変愛_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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変愛

15-06-14 11:06

「お〜い島田、ちょっとこっち来て」

『うわーっ、また外田所長が呼んでるよ…』

転勤でこの営業所に来てから3ヶ月、どうやら僕は所長のストレス発散係になってしまったようだ。自分が本社のお偉いさんに起こられる度に喫煙室という名の説教部屋に呼ばれる。

しかも内容はほぼ『俺が若い頃は…』から始まる自慢話か、今時流行らない根性論で全く現実味がない。
先輩の松本さんや田中さんも見て見ぬ振りで助けてくれる雰囲気のカケラもない。
僕が説教部屋から出てくるとニヤニヤしながら『お疲れ〜』とか言ってるし。僕の代わりに所長の相手する気はゼロみたいだ。

あとどれだけこんなくだらない人達と付き合っていかなければならないんだろうか…
毎日の出社がホントに苦痛だ。

「島田君、お疲れ様。上司にグチ言われるうちがハナって歌詞の歌もあったしね。頑張って」
あぁ、僕がこの営業所に来て良かったって思える唯一は、この声を掛けてくれた須藤由起子さんだ。
彼女はこの営業所の事務員さんで僕より4つ年上の30歳らしい。
先輩達から聞いた話だと半年程前に離婚したみたい。何でも旦那の浮気が原因だとか。
何てバカな旦那だろう。だってこんなに可愛い奥さんがいるのに他所で女を作って遊んでるなんて。何が不満なんだか…

でも逆に僕にとっては大ラッキーだ。なんせ僕の好みにピッタリなのだから。僕の頭の中にあった理想を具現化したら由起子さんになるだろう。背も僕より少し小さくて、ショートカットで顔が小さくて、色白で軽くタレ目。体も細身なのにおっぱいが大きくてお尻もプリっとしている。
ピタッとしたズボン履いているときなんか、下着のラインが浮き上がっていて、何度後ろからお尻を鷲掴みしてしまいそうになった事か。

そういえばこの間なんか由起子さんがしゃがんでいる時にウエストからピンクのパンティがはみ出していたっけ。刺繍みたいなのが見えてドキドキしていたら、急に振り返り、

「島田君、そんなにじっと見てたらわかっちゃうよ。ゴメンね、変なの見せちゃって」

「そ、そんな変なのなんて…素敵だったのでつい見とれてしまいました。ごめんなさい」

「素敵なんて照れちゃうな。ありがとうね」

何て可愛いリアクションなんだろう!
僕はすっかりやられてしまっていた。
僕は本気で由起子さんが好きだ。
なんとか、由起子さんと付き合う方法はないもんかな…

そんな事を毎日を考えながら悶々と過ごしていたら、今日とんでもない出来事が起きた。

今日は朝からみんな忙しいみたいで事務所には僕と由起子さんの二人きりだった。

「島田君、私ね、昨日温泉に行って来たんだよ」

「へぇ、優雅ですね。楽しかったですか?」

「とっても!でも温泉に入り過ぎたみたいで朝から身体中硫黄の匂いがするみたいなの」

「えっ、そんな事あるんですか!?でも僕のところまでは匂わないですけど」

「そうかな…でも何か匂ってる気がするんだよねぇ。島田君、ちょっと嗅いでもらえないかな?」

「えっ!」

「ちょっとお願い」

由起子さんはそう言うと僕の机に近付いてきた。
僕はドキドキを通り越して頭が真っ白になってしまった。

「髪の毛はどう?」

僕は髪の毛の匂いを嗅いだ。シャンプーの良い香りだった。

「だ、大丈夫です」

「首筋は?」

首筋に鼻を近付けたが硫黄の匂いはしなかった。

「ここもないです」

「じゃあこっちかな?」

由起子さんは着ていたジャンパーのチャックを下ろした。僕は吸い込まれるように顔を突っ込んで匂いを嗅いだ。
硫黄というよりは由起子さんの体臭がした。
汗とかじゃなくて少し甘い感じのする匂いだった。

「い、いい匂いがします」
「ふふふ、何かイヤらしい言い方」

「あ、全然そんなつもりじゃなくて、あの、その…」
「わぁ島田君、照れて必死になってる。」

「からかわないでください」

「あ、ゴメン、怒っちゃった?」

「大丈夫です」

「ホントにゴメンね」

そういうと由起子さんは僕の頭を抱えるように抱き締めた。僕は全く意味がわからず混乱していたが、大きな胸の弾力だけは強く感じた。

つづく「変愛2」へ


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