昼間の和室 2_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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昼間の和室 2

15-06-14 10:45

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「昼間の和室 1」へ

キョウコは、オナニーしているのだ!
それも夫のベッドの上で、全裸で。
アキオの目に、キョウコの痩せた背中がやきつく。

腰のあたりの窪みが、感じるたびにピクピクと動いているのがわかった。
時折、腰が尻をシーツにこすりつけるように艶かしく動く。
アキオはその姿に見入り、声をかけることもせず立ち尽くした。
やがて、キョウコの肩が大きくあえぎはじめた。
「…ぁぁん…」
小さな声がもれる。
あぐらをかいたまま、ベッドについていた左手が胸のあたりへ運ばれた。
胸をもんでいるようだった。
時々、柔らかなふくらみが脇のあたりにチラチラと見え隠れする。
右手は相変わらず小さな動きを繰り返すように小刻みに動いている。
…見たいっ!
アキオはキョウコの姿を正面から見たい衝動に駆られた。
大きく開かれた、あのあぐらの中心でキョウコの手が、指が、どんな風にそこを慰めているのか?
固く目を閉じているだろうキョウコの目は、どんな風に…。
しかし、部屋の中に入ることはできないと思った。
アキオに気づけば、キョウコは事をやめてしまうだろう。
「…はぁ…んっ、アキオさん…!」
突然名前を呼ばれて、アキオは心臓をつかまれた気がした。
…気づいていたのか?!
背中を見せるキョウコを凝視した。
「…アキオさんっ…そこ…!」
さらにキョウコが名前を呼んだ。
アキオは顔面に血がのぼるのを強く感じた。
キョウコは、自分とのセックスを思い浮かべてオナニーしているのだ!
下半身に血が駆け巡り、アキオのモノが一気に固くなった。
「ああん…っ!はぅ…っ」
強い快感が襲ったのか、キョウコがベッドへ横になった。
それでも手は乳房をつかみ、片手は腿の間へ差し込んだままだ。
アキオはキョウコの横顔を見た。
やはり、キョウコは固く目をとじている。アキオとのセックスの間もキョウコは感じ始めると目をとじてしまうのだ。
「…ぁ、ぁ、ぁ…っ!」
寝転んだことで伸ばされ、閉じられた足が、もがくようにシーツを蹴る。
立てられたと思った膝が、またペタンとまっすぐに伸びる。
「…ふぅん、ああ…っ!」
キョウコはイキそうなのを堪えているのだ。
唇からは荒い呼吸とあえぎ声がもれ続けた。
「アキオさん…っ!!」
キョウコは小さく叫ぶようにアキオの名を呼ぶと、今度は突然うつぶせに転がった。
そして唐突にそのまま膝をつき、廊下の方へ向けた尻を高く突き上げたのだ。
…あっ!
アキオは目を見張った。
真正面にキョウコの尻があった。
いやらしくパックリ開いたキョウコの膣口が見えた。
足がさらに開かれ、クリの辺りを素早く動く指先が見える。
「…アキオさん、もっと…!」
アキオの耳にキョウコの声が届き、クリをまさぐっていた二本の指が素早く膣へ差し込まれた。
「…あああんっ…!」
ベッドに押さえつけられた口から、くぐもった喘ぎが何度ももれる。
いつの間にかテレビの画面はタイトルへ戻り、静かになっていた。
部屋の中にはキョウコのあえぐ声とベッドがきしむ音だけが響いている。
キョウコの指は、まるで意思をもったかのように膣内を激しくかき回している。いやらしい音がくちゅくちゅと聞こえる。
アキオでさえ、あんなにキョウコの体内をかき乱したことはない。
…キョウコ…!キョウコ…!
まるで自分自身でキョウコの身体を愛撫している気がしてきたアキオは、手のひらを何度も握り返し、力をこめる。
握った手の中はすでに汗がぐっしょりだ。
「はぁっ、はぁん!…あああ…っ!」
尻が何度も目の前を上下したかと思うと、キョウコが突然正座するように起き上がった。
そしてそのまま背中をおおきくそらせ、膝を開く。
キョウコの右手が、見たこともないような早さで動いたかと思うと
「ああんっ!!」
ひと際高い声を発して、…止まった。

完全に静まり返った和室の中で、キョウコはしばらく動かなかった。
肩だけが大きく上下している。
何もかもタイミングを失ったような気がしたアキオは、そこに立ち尽くすしかなかった。
やっとキョウコから目を離すと、ベッドのまわりには、キョウコが脱ぎ捨てたらしい衣類や下着が散らかっていた。
この静寂が動き始めたとき、夫婦のカタチが今朝までとはまったく違うものになるだろう。
アキオはズキンと痛んだ腰を感じながら、ぼんやりとそう思った。

 昼間の和室 終わり


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