この話はつづきです。はじめから読まれる方は「不良がーるず」へ
僕の意外な才能。
これだから、若いって怖い。一体、何に花開くか分からないんだから…なんて思いながら、僕は昨日の事を思い出しながら授業を受ける。あの後、何も、ひとっ言も喋らないケティちゃん人形の持ち主の視線に居た堪らなくなり、僕は人形を渡して無言で帰宅したのであった。あ、いま死にたくなった。
あぁ、なんで、あんな馬鹿な事をしたんだろう。もう、取り返しが付かないよ。もっけの幸いは昨日の事について彼女から今まで何も言って来ていないという事だ。
きっと、気持ちの悪い馬鹿だとでも思っているのだろう。よし、望む所だ。出来る事なら、そのまま一生関わり合いにならないで貰おうか。気持ち悪いとかいう理由でリンチとかイジメとかやめて下さい。あ、いま死にたくなった。
放課後、僕は怖くて怖くて、友人の遊びの誘いも無下に断り、さっさと校外へと走り去る。今日を無事に脱出しても、明日。明日を無事に脱出しても、明後日。無限に思えるこのミッション。誰か助け…
「はぁっ?てめ、急になに言って…」
「だから、あんたと付き合うとかどーとかの話、あれ無かった事にしてっ言ってんの」
「は?まじ意味わかねぇーし。なに、急に?」
タスケテーッ!?
何これ?何あれ?何なの?いやああぁーっ!?偶然?偶然なの?狙ってるよね?必殺必中とか狙ってるよね絶対?
「別にいいじゃん。まだ、あんた返事してなかったし。クーリングオフてやつ?」
「はああ゛っ!?」
いや、それたぶん、使い方間違って…え、いまなんか目が合っちゃったんですけど?
「まじ意味わかんねぇ!理由言えよ、理由をよぉっ?」
「はぁ…わかった」
分かっちゃた?
分かっちゃたよ?…で、なんで僕の方、見ます?
「あんたで遊んでんの、彼氏にバレちゃてさぁ。なんか、そーいうのやめろって言われてさー、それで?」
なんで疑問系?
てか、怖っ!?女って、めっちゃ怖っ!?
「はあ゛っ?彼氏ぃ?嘘付けよ、ゴラッ!?こっちはテメェに彼氏がいねぇーの知ってんだよっ!!」
彼氏居ないって言っちゃったよ。自分は彼氏じゃないって肯定しちゃったよ、この人。てか、いい男はどーした?どこに行った?まんま不良じゃん?
「はっ、居るけど?ほら、いまもそこであたしたちの事、見てる」
「あ゛ぁっ?」
後ろ確認、誰も無ーし。真横確認、誰も無ーし。一応、上下確認…誰も無ーし。
「は?あいつ?」
え、どいつ?
つづき「不良がーるず6」へ
コメント