我が姉 3_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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我が姉 3

15-06-14 11:04

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「我が姉」へ

はっきり言えば、俺はシスコンだ。幼い頃より身近に居て、彼女より美しく、それでいて聡明な女性などこの世には1人として居ない。
と、そう思っていた時期もありました。

『えへーっ』と頬っぺに丸い赤みが出来る程に姉はご満悦な様子。まぁ、他人の金で御求めの物を〝タダ″で手に入れられたのだから、それも当たり前である。〝タダ″という所が重要だ。何せ、お小遣いという名目で弟の金をむしり取って行きやがったのだから。
そう、借りたのでは無い。奪った、が正しいのだ。

「ちがいますぅ。ちゃんと替わりの物をあげましたぁー」

と、買って来た洋服を眺めていた姉、を眺めていた俺に姉が突然こちらに向かってそう言う。俺は何も言っていない。一言も発言していない。思いはしたが、口には出していない。
「ちゃーんと、あげたでしょ~?」
にも関わらず、姉は俺の心を見透かしたかの様に唇を尖らせ、拳をブンブンと振って俺の内心に抗議してくる。
「……」
なので、俺はお茶をすすりながら、無言で奪取された代価?とされる一枚の紙切れを指でつまみ上げる…と、ペッと地面に捨ててやる。
「ちょっとぉ、何すんのよ~?せっかく、お姉ちゃんが徹夜して作ってあげたのにぃ」
こんな物に徹夜すんなよ。俺はそんな事を思いながら視線をテレビの方に向けて、姉という存在を頭から消す。無視こそが世界平和への第一歩なのだ。

「無視かっ!?こんなかわゆいお姉ちゃんを、無・視・かッ!?」
テレビ画面に映るのはいつものバラエティー。と後ろでソファーの上に立ち上がる姉の姿。光りの反射で見える姉の姿は、またブラにパンツ一枚という軽装備。帰宅早々に俺の目の前で脱ぎ捨てた服は、そこらに乱雑に置かれている。
「あーそう、あーそう!ばーか、ばーか!あほー!あほあほー」
まるで子供の様な罵倒を繰り返しながらソファーの上を何度も飛び跳ねる姉。歳もいい頃だし、しかもその体つきだし、馬鹿なことはしないで貰いたいのだが。
「……あほぉ」
そんな俺の思いが通じたのだろう、姉は意気消沈がてらリビングを後にする。『勝った!』俺の頭の中にそんな言葉が過る。
「まだだっ!まだ終わらんよぉ~っ!?」
が、それも束の間。姉が俺のお気に入りアニメのDVDを持って、再来する。そして、その言葉と共にディスク丸出しのそいつをバキッ!
「……バキッ?」
「悲しいけど、これって戦争なのよねっ…えへ?」
ちろっと出した姉の舌は綺麗な程に赤かった。

つづき「我が姉 4」へ


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