ソリティア − 第8章_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ソリティア − 第8章

15-06-14 10:47

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ソリティア − 第1章」へ

ソリティア-第8章

表情から心の中を見せずにいた依頼主の夫の表情が僅かに変化した理由が、両方の乳房を露にした依頼主の妻越しに見ることができた。

寝取られ願望があり、嫉妬に狂いながらのオナニーを望んでいた依頼主はいつの間にか自らの分身に手を添え、静かに上下運動を始めていた。。。。自らの妻が始めた自慰行為を確認しながら。

「ご主人がオナニーを始めてます、見てあげたらいかがですか?」

そんな姿を見ることには大きな抵抗があるのだろうか? 人妻は大きく頭を振ると小さな喘ぎ声に「いやっ」という小さな抵抗を示す。

スクリーンでは小説家の妻が、昼は大学の助教授でありながら夜はコールガールとして街角に立つ女と出逢っていた。あと数分経つと客を連れて廃墟のアパートに向かう、そして、小説家の妻に行為の一部始終を見せる。

『目を反らすな』--あと数分で確かそんな言葉がスクリーンから聞こえて来るはずだ。

「目を反らさないで見てごらん。ご主人にとってあなたへの愛の証なのだから」

自らの妻の姿に分身をいきり立たせる夫と、その行為を『目を反らすな』と命ぜられた妻の視線が交錯する。妻の表情は伺えないが、手の動きを止めた夫の表情は照れの中に喜びがあるように見受けられる。

暫しの止まった時間は、妻がこちらを向いて再び動き出した。その表情は『しっかり見たから許してください』と訴えているのか、『早く命令を再開してください』と訴えているのか判断は出来ない、それでも、夫の見ている前でこの女を淫らな雌に変えたいと思う『S』性が増幅しているのが固く熱く変貌している自らの分身に教えられた。

指一本触れないという約束は、ブラから乳房を引き出すことで破ってしまっている。それでも、それは一瞬のことであるし、夫の依頼主はいつの間にか自らの分身を露にして、包み込んだ手のひらでゆったりとしたピストン運動を始めている。『嫉妬しながらするオナニー』への願望が少なからず満たされているはずだ。

「白い乳房が眩しい」

先端で自己主張するかのように突起する乳首を指先で転がしながら囁く。

「まるで縄で緊縛されているみたいだ。。。。乳房がいびつに歪んで」

右手の人差し指と中指で耳たぶを挟み、親指で唇をなぞる。

「縛られたことありますか?」

「・・・・・」

首を左右に振る---まるでそんなはしたないことなどしたことがないと主張するかのように。

「それは残念だ。縛られたいんだろ本当は?」

「・・・・・」

さっきより激しく首を振る人妻の唇をなぞっていた親指を上下の唇の間に割り込ませると先端が歯に当たる。

「食い込んだ縄によって歪んだ乳房、押し潰された乳首---きっと似合うよ---縛られたくなったか?」

否定の答も、肯定の答も首の動きでは表現されない。それでも肯定の答は、まるでフェラチオをしているかのように親指に激しく絡みつく舌が代弁している。

スクリーンは夜の渋谷の街から、大学の授業風景に変わっていた。夜はコールガールとして街角をさまよう助教授の講義を、小説家の妻が見学に来たからだ。

『この授業が終わると助教授は小説家の妻を明るい日差しのキャンパスに連れ出すはずだ。そして教え子を誘い出し。。。。』と記憶を辿った。

「ストッキングを脱ぐか、膝まで下ろしましょう」

右の耳たぶに歯を立てたまま伝えると、舌が絡みついていた親指に上下の歯による圧力が伝わるのを感じた。 そして、まるで命令を待っていたかのようにストッキングに手を掛け、腰を浮かせて脱ぎ始めた。

そしてスクリーンでは、助教授が化粧室に連れ込んだ教え子を相手に激しく腰を振っている、小説家の妻が見ている前で。。。。いや見せ付けるように。

つづき「ソリティア − 第9章」へ


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