この話はつづきです。はじめから読まれる方は「モーメント・オブ・トゥルース − 序章」へ
「明日は、ご主人様に儀式をしていただけるかも知れません」
嬉しそうにその言葉を発した奴隷M子の屈託の無い笑顔を眩しく感じると共に初めて会った夜を思い起こしていた。
最初にお互いを主として、奴隷として受け入れることを決めた夜は、さほど言葉を交わすこともなくゲストの方々にM子を披露した。
M子からの調教を要望するメールの言葉遣いから、頭の良い古風な女だろうと想像していたから、最初にホテルに訪問を受けた時には自分自身が描いた人物像と目の前に現れた女とのギャップに驚いた。
目の前にした女は古風という表現を忘れるほど、そして年齢を尋ねることを躊躇するほどの若い女だった。事実、最初に年齢を聞いたのはおれではなく、お披露目に参加した女性ゲストだった。
「何歳なの?」
「21歳です」
ホテルに招いたカップルと単独男性ふたりが見守る前でオナニーをさせた後、夜の公園に向かう車の中だった。
「平成生まれか?」
言葉にせず、心の中で呟いた。
公園では緊張しているのが伝わっていた。初めて会った男の命令で、初めて会ったゲストに見られながら露出をするのだからM子の緊張は計り知れないものだっただろう。おれやゲストに見られながらの野外放尿やオナニーは初々しさと大胆さの両方を見せ、ゲストからは称賛の言葉を頂いた。
「正確な28日周期で来てますから」
M子のその言葉からふと我に帰り、儀式が意味することに改めて気付かされた。
ふたりきりの時間があまり取れなかった初めて会った日以外には「儀式」としてM子の恥丘のヘアを剃り落とし、全身に聖水を浴びせながらのオナニーをさせている何度も潮を吹くまで。
「出掛ける前に一緒にシャワーを浴びよう」
考えてみれば初めての行為だった。今までは、服を着たままM子のバスルームでのオナニーを観賞し、ヘアを剃り落とし、そして聖水を浴びせていた。
ふたりで少し温めのシャワーを浴びながら唇を重ね舌を絡める。指先は秘密の花園を優しく、時に激しく愛撫しながら。シャワーのお湯よりも熱く感じるほどの蜜が溢れる頃には、立たせたままM子の身体を保持するのが困難になった。
「しゃがんでごらん、聖水を浴びせてやるから。 さあ、どこに欲しい?」
「お顔から全身にお願いします」
放物線と呼ぶには勢いがある聖水は、M子の可愛い顔、たわわに実った乳房、そして本来隠す役割のヘアを無くした秘部に次々と注がれ、やがて勢いが弱まり放物線となる頃にはM子の口の中におれの分身とともに消えて行く。
M子は口に含んだ聖水を飲み込みながら舌をおれの分身に激しく絡める。
まるで、口の中でおれの分身が硬くなることを楽しむように、そしておれがどうして欲しいかをテレパシーで感じるかのように先回りしている。
「今日は、おれが潮を吹かせてやるよ」
そう言い、バスタブに横たえると淫乱なM奴隷の恍惚の表情を見せる。
身体の中で最も熱を帯びた箇所は触れると火傷しそうなくらい熱い。ツルツルの恥丘、硬く誇張したクリトリス、吸い込まれそうなクレバスをリズミカルに責めるとほどなく熱い液体が指先や手のひらに打ち付ける。
断末魔の叫びにも似た喘ぎ声で最大の波が押し寄せていることが容易にわかる。オフホワイトのバスタブに撒き散らした潮は、ややピンク色を帯び聖なる月の精の訪れを実感させた。
つづき「モーメント・オブ・トゥルース − 儀式 第二章」へ
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