この話はつづきです。はじめから読まれる方は「僕と彼女の初体験」へ
「おーい、なっち帰ってきたぞ。」
「なんで、こんなに早く帰ってくるのー?」
夏美たちはパニックに陥り、大慌てで服を着ようとした。しかし、行為の途中で無造作に脱ぎ捨てたため、下着をどこに脱いであるのかもわからない始末だ。
夏美の姉の芳美が、どかどかと階段を上がってきた。
二人がやっとパンツを見つけ手に取ったとき、部屋の扉が勢いよく開けられた。夏美はかろうじて手で性器と胸を隠し、拓真は股間を隠した。
芳美は、全裸に近い姿で立ち尽くしている夏美と拓真を見て、三秒間絶句したあとで叫んだ。
「お前ら、何やってんだ。なっち、誰だこいつは?」
「違うの、お姉ちゃん。」
「違うって、何が違うんだよ。」
「この人は先輩。あたしが誘ったの。」
「はあー、お前こいつと何してたんだ?」
夏美は何も言えず、下を向いた。
「あのー、すいません。僕と夏美さんは付き合ってるんです。」
拓真がおろおろしながら言った。
「付き合ってる?そんな話聞いたことねえぞ。おい、なっち、こいつと付き合ってるのか?どうなんだよ。」
「お姉ちゃん、説明するから、とりあえず服着ていい?」
「ちょっと待て。そこ、血がついてるじゃねえか。」
シーツに滲んだ赤いしみを発見すると、芳美が大きな声で叫んだ。
「お姉ちゃん、あたしが先輩にお願いしたの。だから、先輩を責めないで。」
「ていうことは、お前らもうセックスしちゃったってことか?」
「そうだよ。あたし、初めてのときは先輩って心に決めてたの。あたしから先輩に、処女をもらってくださいって言ったの。だから、先輩は何も悪いことしてないんだよ。」
「ふうーん。そこまで言うのなら、あたしが口出しすることもないのか。それで、無事に済んだわけ?」
「うん、すごく痛かったけど、ちゃんと入ったよ。」
「そうか、まあ、その格好でいるのもなんだから、お前ら服着ちゃえ。」
二人は急いで身支度を整え、芳美はその様子を椅子に座って見ていた。
「おい、なっち、お前の初体験の相手、あたしに紹介しな。」
「うん、えーと、こちらはバスケ部の後藤拓真先輩です。今は全国大会めざして猛練習してるところです。」
「なるほど、なっちがマネージャーしているバスケ部の先輩か。」
「そうだよ。あたし、バスケ部を見学したときに一目惚れしちゃって、それからずっと憧れてたの。だから、今日は夢が叶ったんだ。」
「ところで、おい、後藤だっけ、お前は夏美のこと好きなのか。体目的で付き合ってるんじゃないだろうな。えっ、どうなんだ?」
「いいえ、違います。夏美さんのことは、もちろん好きです。僕にとって大切な人です。」
「よし、それなら、ここでそれを証明してもらおうか。」
「えっ、証明ってどういうことですか?」
「だから、お前に、なっちを愛するところを見せてもらうんだよ。今、したことと同じことすればいいんだから別にむずかしくないだろ。あたしが見ててやるから、ほら、服脱いで。」
「お姉ちゃん、何言ってんの。そんなことできるわけないでしょう。頭おかしいんじゃないの。」
「かわいい妹をちゃんと気持ちよくさせられるように、あたしが指導してやるんだよ。おい、後藤、わかったか。」
「あ、はい、お願いします。」
夏美は驚愕して拓真を見た。
「先輩、ダメ!そんなのダメだよ。」
「でも、俺、夏美のことをちゃんと気持ちよくさせてあげたいんだ。Hのこと、全然知らないから教えてもらいたい。」
「わかりがいいな。さすがなっちが選んだ男だけのことはある。」
「お姉ちゃん、言ってることおかしいよ。」
「何言ってるんだよ。後藤の言ってることはまともじゃないか。ほらほら、せっかく着た服だけど、二人とも全部脱ぎなさい。」
夏美は懇願するように、拓真の顔を見た。
「先輩、お願いだからやめてください。それにもう遅いから、先輩帰ったほうがいいですよ。」
「よし、それならこうしよう。今度の土日はお前らの予定はどうなってる?」
芳美が夏美に質問した。
「ええーと、たしか土曜日が練習試合で日曜日は休みだったかな」
「じゃあ、日曜日だな。」
「お姉ちゃん、何考えてるの?」
「だから、お前の彼氏のHの指導だよ。後藤、お前、日曜日の1時にここに来い。あたしの車でラブホに移動して、そこでレッスンするから。」
「はい、ぜひお願いします。」
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