この話はつづきです。はじめから読まれる方は「トライアングルラブ」へ
「はあっ、はあっ、こんなっ、あんっ、すっごいい、あ゙あ゙ああ~おかしくなるう~、そこっそこっ、そこがいいのおおお~」
午前2時、人々が寝静まっている頃、あるホテルの一室では女の喘ぎ声が響き渡っていた。
その声は悲痛な叫びにも似て聞こえる。エクスタシーという怪物に押し潰されそうになり必死でもがいているようだ。
自慢のハスキーボイスは更に枯れ果てた声になり、より魅力的でエロティックさが増していた。
体を覆っていたシーツは乱れ、見事なEカップの乳房が露わになっている。
今ならツネられただけで軽くエクスタシーに達してしまうのではないかと思うぐらい乳首は勃起し敏感になっていた。だが女の意識は下半身に集中していた。
「ヒィィ――ッ」
まるで幽霊でも見たかのような裏返った声がしたかと思うと
「ぅわおあ゙あ゙ああああ~っ」
断末魔の雄叫びのような声が部屋中響き渡った。直後その部屋は本来の静寂さを取り戻す。
動かなくなった女の下半身をおおっていたシーツがフワッと浮かび上がり、そこから別の女が姿を現した。彼女も全裸だった。
見渡すとそこら中、洋服やら下着やらが無造作に散らばっている。
それは入口の方から転々と続いていた。女はベッドから立ち上がり散らばった服の中から自分のショーツを拾うと弾むようにソファに腰掛けた。
下着を身に付けテーブルの上に置いてあったメンソールの煙草を口に咥え火をつけた。
「スウ――ッ!?、ゲホッゲホッ、ゴホッゴホッ」
女は咳き込んで煙草を灰皿に押し付けた。
「なんでこんなの吸いたがるんだろう。私には一生無理かも」
そう呟いたのは、初めての煙草に咳き込む結花だった。この煙草の持ち主は、ナンパした可憐な少女に、可愛いらしい口と細くしなやかに動く指で、全身隈なく責められた挙句、女を知り尽くしたクンニによって至高の喜びに達し失神してしまったのだ。口をだらしなく開けたまま、うっすらと白目を向いて逝ってしまっていた。
足を開いたまま、まだ全身がヒクついている。
おまんこは丸見え状態で、パックリとふやけていやらしい姿を見せている。
そこから溢れ出た愛液でシーツにはシミができていた。
結花と肌を合わせた女達は皆似たり寄ったりこんな風になった。
ことの始め、まず誰もがこのお人形さんのようなお相手のテクニックに戸惑う。
そして気が付けば一方的に娘のペースに嵌り、あまりの気持ち良さに翻弄されどっぷりとその快楽に浸かっていった。
後は娘が疲れるか飽きるまで延々と責め続けられたのだ。この茶髪の女はまだ運が良かった。
この我がまま娘のその日の気分によっては朝まで許してもらえなかった女もいるのだから。
「ん?」
結花の口の中に女性の縮れた陰毛が1本入っていた。結
花は伝言メモにペンを走らせる。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったわ。でも私の口の中に残っていた貴女のアソコの毛だけはお返しするわ」
と書き、そのメモの上に陰毛を置き、静かに部屋を出ようとした。
「まっ待って。貴女名前は?」
女は意識を取り戻し、ベッドに横になりながら問いかけた。
「ああ、まだ言ってなかったっけ。花丸花子。お姉さんの名前は聞かないことにする。一夜限りの恋でしょ。じゃあ、バイバイ」
「あっ、待ってよ!そんな名前ウソでしょ。本当の名前教えてよ!・・・あっ、べ、別に、つまり・・貴女まあまあ良かったほうだから、また今度気が向いたら付きあってあげてもいいわ。だから連絡先ぐらい私に教えていったほうがいいんじゃない?って事」
女はプライドが高いのか、あくまで自分が主導権を握っているんだとばかりに強がった。
こんな小娘に自分が翻弄されたということを認めたくなかったのだ。
「ユカよ。信じる信じないはお姉さんの勝手。でもあまり期待しないで。たとえ偶然どこかで出会っても声かけないと思うよ。私忘れっぽいから。じゃあね」
空しい思いで家路につく。どれだけスタイルの良い美女を喜ばしても、どれだけ根を上げるまで高慢ちきな女をイカせても幸せは訪れなかった。
(はあ~幸子のばか。あの女にどうやって抱かれたのよ~。会いたい)
幸子の泣きそうになった顔が浮かんで胸が痛んだ。
(さびしいよ。幸子。美佐子先輩)
ここ最近街では、ユカという子を捜し求めて夜を徘徊する女達が見受けられた。
相手の素性も知らぬままSEXをし翻弄された彼女達は、その可憐な想い人を捜し続ける。
それがたとえ広大な砂浜から、自ら落としてしまった一粒のダイヤモンドを捜すような、無謀な行動だとしても。皆同じ思いで。
(せめてもう一度だけ・・・)
「ねえ、ママ。この間、私とこのカウンターで飲んでいた小柄で髪の長い子、
知らないかしら?ユカって子らしいんだけど。この店によく来てない?」
「さあ、どんな子だったかしら、ごめんなさい。わからないわ」
「そう」
女は悲愴な面持ちでメンソールの煙草をふかし「はあ-」と溜息をついた。
(あらあら、これで何人目かしら。結花ちゃん今回大荒れね。まるで麻紀ちゃんが
亡くなった時みたい。今度ばかりは本気だったのかしら)
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