この話はつづきです。はじめから読まれる方は「壁(改)1~悪夢~」へ
もう始まってから4時間以上経っていた。再び相手を入れ替え、一美と
恵子ちゃんが69でお互いの女性器を一生懸命舐めていた。
「ぷはあ~」
上になっている一美が埋めていた恵子ちゃんの股間から顔を上げた。
「あああ~ん、ダメェ~、美香~、この子もスゴイよ~、あっ、ゆるしてェ~、
イっちゃううう」
私の名を呼びながら他の子の愛撫にのめり込む。普通なら絶交ものだが、
私自身この快楽にどっぷり漬かっていた。自らタチと言う由香里ちゃんの
魔法のような指は、かつて経験したことのない大きなうねりに私を
飲み込んでいた。彼女が膣穴を抽送する指を速めるごとに無慈悲にも
恋人の前で何度も気をやる恥ずかしい自分を曝け出した。しかもわざと
見せつけるように私のアソコは一美の方を向いている。きっと、一美に2度3度と
大量の潮を吹くいやらしいアソコを見られたに違いない。
「一美ダメえええ~、見ないでェ~、いやああああ~」
私の意志とは関係なしに腰は突き出すように浮き、足は大きく開いてしまう。
体が宙に浮きどこか飛んで行きそうになるのを必死で何かにしがみ付こうと、
由香里ちゃんの背中に手を回し抱きついた。恋人以外の人にイカされ
抱きつく姿は、ある意味愛しい人を裏切っている姿なのかもしれない。それを
本人に見られるのが、こんなにも辛く恥ずかしく、そして背徳的な甘美に
満ちたものだとは思わなかった。私の体は異常なまでに燃え上がった。
「ああああああ、またイクううう、おおおっ、おおああ~わあっ・・っ・・・っ」
悲鳴にも近い絶叫の声をあげていた私は、犬の遠吠えのような雄叫びを最後に、
声も出せなくなる程頂点に登り詰めた。
4人が4人共、それぞれの立場で濃密な時が過ぎ去った後、暫く絨毯の上で
ボーっとしていた。異常な興奮と快感の嵐は、まるで台風の目の中に
入ったような静けさが漂っている。
「恵子、そろそろ帰ろう」
ボーっとした口調で由香里ちゃんが狂宴の終焉を突然宣言した。おそらく
私達3人も同意見だった。
「あっ、はい」
二人は服を着、軽い挨拶だけで、最後は急ぐようにして隣へ帰っていった。
「なんかいろんな意味ですごい子達だったね」
「冷静に考えてみると私達大変な事しちゃったんじゃない?これって
スワッピングってやつでしょ」
「それにしても気持ち良かったあ~、あの子達。死ぬんじゃないかと思った」
「あら、あの子達に骨抜きにされてもう私じゃ満足出来ないって?」
「違うわよ。そっちこそあの巨乳ちゃんといつの間にか仲良くなって、
むしゃぶりついてたじゃない」
「一美だって由香里ちゃんとこれ見よがしにチュッなんてキスして。
私見てたんだからね」
「そんなこと言うなら最初にこの部屋で女子高生と楽しそうにイチャついたのは
美香のほうでしょ。隣でちゃんと聞こえてたんだから」
私達は先程の嫉妬の炎を晴らすかのように思いの丈をぶつけ合った。でも私達の
本当の思いはそんな事じゃなかった。だから止めた。
「ふう~、結局、あの子達のほうが数枚上手だったってことね」
「そうね。とんでもない事に巻き込まれちゃったけど、いろいろ勉強にも
なっちゃったね。ねえ、ねえ、今私が一番したいこと、わかる?」
「うん、私も同じ事考えてた」
「じゃあ、『いっせいの~で』っでしよ。いくよ。いっせいの~で」
私と一美はキスをした。長い長いキスだった。いろいろな思いが駆け巡る。
二人の関係に自信が持てなかった自分。嫉妬で気が狂いそうだった事。
改めて知った女同士の愛し方。それら全てを思い起こしてみて見えた真実の愛。
自然と涙が溢れだした。
(愛してる。誰よりも貴女を愛してる)
今、自分にとって一番大切なものが何なのかはっきりとわかった。唇と唇が離れ
涙と鼻水で濡れた顔は最高の笑顔になった。
「グスっ、一美、初めて言うね。・・・愛してる」
瞬きも出来ないほどの一瞬、一美は驚いた顔を見せ、そしてまたボロボロと
泣き出した。
「嬉しい!」
飛び込むように抱きついてきた一美を優しく受け止めた。
「本当はずっと不安だった。私の一方通行じゃないかって。
もちろん私も愛してる。世界中で誰よりも美香が好き」
その時、
・・・ああ、あああっ・・・
隣からは恵子ちゃんの喘ぎ声が。
「ぷっ」
「ぷぷっ、ふふふふ」
思わず吹き出してしまった。考えることは皆一緒のようだ。
「しよ、私達も」
「うん」
ベッドに倒れこみ愛し合った。それこそ隣に負けないくらい燃え上がり、
声を響かせて。
その日、私は不思議な夢を見た。
私と一美はどこか北欧辺りの広い草原にいた。緩やかな勾配のついた草原は、
高くそびえ立つ山々に囲まれ優しい日差しに包まれている。私達は何故か
全裸だった。唯一頭に花冠だけをして、ニッコリと微笑み合っている。周りには
大勢の人達がいて、笑顔で私達を祝福してくれていた。遠くの後ろの方では
とんがり頭の建物が見える。大自然と人々の暖かな心に包まれ、私達は手を繋いで
駆け出した。どこへ行こうとも知れず、ただ体が躍動するままに。どこまでも
どこまでも続く広い草原を・・・
コメント