでゴミの収集をして回った。
飯島は大学では陸上の選手で砲丸投げをしている成果立派な体格である。
いわゆる肉食男子で浅黒い肌は魅力的であった。
そんな飯島が・・・・初枝はいつ似なく股間が寂しかった。
夏休みに入るとこの下宿も閑散となるときもある。
ある夜、初枝は飯島の部屋に向かった
「飯島くん、いい・・入るよ」
「どうぞ」
飯島は戸を開けて初枝を招き入れた
恭平もその隣の和田もバイトで出かけていた。
「飯島くん、就職決まったんだね、よかったね」
「ええ、気に留めてもらってうれしいです」
飯島は初枝が部屋まで来てくれたことに驚いた。
「なにか私からお祝いにしてあげたいんだけど・・・何が欲しいの」
飯島はやはり大胆な男である
「おかみさんが欲しいな、」
「ええ、」
「冗談です、冗談」
飯島は照れていた。
「私でよければいいのよ、その気なら今夜そーっと離れの私の部屋に来て鍵あけておくから」
その言葉に飯島はわれを失った。
つづき「貧学生とおかみさん 4」へ
コメント