この話はつづきです。はじめから読まれる方は「不良がーるず」へ
ヤダヤダ、もうヤクザだよ。やり方があこぎだよ。ホントに君たち学生さん?ホントに君たち僕と同じ人類?
「うをおぉーっ!?」
てか、声でけぇんだよ。向こう側に居るクセにビシバシ聞こえてくるよ。君たちの後ろのUFOキャッチャーの音よりもよく聞こえるって、どんだけ?それともなに、僕の耳の性能がいいとでも?だったら、テメェら雑音をシャットアウトしてくれるわっ!
「まじ、昌が一発ヤったら志藤くれんの?」
「あぁ、お前らで好きにしろよ」
「うぉーい、サンキュー、昌!けへへ、志藤ってツッパってるわりには面がいいからなぁ」
「だよなぁ、しかも、体育の時のあの体。足とかよだれ物だったし、胸もそこそこ揺れてたしよぉ?まじで、いいのかよぉ、昌?」
「あぁ、いいって。あいつ、俺のことホントいい奴だって思ってるみたいだしよ。そそるだろ?信じてた男に裏切られた気だけは強ぇ馬鹿女っての?」
「ギャハハッ、そそるそそる」」
「あのいつも澄ました高慢な顔がどーなんのかね?やべ、今から立ってきちまった」
「ばぁか、まだはえーよ。まずは、俺が一発ヤってから」
「おうおう、頼むぜ、昌ぅ」
「ま、あの馬鹿女の事だから、いい男演じてたら直ぐ股開くと思うけどなぁー」
「ギャハハハ、面だけはいいもんな昌も」
「んだよ、面だけってよー」
…えぇ、上っ面だけですね。いいのは、本当に。まったく、ヘドロが出そう。もう、最悪。もう、せっかく爽快な気分でアーケードやってたのに。んだよ、爽快ゼロだよ。いや、もうマイナスだよ、これ?帰ろ。帰ろ、帰ろ!
まったく、不良って奴らは、まったく。あぁ、もう顔とか確認すんじゃなかった。胸クソ悪いわ!UFOキャッチャーの猫型キャラ・ケティちゃんでも眺めながら帰ろ。もうこの真っ白プリティフェイスに癒されよ。
て、捕まってるし、プリティフェイス。キャッチャーにキャッチされてるし。てか、もう出口付近だよ。あ、落ちた。あぁあ、ケティちゃん誰にGETされ……
「うあっ」
皆さん、不幸な事故発生です。胸クソ悪い会話に耐えかねて帰宅途中の僕ですが。胸クソ悪い馬鹿共を余所に馬鹿共の後ろのUFOキャッチャーを通り過ぎようとした僕ですが。
「志藤京子…さん?」
わーい、ケティちゃんGETだね?おめでとー!て、違うか?
「……」
あ、行っちゃった。
てか、スゲー最悪な偶然ってあるんだね。いや、ある意味最高な偶然だよね、これって?
…泣いてたけど。
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