優しい兄と、愛欲の決壊_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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優しい兄と、愛欲の決壊

15-06-14 10:52

 兄は昔から物静かで優しい人だ。妹の私はいつも甘えている。母はしょっちゅう「紀洋(ノリヒロ)の邪魔しちゃだめよ」というけれど、私は絶対に言うことを聞かない。
 だって兄は大学受験に受かったら、この家を出て行ってしまう。
 だから私は邪魔をするの。勉強しないで。置いてかないで。

 「香織、俺そろそろ勉強しないと…」
 兄は机の方に体を向けたそうにしている。僅かに見て取れる困り顔。
 それもそのはず、もう秋も終わろうとしている。いくら秀才でも、センター試験に迫るほど冷えこむ気候に焦るのだろう。
 私は兄のベッドに寝転んだまま、なぜか時計を見つめていた。

 「えぇ~……」
 いくら図々しい私でも、兄からこんなにはっきり言われると、なかなか言葉を返せない。
 いや、というか、少し前までは「もうちょっとダメ~?」とか言って、くだらない話を続けていた。
 けれど最近の兄は、私が寝た後に徹夜で勉強したりしていて、すっごく疲れた様子をしている。
 私は心苦しくなるけれど、やっぱり邪魔をしなくちゃいけない。だって、もしも兄が上京しちゃったら、最低でも2年は離ればなれになってしまう。そんなのは絶対に耐えられない。せめて一年だけでも浪人してほしい。私は最低なことを願っている。

 「………」

 冷たい空気に漂う静寂。どうやら私は時計を睨んだまま、少し長いこと黙って思考を巡らしていたようだ。長針が5分ばかり進んでいる。
 黙ったまま、勉強をしているだろう兄の後ろ姿へ目を向けた。あれ?兄の首から上が見えない。
 私はベッドから立ちあがって、兄の方へ近づいた。
  …寝ている。相変わらず正しい姿勢のまま、うつらうつらとリズムに揺れている。

 いったん起こさなきゃ。
 そう思って近づけた手を、私はなぜか止めた。

 ドクドクと高鳴る心臓。血が昇るような感覚。
 マズイと直感する。それはだけはダメ。
 今まで堪えてきた兄への密着願望が、私を脳内を埋め尽くしていく。

 触りたい、触れたい、抱きしめたい、………――――――。

 グラリと眩暈がした。兄を抱きしめようとした右手が、兄の肩にかかる。温かい。

 「……っん、ごめん寝ちゃってた!?」

 突然、兄が頭を上げた。私は顔が真っ赤なことを自覚する。焦って手を離した。

 「あ、うん!寝てたよ!」

 ぼんやりと重たい瞼から見つめる目がこわくて、私は目をそらした。
 こんなこと絶対知られちゃだめだ。
 頬の赤みを気にして、右手を添えた。兄のぶあつい視線を遮るように。

 「起こしてくれてありがとう」
 兄が少し眠そうに、いつもの落ち着いた声で言う。

 私は、少しぎこちなく「ううん」と言いながら、兄の方を少し見た。

 …えっ!?
 
 衝撃が走った。気のせいかなと思って、もう一度兄の方をゆっくりと見る。

 間違いない。兄の股間にテントが張ってる。薄いナイロンのジャージだから、先端がくっきりと尖っているのがモロ分かりだ。
 私は何も考えられないまま、まじまじと兄の股間を見て、興奮していた。
 16年間、私は兄の性的な面を一度も見たことがなかったのだ。
 でも、さっき寝ていた時は勃ってなかったはず…。
 
 私の視線に気付いたのか、兄は下を見て、その事態に気付いてしまった。ハッと息をのむのが聞こえた。
 私はハラハラする一方で、嬉々としていた。

 「あー…」と、声なき声を発するお兄ちゃん。
 私はゴクリと唾を呑んだ。

 兄は「ごめんね」と、少し涙ぐんだ声で言った。顔が真っ赤になっている。
 どうして私は、こんなにひどい妹なのか。恥ずかしめられているような兄の顔に、一向に治まる気配のない勃起に、興奮が抑えられない。
 どうしよう。大好きな兄が泣きそうになっているというのに。
 もっと責めたい…。

 「どうして勃起してるの?」

 自分でも悪魔の様だと思った。もう嫌われて一生顔も合わせてくれなくなると思った。一瞬で後悔した。

 「ごめん…。嫌な思いさせたよな…」
 兄はこんなに小さくなって、ここから消えたそうにしている。
 それなのに勃起しているアレはさっきよりも角度が高くなっている。
 私は、兄がこの状況に興奮しているかもしれないという、あり得ない考えを浮かべた。

 「…ううん、大丈夫だよ」
 気遣っているようで気まずいようなフリをしながら、兄をじっと見つめた。
 その目を見た兄は、もしかしたら私の本心に気付いたかもしれない。
 自分では気付かないうちに、物欲しそうな顔をしたかもしれない。

 「あのさ…」
 兄がゆっくりと、戸惑いながら言葉を発し始める。
 私は既にその言葉を予想し、答え合わせをするかのごとく耳を傾ける。

 「もしかして香織、俺のこと…」
 好きなの?

 それしかなかった。さっき私が寝ている兄にした行動を、兄が知って、それで…。
 だとすれば、兄も。

 私は、耳まで真っ赤にし、下を向くことしかできない兄を前にして、もう躊躇する余裕さえ失っていた。

 「好きだよ、お兄ちゃん!」
 その声は、喜びと感動と色々とごちゃまぜの感情で、少し大きくなってしまった。
 家族に聞こえてはいけないと焦ったのか、兄は慌てて顔をあげ、「シーッ!」と言った。

 そして不思議なことに、そのままの勢いで立ちあがり、兄はあっさりとキスをしてきた。
 私は驚いた。兄の積極的な行動に。

 けれど、堰をきったように荒くなっていく熱い息を間近で感じて、あぁ兄も決壊寸前だったんだと悟る。
 兄は飲み込むようにして息を整えようとするけれど、私の耳にはますます興奮して聞こえた。

 唇だけじゃ物足りない。そう思い、舌先をねじ込むと、兄は驚いて顔を離してしまった。

 「…ダメ?」と、私は切実に乞う。

 「ダメじゃないよ」
 兄は掠れた声でそう言うと、さっきよりも体を寄せてキスをする。
 固くて熱い股間のアレが、私のお腹にぴったりとあたる。

 「あっ…」と思わず声を漏らしたのは、しかし兄の方だった。
 私に触れただけで、その性感帯が反応してしまうらしい。

 「ハ、ハッ、ハァ、ハァハァ…」
 「ンッ、ハァ…ハァ、ン…」

 生温かい吐息が響き渡る部屋のなか。
 兄と妹は、互いの口内を弄り合いながら、上昇していく。
 二本の腕が、体のすべてを愛でるように撫ぜていく。

 こんなのお兄ちゃんじゃないみたい…。
 私は、自分のお腹に股間を押しつけるように腰を動かす兄に、別人のような印象を抱き始めた。

 けれど、薄目を開けると、そこには、悩ましく頬を紅潮させる兄の顔があった。
 私は一気に自分の感情が昂るのを感じた。

 私は兄の腰にまわしていた腕の片方を、そっと自分のお腹の方へ動かし、固くて大きな兄のペニスを掴んだ。
 不思議な感触だったけれど、私は本能でそれを欲した。
 ゆっくりと上下に擦るように手を動かしながら、「コレ、ちょうだい…?」と涎まみれの口で囁く。

 兄がクラクラとした様子で頷いたので、私はそのままベッドに押し倒した。
 普通は逆だろうと思ったが、艶めかしくこちらを見上げる兄の姿に、居てもたっても居られなくなる。

 ピンとそそり立つ股間に、ジャージのウエストがひっかる。
 紐をほどいてゴムを伸ばしながらやっと下ろすと、さきっぽに濡れた染みをつけたボクサーパンツが現れた。

 「香織に脱がされるだけで、ヤバイ・・・」

 兄はそう言って、パンツは自分で脱ぐという様に私の手を止めた。
 私は自分のスウェットと、パンツをそれぞれ脱いだ。
 兄の前で脱ぐのは、今更だが恥ずかしい。

 兄は私を迎えるように、両手を伸ばす。イキり立つ股間を露わにして、私が上に乗ることを切望している。
 ほんの少し、焦らしたい気持ちが芽生えた。
 けれど、私はさっきから疼く自分の穴に、早くそれを入れたくて、余裕がなかった。

 「コンドーム…」と兄が言った。
 「私、持ってない」
 「引き出しにある」

 私は一瞬戸惑った。もしも開封済みだったら、兄は初めてじゃない。
 けれど、引き出しを開けると、そこにあったのは1つだけバラになったものだった。

 「友達が強引によこしてきたやつだけど、あってよかった」

 付け方は予備知識で知っていたので、なんとか付けられた。
 
 「大丈夫?」
 「うん」

 二人とも余裕なフリをしているけれど、まったく余裕なんてない。

 私はあらためて兄の上に跨り、欲しがりな穴をその棒で埋めた。
 少しきついけれど、日頃から指でいじっていた私の穴は、順調に兄のペニスを呑みこんでいく。

 ズブ・・・ズ・・・ッ・・・ズブ・・・

 「アァァ…ッ…ハァ…ヤバイ…」
 兄が顔を歪ませて、その快感に悶絶する。一気に瞳に熱を帯びた。
 「アッ、アァン…ッン……」
 私も兄のペニスが奥まで届き、感じたことのない快感に声をもらす。

 ギシッギシッギシッと、スプリングが軋む。
 アンッアンッアンッと、声が漏れ出る。
 
 ギシッギシッ…ズプッズブ…ズッ、ジュブッ…ハァッ…アッアン… 
 ブジュッ、ズブッ、ズ、ズ、ズブズブズブズブズブズブズッ……

 下から突き上がる兄の動きが加速していき、私は強い尿意を感じた。
 ヤバイ、漏れちゃうッと、言ったか言ってないかくらいで、頭が真っ白になり、腰砕けになった。
 兄の体へ倒れ込むと、兄も息を切らしていた。

 私がイッたのと同時か、その時にキュッとしまったアソコの効果で、射精したのだ。
 今も鳴り止まぬ、アソコのなかのドクドクという響きに、兄のペニスも同調している。

 兄はイッてからも、激しくキスを求めてきた。その快感に酔いしれるように、私を抱きしめた。

 ペニスを抜くと、タプタプと精液を含んだゴムが垂れ下がっている。
 兄はそれを外し、ティッシュにくるんでゴミ箱へ捨てた。
 私はその様子をベッドに倒れ込んで眺めていた。

 しかし、ビンビンにイキり立ったままのペニスを、兄は困ったようにティッシュで拭った。
 「香織…、外で出すから……もう一回イイ?」

 「ウン」

 今度は、兄が私に覆いかぶさるようにして、入ってきた。
 温もりを感じるだけで、興奮がやまなくなり、私達は朝がくるまで何度も抱き合った。
 2回目からは恥ずかしさが和らぎ、言葉を交わし合った。

 「お兄ちゃんのおちんちんスゴク大きい、感じちゃう」

 「あぁすごく気持ちいい、香織の中、キツくてやばいよ…」

 「アッァ、アッ、アン、ンゥ…」

 「ハァッハァッ、ハァ、ハァッ…」

 「アァッン…イッちゃう…」
  
 「アッ、アァッ…俺も…」

 兄は慌ててアレを引き抜いて、私のお腹の上でイった。
 その必死な顔を見ただけで、私はますます興奮した。

 最後の方はイキ過ぎて、意識がもうろうとし始めていた。
 けれど、その快感がかなり強くて、私達はやめられなかった。

 兄はずっと私を好きだったのだと、優しい声で、悶えながら言った。


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