この話はつづきです。はじめから読まれる方は「不良がーるず」へ
ただし、次の日の朝。そんな笑顔なんてどーでもよくなった僕は可哀想だと思う。
「えー、これが、京子の彼氏ぃ?キモーいってか、キモ~い☆」
この馬鹿女がっ!?
ガングロコギャルとでも言うのか。どこぞの部族の様に黒光りした馬鹿女め。何故、僕の爽やかな朝の邪魔をする。
「マジ弱そ~☆」
馬鹿女がっ!?
そう言うお前は頭が弱そうだゾ☆
「七海、朝から悪いね」
「べっつにいいけどさー。で、京子の彼氏ぃは誰に狙われてる訳~?ナサとか~?」
馬鹿女がっ!?
誰が宇宙人だ?誰がアメリカ航空宇宙局に狙われてる地球外生物だっ!?それは、お前だろ、ガングロ星人めっ!!
「なんかめっちゃ彼氏ぃがこっち見てるんですけど?キモいんですけど、まじキモいんですけど?」
…急に真顔で言うの止めない?まじヘコむんですけど?
「とりあえず、他にも集めた奴ら周りにバラしてるから、七海。あんたは、あたしらの後ろに着いて」
「…あー、おっけぇ。なんか、まじなんだ?彼氏なにやったの?」
何もやってない。
むしろ、された方だよ僕は。
「うわっ、キモいからこっち見んな!」
…昨日の一件から考えて、僕を守るという名目で志藤女史が僕を僕の家まで迎えに来たのが今朝の出来事。そして、彼女の不良仲間が集まり、彼女らにガードされながら通学する僕の図が今の出来事。
「でさー、昨日の援交オヤジがさぁ傑作でねぇ」
で、途中でこの馬鹿女が合流したのが今さっきの出来事。
そして馬鹿女は、後ろから馬鹿にボリュームのデカイ声で恥ずかしげも無く下品な話をさっきから10分以上も喋り続けている。正直、こいつから僕を守って貰いたいのだけど?
「で、おらぁっ!!…そのオヤジに言ってやった訳…しっ!!…金が無いなら作って…おらっ、来いよっ!!…てさぁ」
「……………」
…あはは、所々で不自然に会話が途切れているのを僕は変だなんてツッコミは入れない。絶対に言わない。死んでも後ろなんか振り向かない。
「ねぇねぇ彼氏ぃ、正面から来ないのどう思う?」
話掛けんな馬鹿女。
頼むから、このまま平和に登校させてくれ。
「…ちっ!ちょっと、あんた。こっちに…と、いや…」
「え?なに?え?なに?」
「も~、面倒だから、京子のスカートん中でいいんじゃね?」
「…え?」
「ちょ、なな、七海?」
「はい、よいしょ☆」
ちょっ、押すな?
いや、蹴るな?
あっ!
……パラダイス☆
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