この話はつづきです。はじめから読まれる方は「樹里のおもちゃ 1」へ
結局、その週のテニスの大会は負けちゃったの。ダブルスを組んだ先輩は樹里を頼りにしてたからがっかりするし、期末テストの順位も5位だったの。
こんなに不調な樹里ははじめてだったから、先生やパパやママがとっても心配してる。
でも夜になるとイライラして樹里、ぜんぜん眠れないの。
夏休みに入ってすぐ、樹里たちはみんなで別荘へ行くことになったの。もちろんトモキさんも一緒に。
別荘についたらパパとママがすぐにお買い物に連れて行ってくれるって言ったけど、樹里は体がダルくて家に残ったの。
トモキさんも勉強があるからって言うから、樹里と二人でお留守番。
「じゃあ樹里のことよろしくね」
って二人はウキウキして出かけちゃった。
別荘のリビングで、樹里はソファーに横になってたの。
しばらくウトウトしてたみたいで、目が覚めたら
「大丈夫?」
ってトモキさんが樹里の目の前にいて、顔を覗き込んでた。
樹里びっくりしたけど、ドキドキしたの。
「最近つらそうだね…熱はない?」
そう言いながら、トモキさんの手が樹里のおでこにあてられた時、樹里の全身がビクン!ってなったの。
「あ!ごめん!」
トモキさんもそれに気づいて慌てて手を引っ込めた。
トモキさんの手は大きくて、がっしりしてて、あたたかだったの。
この時、この手は樹里のものだって思ったの。
手だけじゃない。
トモキさんを彼女には渡さない!
「お昼なににしよっか?」
カウンターの向こうの冷蔵庫をあけながら、トモキさんが何かやってる間に、樹里、ソファーに座りなおしてブラウスのボタンを全部あけたの。
水色のブラが丸見えになったの。
「トモキさん、」
呼ぶとトモキさんが立ち上がって、こっちを見たの。
「樹里ちゃん!!」
すぐに顔を横にむけて、
「なにやってるの?!前しめて!」
って言った。
樹里、息があらくなってきちゃったの。
「トモキさんにもう一度みてほしいの」
樹里、そう言ってからブラウスを脱いで、ブラも外したの。
リビングで胸を出すことなんてはじめてで、樹里はどんどん息が早くなってくの。
「樹里ちゃん!」
トモキさんが駆け寄ってきて、慌てたみたいにブラウスを取って樹里の胸を隠した。
「こんなこと…!好きな人にしかみせちゃダメだよ」
樹里の前にひざをついて、樹里の顔を真剣に見上げてるトモキさんを見てたら、樹里、またあの彼女のことを考えちゃったの。
その人の胸にはさわったの?
「トモキさんに見てほしいの」
樹里、もう1回そう言って、トモキさんのブラウスを押さえてる両手をさげたの。
トモキさんの目の前に樹里のおっぱいがあって、トモキさんが見ちゃいけないって感じで横を向くの。
彼女の胸は見るくせに!!
樹里、すごく意地悪でドロドロした気持ちになってきたの。
樹里のトモキさんなのに、どうして樹里を見ないの?
「トモキさん、」
樹里、トモキさんの顔を両手ではさんで、樹里のほうをむかせたの。
トモキさんの目はなんだか少し赤くなって、樹里のこと見つめてる。
「樹里のこと、キライなの?」
聞きながら、樹里、自分からキスした。樹里のファーストキス。
トモキさんのくちびるが、ちょっとふるえてる。
「キライだなんて…」
トモキさんのかすれた声が、くちびるから出てきたの。
もう一度、キス。
「じゃあ好き?」
キス。
「樹里ちゃんのこと、妹みたいで、そんなふうに、見たことないよ…」
トモキさんは苦しそうに言いながら、何回も樹里のキスをかわいたくちびるで受け止めてくれたの。
両手で顔をはさまれているだけなのに、逃げられなくなった動物みたいに。
つづき「樹里のおもちゃ 4」へ
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