ゆりの失恋
「あなたって最低…」 ピシャッと頬を打つ音とともに彼女の七海が去っていった。 残された美少女、山名ゆり――。 ――「ありがとう、約束どおり会ってくれて」 ゆりは他校の――それも男子校の榊コウと街を歩いていた。 女子校に通うゆりにとっては異世界の住人、それにこの関係は、ゆりにとって確実に――裏切りだった。 「あたしのこと話したよね」 「うん。知ってる」 「それでも好き?」 「うん。――もしゆりに彼女がらみでトラブルがあったらぼくはその女と戦うよ。それぐらい好き」 男の子からこんなに愛されるなんて、ゆりは初めてだった。 「あたし怖い。怖いんだ彼女のことが…」 ゆりは悲しげにコウを見つめた。 ――その日デート中にかかってきた電話で、完全に男の子と付き合ってるのがバレてしまったゆり。 「……はい、代わりました。ぼくが榊コウです。ゆりさんを責めないでください。事情は知って付き合ってます」 ゆりにかかった電話に出るコウ。 「――え? あなた誰? つうか彼氏って…まじで言ってんの?」 「はい。ゆりはぼくの彼女ですから」 「ふぅーん、ゆりは裏切ったんだ」 電話は切られた。 そして夜、七海からカラオケに呼び出されたゆり。 ゆりは部屋に着くなり七海の前で女の子たちに服を剥がれた。 「きゃっ! やめてっ!」 七海は笑いながら全裸のゆりの髪をつかむ。 「やめて?笑 七海は美しいゆりを見つめながら晒されてる小さな乳房をきつく握る。 「あっ!」 「これは男のものになっちゃだめなの! あたしのものなんだから!」 七海は悔しそうに緩めた手で乳房をやさしく愛撫した。 目には涙が浮かんでいた。 「七海…」 「今さらもうダメ。だから今夜はあたし、これ以上なにもしないよ。 リンチを覚悟していたゆりは裸のまま緊張がとけて崩れた。 「さよならゆり…」 部屋を出て行った七海たち…… そして今日――「あなたって最低…」 七海に頬を打たれたゆり。 それはある噂からだった――榊コウがツイッターで「レズのバカ女ちょろすぎ笑」とかつぶやいてるという。 ゆりはコウを信じるしかなかった。 |
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