ソリティア − 第7章_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ソリティア − 第7章

15-06-14 10:47

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ソリティア − 第1章」へ

ソリティア-第7章

ダウンジャケットにその動きを隠された左手に反応し、時折顔を仰け反らせる人妻。そして、その顔を見つめる依頼主の夫。ふたりの表情は対照的に見える。映画館という公共の場所で行っている自らの行為を恥じているのか、あるいはその行為に感極まりだしたのか苦痛の表情にすら見える人妻と、喜怒哀楽が一切伺えない無表情の夫。

「ほら、ご主人があなたを見てますよ。顔を見せてやったらどうですか?」

見ず知らずの初めて会った男に導かれる羞恥心からなのか、あるいは夫の前で淫らになりだしたこtへの背徳心なのか強く頭を振る。

「ご主人はあなたのこんな姿を見ることをずっと望んでいたんだ。。。。だからぼくが今日ここにいる」

スクリーンでは、もうひとりの主人公の小説家の妻が始めたモデル事務所のアルバイトが思わぬ展開に向かっているところだった。モデルとしての撮影は単なる序章で、男優が現れアダルトビデオの撮影が始まる。

スクリーンの中の女優は、人妻が全てを受け入れてしまった瞬間の表情の変化を好演している。

「寒くありませんか?邪魔な物を取り払って、もっと良く見せて欲しい」

ブランケットのように人妻の肩まで覆っていたダウンジャケットを夫に向かって放り投げる。

隠されていた姿が露になる。ニットのスカートは捲られてベージュのストッキング越しにパステルカラーのパンティが顔を覗かせる。そしてストッキング越しに妖しく蠢く左手の人差し指と中指が。。。

「いつから始めていたのですか?悪い人だ、こんなことをしてたと微塵も感じさせなかったのだから」

意地悪な口調で告げると喘ぎ声を抑えるために口元を押さえている右手の手首を掴みニットのセーター越しに左の乳房に導く。

スクリーンでは作家の妻がスーパーマーケットのトイレの個室に男を連れ込んで激しく連れ込まれていた。

そして、映画館の中で自慰行為を始めた自らの妻を複雑な表情で見つめる依頼主が視界の端に見えた。相変わらず喜怒哀楽の一切を読み取れない表情を見ると、悪戯心とSがふつふつと沸きだし、喜怒哀楽に無い「驚き」と「嫉妬」という感情を引き出したくなった。

「奥様、せっかくだから乳房を露出してみませんか?きっとご主人も望んでいるはずだ」

ついさっき乳房に導いた右手を掴みニットのセーターの裾を掴ませた。

「さあ、恥ずかしがらないで。。。。いや恥ずかしい姿を晒してごらん」

セーターの裾が捲れ上がるとパンティと同色のブラに半分隠された白い乳房が顔を覗かせる。実際のカップサイズはC位だろうか、それでも小柄なせいかカップサイズ以上に大きく感じる。多少重力に逆らえる張りは失ってそうだが、白く滑らかな肌が柔らかさを際立たせて見える。

スクリーンでは作家の妻が、露出度の高いワンピースからこぼれ出そうな乳房を激しく揺らしながら物語の舞台である渋谷の街を闊歩している。

そして隣の人妻の夫は予想に反して驚きの表情も嫉妬の表情も見せずに、相変わらず能面のような無表情の表情を見せている。 『肩透かしだ』と心の中で呟くと、『奥様には指一本触れない』約束を破り左側のブラのカップに指を押し入れ、一気に乳房を掴み出す。

想像した通りの感触を手のひらに感じるとブラのワイヤーにより多少いびつに歪んだ左の乳房が現れる。

「綺麗ですよ奥様。こんなに乳首を固くして。さっきまで触れてもいなかったのに。もしかして耳にある性感帯と直結してるのかな?いやクリトリスとかな?」

クリトリスとい言葉に反応したのか、それとも乳房を露にした恥ずかしさからか、円を描くようにクリトリスを弄っていた左手の指が動きを止めた。

「右の乳房は自分で出してごらん。。。それとも、止めた左手は乳房を露にするため?自らの意思で。。。。」

言葉が終わる前に、自らの左手で右の乳房をひきだす、左の乳房と同様にブラのワイヤーによって本来の形を留めない乳房を。

スクリーンの中の作家の妻は、渋谷の街で知り合った男にラブホテルのバスルームで突き上げられながら『淫乱』という言葉を連呼させられながら頂点に達した。

そして、能面のような無表情を見せていた依頼主の夫は少し表情を見せた。それは自らの恥ずかしい姿を晒したような照れくさそうな表情だった。

つづき「ソリティア − 第8章」へ


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