この話はつづきです。はじめから読まれる方は「トライアングルラブ」へ
部活の始まる前に結花にメールする。
『今夜会いたい。会って話がしたい』
いつ頃からか、縺れてしまった糸を解くように、話をすればまた解り合える、そう思った。すぐ返事がきた。
『いいよ、私も幸子に会いたかった。いつもの所で』
いつもの所というのは私達が決まって待ち合わせをする時に使う秘密の場所だ。
部活が終わり、久々のデートにドキドキしながら着替えようと部室に向かった。
するとクラブハウスの前に人が集まっていた。見ると少し離れた所で
サングラスをかけた黒いスーツ姿の男が立っている。
「誰、あれ。変質者?」
「誰かの彼氏かしら?」
「でもちょっとかっこいいじゃない」
よく見ると見覚えのある背格好、顔立ち。ようやく誰だかわかり心臓が
止まりそうになった。アキラだ。私はこそこそ人影に隠れるように
クラブハウスに入ろうとした。アキラが叫んだ。
「おっいたいた。よっ幸子。会いに来てやったぜ」
見つかった。最悪だ。周りがドヨドヨしている。幸い、結花とミサは居残り練習を
していてこの場にいなかった。
「えっ山下先輩の彼氏?」
「かっこいい、まさに美男美女ね」
アキラが皆の方に来ないようにアキラの側に駆け寄った。
「ちょっと、どういうつもり。こんなのルール違反じゃないの」
「なんだよ幸子冷たいじゃないかよ。最近連絡もよこさないでよ。だから
会いに来てやったんじゃねえか。いやあでもいいねェ。女子大ってのは。
結構イイ女がいるじゃねえか。俺もこういうところに入りたかったぜ。そしたら、
毎日ピチピチの女子大生の体をとっかえひっかえ
ヒィ―ッヒィ―ッ言わせてあげたのによ」
「ここは部外者立ち入り禁止よ。帰ってよ」
「部外者って。ああそう、いいんだぜ、
俺は。自分が何者か名乗っても。みなさ~ん」
「ちょっと止めてよ。わかったわよ。こっちに来て」
人目のつかない所にアキラを連れ出した。私は気が動転していた。そこはいつも結花と
待ち合わせをする秘密の場所だったのだ。
「私、もう貴女達とは会わないことにしたの。だから帰って」
「なんだよ、えっ、どうしちゃったんだ。理解に苦しむよ。幸子おまえ、
この指が忘れられるのか?」
そう言ってアキラが中指を突き立てて私の顔の前でクイックイッと動かしてみせた。
「・・・(ゴクリ)」
思わず唾を飲み込んだ。再びあの快感の記憶が甦ってくる。
(「あああ~、アキラああ、最高おお~、いいっいい~もっと掻き回してェ~」)
ジュン。今アソコが濡れてきたのがわかった。正直言って、アキラに最後に抱かれて以来
欲求不満ではあった。結花とずっとすれ違いっだった私は独りで慰めるしかなかった。
でもそれ以上にアキラや京子さんともう関わりたくなかった。
だが今アキラが目の前に現れた。私の女としての体はそれに敏感に反応して
準備を始めだしている。体の奥深くに刻み込まれたメモリのように。今からホテルに
連れていかれたら、私は逆らえるだろうか。次の瞬間アキラの行動は私の予想を超えていた。
私を抱き寄せテニスウェアの中に手を入れてきたのだ。
「なっ、何を」
そして口を塞ぐようにキスをしてきた。
(うそっ今ここで?止めて。人に見つかっちゃう)
ジュン、ジュン
「んんん~、んっんっんん~」
私のアソコはアキラの指を憶えていた。次々に襲いかかる快感に愛液は溢れウェアを濡らしていく。
(いやだ。いや。こんな最低の奴に感じさせられたくない。助けて。結花)
心は完全に拒否して結花を求めていた。だが体は次々と繰り出すアキラの
指の責めに悦びの悲鳴をあげる。膝はガクガク震えだしアソコから湯気が
出そうなほど熱くなっている。
(いや、いやああ、こんな女にイカされたくない!いやああああ)
そう心の中で叫んだ瞬間、激しい吐き気を覚えた。
「うっ、おええ~おええ~」
アキラを突き飛ばし林の中に向かって嘔吐した。アキラは呆然として
私を見ている。心と体のバランスが大きく崩れ防衛本能が
働いたのかもしれない。
「なんだよ。またかよ。ちっ、しらけちまった。欠陥女!」
そう言ってアキラはさっさと帰っていった。ガサッ小枝を踏む人の気配を感じた。
大きな岩陰から現れたのは結花だった。
(しまった。ここは結花との待ち合わせ場所だわ)
サーっと血の気が引いた。
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