コンフェッション − 第13章_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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コンフェッション − 第13章

15-06-14 10:44

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「コンフェッション 第1章」へ

第13章 - コンフュージョン

ランジェリーショップのフィッティング・ルームで店員の女性ふたりの前で、生まれたままの姿をパンティ一枚で隠し立ち竦むかおり。。。。ボタンを外され無造作に床にずる落ちたワンピースが、かおりの戸惑いを表している。

ワンピース越しにかおりのアンダーバストを計ろうとしていた若い店員の戸惑いは、かおり以上だった。まるでパソコンがフリーズしたかのように動きが無くなってしまった。

時間にすれば僅か数秒のことだろうが、彼女にすればとてつもなく長い時間に感じたことだろう。彼女より人生経験が豊富な店長が一足先に冷静さを取り戻し、メジャーを奪い取り無表情で計測を再開する。

「お客様、手を少し上げてくださいませ」

両方の乳房を隠していた左手、下着の前を隠していた右手は、この残酷な一言で行き場を失い宙を舞う。

かおりにとっては、乳房を見られること以上にパンティを見られることが恥ずかしかったと後で告白した。淡い水色が深海を思わせるコバルトブルーへと変わるグラデーションを描き、まるでお漏らししたように見えるパンティを。。。。

そして、それ以上に恥ずかしく気絶しそうになったと言う追い討ちをかける一言、なぜパンティがグラデーションを描いているかの理由。

「ノーブラで歩いてたら男たちの視線で感じてしまうからブラを着けたいと。。。。びしょびしょに濡らしてしまったのでブラとお揃いのパンティもお願いします」

店員ふたりの視線をパンティに誘導するためのキーワードを発すると、若い店員とかおりは頬のみならず耳まで赤くする。

冷静な店長は抑揚の無いトーンで計測結果から、かおりに合うサイズを知らせる。

「お客様は75のCがよろしいかと」

「かおり、好みの色とデザインの物が見つかったか?お店の方に取ってきていただこうか?」

かおりは、ブランド名と色とデザイン、陳列している位置を伝えると、若い店員は逃げるようにこの場を立ち去り商品を探しに行く。

「お客様、こちらでしょうか?」

かおりは無言で頷くが、それが本当に正しい商品だったのか疑問である。若い店員と同様に、すぐにもこの場を立ち去りたかったはずだ。

「すぐに使いますので、タグを外してください。今、履いている下着を入れる袋をお願いします」

かおりと若い店員を残し、店長と会計に向かう。商品から外したタグのバーコードを読み取りながらも店長は小声で言葉を発した。

「調教ですか?」

無言でいることを躊躇ったための言葉なのか、それとも単純な興味からなのかは計り知れないが、まったく嫌悪の表情は見せなかった。

「もうひとりの店員さんには刺激が強過ぎましたかね?」

店長の質問には答えずにクレジットカードを差し出しながら質問をする。

「そう思います。私にも刺激が強すぎますもの」

クレジットカードのスリップを渡しながら店長が答える。

「ちょっと悪戯が過ぎましたか?」

サインをしながら聞く。

「もっと凄いお客様もいらっしゃいますよ」

クレジットカードと控えを返しながら言う。

「えっ本当ですか?」

「レズの方だと思いますけど、試着室に呼ばれて行ったら全裸のままでおられたり、また女装趣味の方に呼ばれて見たらあそこを大きくされていて」

いくつもの質問が頭に浮かび、もっと店長との会話を楽しみたかったが、若い店員がかおりを連れて現れた。

「お待たせいたしました」

「ありがとう。じゃあ行こうか」

店長と店員に挨拶をし、かおりの背中を軽く押す。

「あっ質問されてましたね。そうです『調教』です、おっしゃるとおり」

若い店員は不思議そうな表情で店長を見る、そして店長は今日初めて頬を赤らめる。

つづき「コンフェッション 第14章」へ


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