この話はつづきです。はじめから読まれる方は「トライアングルラブ」へ
久々に大学に来た。やっぱりこの雰囲気はいい。
なんだか長い間悪い夢を見ていたようだ。
テニス部にもようやく復帰した。
「飯田、あまり無茶するんじゃないぞ」
復帰後初日と言うことで皆気を遣ってくれている。
「先輩、早速ダブルスの練習しましょう」
新ペアの結花が待ってましたとばかりにうずうずさせて寄ってきた。正直
結花とのコンビはどんなことになるのか私も予想できなかったので、不安と期待が
入り混じっていた。
「よし、じゃ新ペア同士で軽く試合をやってみよう。飯田・中島ペア対山下・橘ペアだ」
コーチが試しにやってみろということだった。
「先輩、絶対勝ちましょうね。私、橘さんをギャフンと言わせてみせるわ」
何やら結花は有望株の橘にコンプレックスを持ってるみたい。
試合は意外な展開を見せた。私達のペアは初日にもかかわらず、すごく息が合った。
逆にサチ達のペアはサチが足を引っ張る形になって、一方的な試合になってきたのだ。
「ナイス、美佐子先輩」
「結花、前!・・・よし」
こうして6-2、6-1で私達の良い所ばかりが目立つ形で勝った。
「キャー先輩やりましたね。すごいすごい。ひょっとして私達
名コンビなんじゃないですか」
「何ばかなこと言ってるの。向こうも新ペアだったでしょ」
結花はよほど嬉しかったのか私の腕に抱きついて喜びを表した。それにしても、
サチの不調と私達を見る目付きが気になった。どこか冷めたそれでいて突き刺すような
視線を感じた。
部室の裏で結花とサチが話しこんでいるのが見えた。悪いと思いながらも
そっと盗み聞きをする。
「貴女達、いいコンビね。初日からあんなに息が合って。」
「ばっちりよ。橘さんに勝てたのがこんなにうれしいなんて。それより幸子、最近
なかなか連絡取れないし、メールの返事も遅いけどどうしたの?」
「別に。結花だってここのところ用事が詰まっててなかなか会えなかったでしょ。
私もいろいろと忙しかったのよ」
「ふ~ん。でも今夜は週末だしデートできるんでしょ?美佐子先輩も元気に帰ってきて
時間もできたから、ゆっくり幸子と朝まで一緒にいたい」
「何それ。私はミサの次?悪いけど今夜はもう予定が入ってるの。結花の都合だけで
何でも思い通りになると思わないでね。それじゃ、急がなきゃいけないから私行くわ」
「えっ、私そんなつもりじゃ・・・。じゃあ明日は?」
「わからない。考えとく」
サチが足早にこちらに歩いてきた。咄嗟に私は物陰に隠れサチが去っていくのを
やり過ごした。残された結花は一人寂しくその場で立ち尽くしていた。明らかに二人の
関係は危ない雰囲気だった。
「あっいけない。私も今日、初仕事だった。急いで京城に行かなきゃ」
「京子さん、長い間ご迷惑をおかけしました。今日からまたお願いします」
またこの仕事に復帰した。別にお金のためだけじゃなかった。結花がしてくれたように、
時にはSEXで心を癒してあげることも出来ることを知ったから。不幸な女性、
鬱憤の溜まった女性、願望に悩んでる女性、欲求不満な女性、こんな私でもいろいろな
女性達を癒してあげれるのならこんなにやりがいのある仕事はなかったからだ。
「美佐子ちゃん、大丈夫だった。もうお休みの間お客様からの問い合わせが
殺到してたのよ。早速、ご指名よ。新しいお客様で中ノ島結子様。駅前のAホテル、
8時に待ち合わせ。いきなりお泊りコースだけど大丈夫?」
(中ノ島結子?)
ホテルに着いてロビーで待っていると、背中から聞きなれた声が聞こえてきた。
「美佐子先輩!」
「やっぱり、貴女だったのね」
「電話しちゃった」
満面の笑みを浮かべた結花が立っていた。私は今夜これから行われる出来事を思い、
少し胸が高鳴った。
とりあえず結花とホテルの部屋に入った。結花は俯き加減でこちらの様子を上目遣いで
窺っている。
「アンタ、この間私が言ったこと理解できないの?」
「だって、幸子最近私を避けるように冷たいんだもん。結花寂しいの」
まるで演技でもしているかのように結花はぶりっ子している。
「まさか私達のこと、サチが感づいてるってことないよね」
「それは無いと思う」
少しほっとした。もしサチが私達の関係を知ったらそれこそ私は愛するサチに
会わす顔がない。
「つまり貴女は、恋人に最近かまってもらえなくて寂しいと、それをプロに癒して
欲しいと、そしてデリヘル嬢の中から私を気に入って呼び出したと、こういうことね」
結花は期待を込めて激しく首を縦に振った。
「いいわ。わかったわ。私もデリヘル嬢よ。プロである以上悩めるお客様を
誠心誠意癒してあげるわ。でもプロなんだからキャッシュよ。私達の間はお金で
繋がってるのよ。それを忘れないでね。それじゃ前金で」
両手を差しのべるといきなり結花が手を広げて迫ってきた。
「わあああ~。うれしい」
私に抱きつきほっぺにちゅっちゅ、ちゅっちゅキスをする。
「こらあ、前金って言ったでしょ」
「あっああ、ごめんなさい。ついうれしくて。だって先輩、絶対結花のこと
受け入れてくれないと思ってたから。はい、お金」
「毎度ありがとうございます。あら~、じゃあ、もし私が断ったら
そのまま帰ったの?」
「わかんない。そこまで考えてなかった。ん~ん、帰ったと・・・思う」
「な~んだ。さびしいこと言うのね」
「えっ、それって!ううん、私やっぱりそのまま犯しちゃったはず」
「そう、どうせ犯すなら、うんと感じさせてね。この間みたいに」
「キャー先輩エッチ!」
もうプレイは始まっていた。結花は私に抱きつき甘いキスをくれた。
つづく「トライアングルラブ32(幸子)」へ
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