Jr.s(5)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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Jr.s(5)

15-06-14 11:00

この話は続きです。はじめから読まれる方は「Jr.s」へ

根拠の無い俺の慰めの言葉などでは不安など拭いきれなかっただろうにユリカちゃんは小さく頷いた。
しかし、ゆっくりだが落ち着きを取り戻しつつあるらしく彼女の体にうっすらと温かみが戻っていくのが体越しに俺にも伝わった。

そして、そこでやっと、思えば彼女の体は最初ひんやりと冷たかったなと今更ながらに俺は気付くのだ。
情けない事に。

「あの、その。おっぱいは、あの赤ちゃんが居るとかじゃなくて…ですね」

「!…うん」

だいぶ、落ち着いたのかユリカちゃんがぽつりぽつりと先ほどの光景の説明をし始める。

「最近、体の成長が凄くて。お医者さんが言うには、成長…ホルモン?が活発で特に私の場合、胸に、そのいっぱい栄養が行っちゃうというか…女の子の部分にいっぱい行っちゃうみたいで…」

ユリカちゃんは頬を染め、恥ずかしがりながら自分の体の事を話す。どうやら、ユリカちゃんは人より成長の度合いが高いらしく。しかも、その成長が女性ホルモンを活発化させ、本来的な彼女の潜在能力に大きな影響を与えているのだという。そう、だからこそ、女性特有の母乳などという物がこの歳で彼女の胸から出てきてしまっているというのだ。
そして、それは定期的に外へ出してやらないと胸が張ってしまい痛みを伴ってしまうらしく。いつもは女性であるマネージャーさんに言えば、彼女が時を見てトイレに行かせてくれたり、部屋にタオルや洗面器を用意してくれたりして、ユリカちゃんが母乳を出している時も誰かが来ない様に外で見張ってくれているらしいのだ。
だが、しかし、そのマネージャーさんが今日に限って来ていない。いくつものタレントを掛け持つ敏腕マネージャーだけに前の仕事が押して遅刻しているのだ。
その為、ユリカちゃんは1人、どうしていいのか分からず、誰にも相談出来ず、トイレにも行けず、結果、この控え室で母乳を搾る事となったのである。そして、それを運が良いのか悪いのか俺が目撃をしてしまったのだ。

「いつもはマネージャーの敦子さんが見張って居てくれるから安心して出せるんですけど…でも」

ユリカちゃんはそう言うとしゅんと小さな体を更に小さくする。

「なんか、全然…出ないんですよね。おっぱいは凄く張って痛いくらいなのに…早く出さなきゃって強くしても、赤くなるばっかりで…それなのに撮影の時は水着の下からじんわり出てきて…」

そして、顔をまた泣き出しそうなくらい弱々しい表情に戻してしまった。

つづき「Jr.s(6)」へ


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