この話はつづきです。はじめから読まれる方は「タチとネコの関係」へ
「坂口さん、10日から1週間ばかり大阪に出張に行ってきて」
突然初音は田所部長に出張を命じられた。
「いや、急にそんな事言われても無理です。来週にはようやくアポを取り付けた栄商事の
専務と会う約束がありますから」
初音は今までの自分の仕事を台無しにするわけにはいかないと異議を申し立てた。
「ああ、その件は水野主任に代役を任せるから大丈夫。貴女は大阪で私の言う所に行って
この人に会ってきてほしいの」
そう言って初音に1枚の資料を渡した。
「カンザキコ-ポレ-ション?聞いたことないですけど」
「そこの社長の神崎真琴という人に会って話を詰めてきてほしいの。かなりやり手の
女社長だから失礼のないように。それじゃ水野主任、坂口さんから栄商事の件
打ち合わせしといて」
有無を言わせぬ強引なやり方に初音は睨み付ける様に田所部長を見て席に戻った。
一連のやり取りを見ていた凛は内心不安だった。明らかに二人は上手くいってない。
初音は自分の仕事に執着しすぎるところがある。全体を見渡している田所部長に
いつも分があるのは明白だった。ただ恋人である初音の真剣さは誰よりも
認めたかったのだ。スタンスの違う二人がいつ爆発するか気が気でなかった。
「田所の奴、私がどれだけ苦労して専務とアポを取ったと思ってんのよ。それを
訳もわからない奴に会うために大阪まで行ってこいだなんて。何様だと思ってるのよ」
初音は凛の胸を揉みながら不満をぶつけた。
「や~ん、こんな時まで仕事の話は止してよ。暫く会えないんだからもっと集中して~」
「ゴメンゴメン、凛に会えなくなると思うとつい愚痴になっちゃって。サクランボが
寂しがってるわね」
ピンと立った乳首を摘み上げるとパクッと口に含んだ。
「あん、フゥ~ン」
「可愛い。私がいない間、このエッチな体は誰に慰めてもらうのかな?」
意地悪くニッコリ微笑みながら左右の乳首を指で捏ね回す。
「バカ、初音ちゃん以外に触らせないよ。わかってるくせに」
「ふふ、じゃあ、その間はオナニーでもするのかな。こうやって」
凛の手を取ってオナニーをするように股間に導いた。そして重ねた掌でオマンコ全体を
揉むように誘った。
「やっ、こんなこと・・・しないもん。ああ~、初音ちゃんこそ、大阪で女
作ってこないでよ~、ああん」
初音が出張に行って一人寂しくランチを食べていた時、田所部長に声をかけられた。
「午後から仕入先を回るの。アドバイスが欲しいから一緒についてきてちょうだい」
田所との同行は初めてだった。同行先で田所の仕事振りを見て、改めてすごい人だなと
感じた。凛々しく、決して媚びず、それでいて交渉術に長けていた。凛も自分の出来る
限りの発言でその日の仕事は上手く事が運んだ。
「助かったわ。一の瀬さんの指摘が効いたみたい。あの社長たじたじだったわね」
単純に嬉しかった。尊敬する部長に同行できた上に褒めて貰えて。少しばかり
浮かれていた。だからこの後、田所に高級ホテルのレストランで食事をしましょうと
誘われても、断る考えなど凛にはまるで無かった。
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