ストックホルム・シンドローム〜欲望〜_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ストックホルム・シンドローム〜欲望〜

15-06-14 11:04

この話は続きです。初めから読まれる方は「ストックホルム・シンドローム〜プロローグ〜」 へ

1階、2階と戸締りをしてまわる。最後に2階奥の寝室を終えると、美沙は安堵の表情を浮かべた。
「これでよし..と」

さっき1階で感じた違和感は気のせいだ。きっと急に警察を名乗る二人組が現れて動揺していたんだ。うん、そうに違いない。美沙は務めて平常心を取り繕おうとしていた。
しかし次の瞬間、そんな根拠の無い確信は脆くも崩れ去った。

ガタッ

リビングからだ。はっきりと物音がした。自然音ではない。何かが動いて発せられた音だ。何故だかわからないが、美沙は直感的にそう感じた。

いる…
間違いなく、何者かの気配がする。

美沙は体を強張らせながら、リビングのドアノブに手を掛けた。ゆっくりとリビングの中を覗くと、依然としてテレビからは朝のワイドショーが流れている。なんの変化もない。見た目にはいつもと変わらないリビングだ。ソファの上には美沙の携帯電話が充電コードに繋がれて置かれている。早く警察に電話しなければ。美沙は恐る恐るリビングに入り携帯に手を伸ばした。

次の瞬間…

得体の知れない違和感が、実体となって美沙を背後から襲った。ゴツゴツした手が美沙の口を塞ぎ、毛むくじゃらの腕が首に回る。

声が出ない。

人は極限の恐怖に晒されると何の反応も出来ないのだ。
硬直する美沙の背後から野太い声が響く。
「そのまま静かにしてろ…奥さん…死にたかねぇだろ…!?」
美沙はあまりの恐怖に体を震わせることしかできないでいた。
「畜生…サツの野郎、もうこんなとこまで来てやがったか…。まぁこれでしばらくはやってこねぇだろうがな。」

テレビからは脱獄事件のニュースがながれる。
「犯人の名前は九鬼憲男(43)、4年前に婦女暴行ならびに傷害致死で懲役18年を求刑されていました。受刑者はまだ捕まっておりません。近隣の方はむやみに外出などなさらないように、どうかお気をつけくだ…」
プツッ…
テレビが切られた。

男は悪意に満ちた声で美沙に告げた。
「見ただろ!?奥さん…。俺は捕まりゃあどのみち一生ブタ箱、悪けりゃ死刑だ。今更人一人殺したくらいどってことねぇんだよ。しばらくここに居させてもらうぜ。わかったか!?」
返事などできるはずもない。美沙にはただただ恐怖に身を震わせ、これは悪い夢だと願うしかなかった。

どのくらいこうしているのだろうか。実際には1、2分だろう。しかし美沙には1時間にも2時間にも思えた。男の鼻息は次第に荒くなり、美沙の髪、首筋の匂いをまるで獣のように嗅いでいる。
「はぁ..はぁ..たまんねぇ..。4年ぶりの女の匂いだぜ…。奥さん…まずは楽しませてもらうからよ…」
そう言うと美沙を強引に向き直らせ、荒々しく唇を奪った。
「んっ…んんぅ…ちゅく…ぅんん」
男は欲望に任せ美沙の口腔に己の舌をねじ込む。
「へへへ…うめぇ。やっぱ女はたまんねぇぜ…。オラ…舌出すんだよ…こうやって…」
「んっ…ちゅる…んぅ…や…」
男の溜まりに溜まった欲望が突き動かす力の前では、美沙の抵抗など無きに等しかった。男は美沙の唇を味わいながら、体を強く引き寄せる。けして豊満ではないが、男好きのする乳房が押し潰された。
「へ..へへ..なかなかいい乳してるじゃねぇか…」
テクニックなど無い。ただ女を味わうがごとく、本能のまま美沙の体を貪った。
「やめて..いやぁ…」
美沙が嫌がれば嫌がるほど、男の興奮は増しているようだった。
「オラ..こんなもん脱いじまえ…へへ」
男は美沙のスカートに手を突っ込み、荒々しく下着に手を掛けた。同時に男はせわしなく自分の下半身をもむき出しにする。その場に押し倒された美沙の目に飛び込んできたのは、今まで見た事もないような男の怒張だった。

幹の部分は血管が浮き上がり、カリは大きくパンと張っている。大きさこそ驚く程ではないが、その形やいきり立った様は何ともえげつない、暴力的象徴そのものだった。
「へへ…なんだ?こいつがそんなに珍しいか!?奥さんみてぇなお高く止まった女は見たことねぇんだろ?こんなに下品なチン○をよぉ..へへ」
そう言いながら男は美沙のスカートを捲り上げ、乱暴に膝を持ち脚を押し広げた。
「お〜お〜..思った以上にこっちはずいぶん毛深いじゃねぇか..へへ..エロいマン○しやがって…」
男は欲望の塊を自らしごき上げ美沙の秘部に当てがう。
「や…だめ…お願い…入れちゃ…」
そんな願いが叶うとは思ってはいなかったが、いまの美沙にはそう懇願するしか術はなかった。
「むぅ…んっ…案外狭ぇな..オラ…力抜けよ…おお…ズッポリだぜ…ああ…」
男は無慈悲に美沙の中に深く腰を沈めた。
「ぐぅ…ぅああ…いやぁ…」
快感などあるはずもない。あるのは胎内に蠢く異物の感触だけだ。男は欲望に任せ腰を打ちつける。
「お..おお…たまんねぇぜ..久しぶりでこんな上玉犯せるなんてなぁ…う…ああ」
「や..んっ…やだぁ…くぅ…」
美沙の嬌声は男の興奮をますます加速させ、あっという間に絶頂を迎えた。
「ああ…いっちまう…たっぷり注いでやるからなぁ…へへ」
「中はだめぇ…お願い…いやぁ…だめぇ..!」
「おぅ…ん…むぅ…受けとめろよ…ぐぅ…ああ」
怒張の抽出が激しさを増すやいなや、男はぶるっと身震いし精液を全て美沙の膣中にぶちまけた。
「ああ…そんな…いやぁぁ!」
涙を浮かべる美沙を、男は満足そうに見下ろしていた。

悪夢はこうして幕をあけた…

つづき「ストックホルム・シンドローム〜慟哭〜」へ


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