理恵は耐えていた。
一生懸命。
自分の上では、兄の和二が狂おしいままに、弄っている。
自分の唇を、乳房を、そして大切な秘所まで…
(ああ…、おにいちゃん、どうして…?)
信頼する兄がこんなことをすることが信じられなかった。
既にTシャツやスカートは引き裂かれ、ブラやショーツは弾け飛んでいた。
「理恵…ごめん…、理恵…ごめん…」
小振りで弾力のある乳房を揉み含みながら兄も泣いていた。
理恵は兄が一緒に泣いているのを不思議に感じた。
それでも兄の責めは徐々に厳しくなってくる。
恐怖の、羞恥の、そして甘美の刺激。
16歳の理恵にとって、その刺激は我慢の限界だった。
(も、もう…、だめ…)
理恵はぴったり閉じていた両膝を、徐々に開いていく。
そこに兄が身体全体を割り込ませてきた。
理恵は爆発しそうな鼓動の指令のなすがまま、両脚を兄の身体に絡ませるしかなかった。
「ああ…、ああ…、あうう!」
どんなに抑えようとしても、理恵は自分の声を止めることはできなくなっていた。
兄の突起が、薄めの毛で覆われた、汚れを知らない器に触れてきた。
「だ、だめ…、お兄ちゃん、そ、それだけは…」
理恵は健気にも、感情に流されまいと、死に兄を諌めた。
しかしここまできて、大学生の血気盛んな兄を制止することなど出来るはずはない。
理恵は和二に組み伏せられた。
理恵は、兄の塊が自分の入り口に突き立てられたのを自覚した。
ブスリ…
ついに兄が入ってきた。
「い、痛い…、やめて…」
理恵は鋭い痛みを感じ仰け反った。
「す、すぐ終わるから…、若音…、ごめん…」
兄はゆっくりと腰を動かしてきた。
信じられない刺激だった。
始めは痛かった。
それが徐々に圧迫感に変わり、さらに全身を突き抜けるような刺激へと変貌していった。
「うああ…、くわあああ…、むううう…」
理恵は自らの身悶えをどうすることもできなかった。
「うおおおっ!」
和二が雄叫びを上げ、塊を引き抜いた時、理恵の全身にも電流が走った。
「ああー!」
腰を突き出すように跳ね返った理恵の秘部からは、ぷしゅーと一筋の秘液が放物線を描いた。
和二は呆然としながらもその射出口めがけて発射した。
理恵はそれを秘部全体で受け止めると、ガクガクと身体を震わせた。
何が起こったのか、理恵にはよく分らなかった。
古い畳を自分の鮮血が点々と汚していた。
ガラガラ…
「ただいまー」
「おー、和二に理恵、先に帰ってたのか?」
合宿の玄関から、練習上がりの先輩後輩の声が聞こえてきた。
「お、おかえりでーす…、今、筋トレ中…」
和二は廊下に向かって、しどろもどろになりながら答えた。
「真面目ですねー、たい焼き買ってきましたよ!」
「は、はーい、すぐいきまーす…」
逝ってしまっていた理恵も慌てて返事をした。
和二と理恵は、まだ全身にひくつきを感じながら、あたふたと着衣した。
「あそこのあたりがグチョグチョで気持ちワルイ…、痛い…」
理恵が言うと、和二は下を向いた。
「ごめんよ理恵…、どうかしていたよ俺…、でも理恵のことは大好きだ…」
今度は理恵が下を向いた。
「私もお兄ちゃんのことは大好き。だけど…やっぱり、よくないことよ…」
「本当にゴメン…。もう絶対、あんなことはしないから…。あとで消毒しよう…。救急箱こっそり持ってくるから」
兄の誠意ある謝罪を、理恵は受け入れることにした。
そしていたずらっぽく兄に聞いてみた。
「ねえ、お兄ちゃん…、私の身体、どうだった?美味しかった?」
和二は腕組みした。
「ううむ…、なかなか美味しかったけど…、たい焼きのほうが美味しそうかな」
「もー、お兄ちゃんたら…」
理恵は、和二にかわいい蹴りをいれた。
信じよう。
大好きな兄を。
大切にしよう。
今日の思い出を。
そして目指そう。
世界の頂点を。
理恵はそう決めたのだった。 (完)
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