ある夫婦の生活 6_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ある夫婦の生活 6

15-06-14 10:45

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ある夫婦の生活 1」へ

ユキとケンジの夜の生活がかわったのは、その晩からだった。

ケンジがユキのことを、あらてめて女として見るようになったのだ。
淡白で性生活にあまり関心をしめさなかったタイプのケンジだが、実際に自分の妻が昼間オナニーをしていたという事実がケンジの身体に刺激をあたえたのだ。
仕事中も、ほかの用で家をあけている時も
…ユキがもしかしたらまたベッドでオナニーしているかもしれない。
そう考えるだけでケンジには火がつくのだ。
だから、あえてあのDVDは捨てずにあの場所にしまってある。
それどころか、ユキには黙って新しいDVDも増やしておいた。しかも、内容は女優がオナニーするものを増やした。
たぶん、ユキはもうそれに気づいているだろう。そして火照った身体をまた指先で慰めたのかもしれない。
…いつか、ユキのその姿が見たい…っ!
ケンジはその欲望を、まだユキに伝えられずにいるのだった。そしてその悶々とした願望をもてあまし、ユキの身体を求めるようになったのだった。

ユキはもちろん、そのケンジの無言の欲求を感じていた。
…やだ…またオナニーものだわ…。
新しいDVDが置かれるたびに、ケンジがどこからか見ているような錯覚にとらわれながらも画面に見入ってしまい、身体を熱くさせてしまう。
自分の敏感な部分をなぐさめながら、
…ユキ、見せてほしい。
そういわれる日を心待ちにしているのだ。
大きく開いた足の間をみつめられながら、自分の指でクリをさわってみたい。
ケンジにいやらしく言葉でせめられながら、ケンジの指でまだ自分でも知らない場所を攻められたい…。
恥ずかしいほどに大きくなったクリを、その舌で遊ばれたい…。

昼間、DVDを見るたびにユキの妄想と願望はおおきくなるばかりだった。
けれど、ユキは前ほどつらい思いはもうしなかった。
今日もまた、夕方近くになってケンジからのメールが届いた。
…今夜も早く帰れそうだ。子供たちは早めに寝かせておくように。
「もうヤダ、ケンジさんったら…。」
ユキは携帯を棚に置きながら顔を赤らめ、夕飯の支度にとりかかる。

クローゼトの引き出しには、真新しい下着がぎっしりと詰め込まれている。

ある夫婦の生活・終わり。


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