オタクvsヤンキー 7_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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オタクvsヤンキー 7

15-06-14 11:05

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「オタクvsヤンキー」へ

 最近、相沢茜の周りは寂しくなっていた。明美は放課後ピアノの練習で
付き合えなくなり、他の3人も日替わりのように用があると言ってさっさと
帰ってしまう。時には茜一人で下校することもあった。

当然以前のような
活気はなく毎日が面白くなかった。恋人の正人とも依然上手くいっていない。
そんな時、下駄箱に紙切れが入っていた。
『大事なお話があります。放課後、体育館裏に来てください。 坂本千晴』
と書かれてあった。無視しようかとも思ったが、こんな時に限って誰一人
遊び相手がいなかった。暇つぶしにイジメてやるかと体育館裏に来てみると
千晴がポツンと一人立っていた。
「何人を呼出してんだよ。つまんねえ事だったらシメんぞ」
するといきなり千晴が土下座をした。
「もう、漫画部には手を出さないで下さい。この通り謝りますから許してください」
「はあ~ん?その為にわざわざアタシを呼び出したのか?何様のつもりだ。
答えはダメだ。お前等みたいな気色悪い部潰してやんよ」
「これだけ頼んでもダメですか?」
「ああ、ダメだね」
千晴はすくっと立ち上がった。

「おっ、何だ、やんのか?」
「相沢先輩、今のは漫画部2年、坂本千晴のお願いです。でもここからは
千晴個人のお願いですから聞いてください」
「はあ?何言ってんだ?」
茜が前のめりで耳を傾けた時、いきなり千晴が茜に突進してきた。
「相沢先輩、好きです。付き合ってください」
千晴はそのまま茜に抱きついてきた。
「何を!」
茜は不意を突かれ思わずよろめいた。そしてそのまま体育館の壁に
押し付けられてしまった。
「大好きです。いつも先輩の事を想っていました。先輩を男なんかに
取られたくない。お願いです。付き合ってください。」
あまりに突然の告白に茜はしばしボーゼンとしてしまった。そして
千晴の唇が茜の唇を塞いでしまった。
「なっ!止めろ。気色ワリィ」
茜は千晴を強引に突き飛ばした。千晴はよろけて地面に這った。
茜は手で必死に口を拭いながら睨み付けた。
「二度とこんなことすんじゃねえ。この変態」
「諦めないから。だって好きになっちゃったんだもん。先輩がわかってくれるまで
諦めないから」
千晴のゆるぎない真剣な顔に一瞬たじろいだ。
「くっ」
茜は逃げるように立ち去った。

 それからも千晴は毎日ストーカーのように茜に付きまとった。
そんな千晴から逃げるように屋上でたたずんでいると誰か屋上に上がってくる
気配がして咄嗟に身を隠した。明美と渋谷先生だった。ホッとして声を掛けようと
した瞬間、茜は信じられない光景を目にした。二人が妖しく見つめ合ったかと思うと
激しくキスをしだしたのだ。それだけでなく先生は制服の中に手を入れ明美の
胸を弄りだした。二人は茜の方には全く気付かず行為はエスカレートしていく。
お互い胸を曝け出し揉んだり口に含んだりして愛撫し合っている。そのうち先生が
明美のスカートの中に潜り込んだかと思うと、思わず明美の口から喘ぎ声が
漏れ出した。
「あっ、あっ、そこ、気持ちいい、先生、はあんっ、はあんっ」
「明美、あまり声を出さないで。屋上とはいえ聞こえちゃうから」
「だって~、先生、気持ち良過ぎるよ~。ああっ、ああああ~」
茜は一部始終を見ながら思わず興奮してしまい、手を股間に
伸ばさずにはいられなかった。学校の屋上で親友と先生の禁断の行為を
盗み見ながら、オナニーしている破廉恥な自分に異常に興奮を覚えた。
茜にとって二人の痴態は決して受け入れられない気持ち悪い光景ではなく、
逆に美しいとさえ思えた。

 相変わらず千晴のストーカー行為は続いている。とは言え、あれ以来
特にこれと言って事を起こすわけでもなく、ただ単にしばらく後をついてくるだけ。
そのうち消えていなくなるし、茜ももうそんなに気にしなくなった。その日も
一人で下校することになった茜は憂さ晴らしに繁華街に出た。千晴も
ついて来ていたが、そろそろこの辺で消えていなくなる。
そう思っていた時だった。あるホテルの前から正人と派手な女が手を組んで
出てきたのだ。浮気の現場に鉢合わせ、言い訳のしようがない状況だった。
「こっ、これは違うんだ。この女が気分が悪いからって介抱してたんだ。本当、本当」
「正人、てめえやっぱり他に女がいたんだな~」
「正人、このブス誰?」
「ああ~ん、ブスって誰の事だよ、売女」
まさに修羅場だった。茜は正人の顔面に思いっきり拳を入れ、女の髪の毛を掴んで
引き摺り回した。茜は怒りのまま暴れ回り、正人は鼻血を出しながら土下座をし
、女は泣きながら道の隅っこで蹲っていた。千晴は事の一部始終を見ていたが
恐さで後退りしながら現場を去ろうとした時、茜と視線が合った。
「お前ちょっとこっち来い」
恐ろしい展開に身を縮めながら茜の側に寄った。
「お前、アタシとやりたいんだろ?」
千晴は地べたで這いつくばりながら茜の方を見上げてる正人をチラッと見て頷いた。
「ならやらしてやるよ」
(えっ?やらしてやるよって、私とSEX?)
千晴は耳を疑った。
「正人、お前みたいなくされチンポこっちから願い下げだ。アタシは今からこの子と
このホテルでやるから、そこのどブス連れてどっか消えちまいな」
「ほら、行くよ」
千晴の手を引っ張り、茜はホテルの入口へ足早に向かった。
蹲ってたどブスが聞こえるように呟いた。
「男にモテないからって負け犬がカッコつけてんじゃないよ」
茜の足が止まり、どブスの方に向かったと思うといきなり顔面に
強烈な蹴りをお見舞いした。
「ギャッ」
どブスは鼻と口から血を吹き出し倒れこんだ。
「マジかよ。茜~」
正人の叫び声が人気の無い裏通りの繁華街に響き渡ったが、茜は無視して
千晴とホテルに消えていった。


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