貞淑なスカートの中.2_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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貞淑なスカートの中.2

15-06-14 10:55

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「貞淑なスカートの中」へ

「英隆さん、やめて!」
奈保子が悲鳴をあげたが、既に遅かった。

英隆は目の前の光景を信じられない思いと、やはり、というどこか悟ったような気持ちで見つめていた。
奈保子は下着をつけていなかった。それどころか、奈保子の尻には、黒々としたバイブが音をたてて唸っているのだ。
「あ、ああ、英隆さん、これは」
「そうか、奈保子、お前はそういう女だったんだな」
「違う、違うんです」
奈保子は羞恥のあまり、泣き出してしまった。
「抜くんだよ。ご飯を食べて、話はそれからだ」
奈保子は泣きながら部屋を出て、しばらくしたら戻ってきた。
「さ、食べようか」
その日の夕飯は、奈保子には地獄だったろうが、英隆には天国だった。普通の意味で理想の妻であった奈保子を、自分にとっての理想の妻とする為の計画で、頭がいっぱいだった。自尊心と羞恥心を同時に味あわせる、これこそ「不貞」を働いた淫乱な妻に対する最大のお仕置きだった。
食事が終わると、英隆は奈保子の肩を抱いて書斎に連れて行った。
「英隆さん、本当に、本当に私、申し訳ないことをしました」
奈保子は頭を垂れて、謝った。この時の美しさ、清らかさに打たれない男は居ないだろう。危うく英隆も許しそうになった位だった。
「お前は別に不倫した訳じゃない。他の男と親しくした訳でもない。これくらい、他の女だってやることなんだから、別にいいんだよ」
奈保子はうつむいたまま、はい、と返事をした。
「だけどね、俺が腹立たしいのは、奈保子、お前がそれを隠して清純ぶろうとしたことだ。お前は俺に嘘をついた。それが腹立たしい。訳を言ってごらん」
奈保子はしばらく黙っていたが、おずおずと話し始めた。
「迷惑を・・・迷惑をかけたくなかったんです。疲れて帰ってきた人に、セックスして欲しいなんて、そんなお願いをするのは失礼だと思ったんです・・・それでつい・・・英隆さんが誘って下さるまで、待てなかったんです」
「それでお前はあんな道具を買ったのか。理由はわかった。で、これからお前はどう落とし前をつけるんだ?」

奈保子は可哀想な位、世間知らずだった。普通の妻なら、こんな事を言われたら絶対に怒るだろう。しかし奈保子は、正直に、夫に対する賠償を健気に話すのだった。
「あれは本当に、出来心で買ったものです。執着はありません。捨てます。ちゃんと我慢します。あなたの言うことをしっかり守ります。もうあんなことはしません」
奈保子の目にはみるみるうちに涙がたまって、こぼれ落ちた。
「捨てるんだな?俺の言うことはちゃんと聞けるんだな」
「はい、聞きます」
「反省の気持ちは十分わかったよ。だがちょっとした罰を与えようと思う。そしたら許してあげよう」
「本当ですか」
奈保子は嬉しそうに微笑んだ。奈保子は本当に自分を愛しているのだと、英隆は改めて思った。
「ああ許してあげるよ。メモに書いてあることをちゃんと守れるか、それだけの話だ。奈保子は本当にしっかり者だから、守れると思うがね」
英隆は紙とペンを取りだした。これから悪魔のメモを作るのだ。目の前にいるこの可愛い妻が身悶え、涙するのだ。こんなに興奮しないことがあろうか!英隆はペンを走らせた。
『これからは今日あったことを日記につけて私に見せること』
『下着はつけること』
ここまでは普通だろう。だが、ここからだ。
『下着をつけること。・・・ただし、露出の高いものに限る。また、陰毛は処理しないこと』
『時々首輪をつけて散歩に出かけること。散歩の時、服は着ないこと』
なんと可哀想な命令だろう。しかし、これだけではいけない。
『今からトイレは使わないこと。排泄は庭で、私の前で行うこと。一人の時に催したら、ちゃんと映像に残すこと』
『私に何をされても逆らわないこと』
全て書き終え、メモを奈保子に渡した。
「守れるね」
奈保子は呆然とメモを読んでいた。
「あ・・・あまりにも過激過ぎます。どうか緩めて下さい」
「守れないのか。さっきの言葉は嘘か」
「いいえ、本当です。でも、でもどうか、これだけは許して下さい。私あなたを愛してるんです。そんな人の前でトイレをするなんて、気が狂ってしまいます!どうか、どうか・・・お怒りにならないで下さい、許して下さい」
「嬉しいことを言ってくれるね。俺もお前が大切だよ。だからお前が愉しく暮らせるようにしたまでだ。大丈夫、お前がどんなに酷い有り様になったとしても、誰にも言わない。ちゃんと頭を撫でて、諭してやるから」
英隆は奈保子の頭を撫でた。
「ちゃんと守れるな?」
「あ・・・あああーっ・・・」
「泣くことはない。愛してるからやるんだ。お前の本当のところをちゃんと見てやりたいんだよ。大丈夫だよ。お前が俺を嫌いだと言ったら、すぐやめるから」
「や・・・める?本当に?」
「やめる。な、やってくれるだろう」
奈保子はとうとう、コクリと頷いた。
「ああ、なんていい子なんだろう」
英隆は微笑んで奈保子を抱き寄せたのだった。

つづき「貞淑なスカートの中.3 〜羞恥排泄編〜」へ


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