この話はつづきです。はじめから読まれる方は「医者」へ
「西田、どうした?」
私の顔を覗き込み
頭を撫でた
私と先生の顔の距離は
あと5cmほどだった。
意識すればするほど
その5cmが悲しく感じた
「‥‥先生?」
先生は優しく微笑み
「どうした?」
涙を流しながら私は
キスをしてしまった。
先生ばびっくりして
すぐ顔を離した。
「ごっ、ごめんなさいっ」
私は両手で顔を隠すと
先生が私の両手首を掴み
ドサッ――‥‥
病室のベットに
押し倒された。
先生は私に
またがった状態で
無言で唇を唇で塞いだ
だんだん激しくなり
舌が割り込んで来て
絡み合う。
息が苦しくなり
私は咳き込んだ。
「あ、わっ悪いっ」
先生は私を起こし
背中をさする。
その優しさが更に好き
咳き込みがおさまり
先生と目が合った
私は先生の首に手を回し
先生を引き寄せ
再びキスをした。
先生は私の横に座り
私の腰に手を回して来た
先生のキスが
私の首筋へと下りて行く
「‥‥んっ‥」
首筋、鎖骨、再び首筋
そして唇。
唇へキスをしながら
先生は私の寝間着の
ボタンをブラが
見えるまで開けた。
再び首筋、鎖骨、
そして胸元へと下りた。
くすぐったい気持ちと
恥ずかしい気持ちと
なんともいえない気持ち
「んっ‥せ、んせ‥‥」
そして先生は私の胸元に
キスマークを1つつけた
すると先生は
外したボタンをしめ
再び唇にキスをし
病室を出ようと
ドアに向かった。
私は急に怖くなり
潤んだ瞳で
思い切って先生に言った
「先生っ!」
先生は振り返る。
「先生‥‥
私‥‥先生が好きだよ
先生が初めて、初めて
私の担当になった
あの日からずっと‥‥」
「西田‥‥」
「病院の先生とその患者が
恋するのなんで
ダメってわかってる。
でもね、伝えなきゃ
限界だったの‥‥」
私は泣きながら話す。
「先生、こんな感情を
持った患者の担当なんて
やだよね。
担当変えてもらって
全然いいから‥‥」
すると先生は
ガチャ――‥‥
病室の鍵を閉めた。
そしてこっちに向かって歩いてきた
「せんせ‥‥?」
私の横に座り
私を抱きしめてきた。
「ありがとう。嬉しいよ」
「‥‥うん‥」
「医者と患者の恋愛が
ダメって誰が決めたんだ?」
「え? いや、だいたい
ダメなんぢゃないの?」
「俺の中に
そんな決まりはない」
つづき「医者 3」へ
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