美紀子_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

ホームページ 戻る 

美紀子

15-06-14 11:08

「山本さん、私に女としての魅力を感じますか?」

事務員の美紀子の一言で私の目はすっかり覚めた。

私は営業で外回りをしている為、昼間事務所にいる事はほとんどないが、事務処理が溜まってしまい、電卓片手にパソコンと戦っていた。

午後2時を過ぎて集中力も切れてきた為、息抜きがてら事務員の美紀子に話かけた。

「ミキティ、最近旦那とはうまくいってるかい?」

「いきなりどうしたんですか?仕事に飽きて息抜きですね〜?ご心配なく。バッチリうまくいってますよ〜だ」

「それは何より!早く子供作りなよ」

彼女とは私が転勤してきてから約半年の付き合いになる。
一年程前に結婚したらしく、最近の口癖は『早く子供が欲しい』だ。

美紀子は私より4歳年下の32歳だが背も小柄でショートカット、黒目がちな瞳でかなり幼い外見だ。若干ロリータ趣味がある私の好みだったので、私の歓迎会を開いてもらった時にタイプな顔だと伝えると

「私、こう見えても新婚さんなんですよ〜残念でした」

と告げられひどくがっかりしたのだが、それ以来なにかと世話を焼いてくれている。贔屓めに見ても他の営業所のメンバーより優遇されている事が多いのでタイプと言われた事が嬉しかったのだろうと思っていた。
そんな事もあって良く軽口を叩くのだが、その日の彼女はいつもと違っていた。

またパソコンに向かって仕事を始めようとすると

「…です」
美紀子が小さな声で何かつぶやいた。

「えっ?何」
聞き返す私。

「嘘です。うまくなんかいってないんです」
美紀子はうなだれて小さく肩を震わせていた。

「えっ!どうした!何!?」
あまりに突然の事で訳が分からなかった。

「旦那と全然うまくなんかいってないの!毎日が辛いの!」

彼女は明らかに泣いていた。彼女に近づき一言慰めの言葉をかけようかと思い、椅子から立ち上がると、彼女の方から駆け寄り、私に抱きついてきた。そして

「ごめんなさい。でも少しだけこうさせてください」
彼女は私の胸に顔を埋めて泣いていた。

「しょうがないな〜ちょっとだけ貸してやるよ」

耳元で囁き震える美紀子の体をギュッと抱き締めた。華奢な体だった。

美紀子の息遣いをすぐ近くに感じた。

「何かあったの?」
落ち着いたところを見計らって声を掛けた。

「本当にごめんなさい。ちょっといろいろあったから…」

「そっか。まぁいろいろあるわな」

ショートの髪を軽く撫でた。フワッと甘い香りが漂った。

照れ臭くなってきた私は
「ミキティ、小さなおっぱい当たっているぞ」

「ひど〜い!結構おっきいおっぱいですよ」

「そうなの!?じゃあ今度見せておくれよ」

「そんな事言ってくれるのは山本さんだけですよ」

「旦那は?」

「全然興味ないみたい」

「勿体ないね」

「山本さん、私に女としての魅力を感じますか?」

「…あぁ」

「…良かったら今日の夜時間ください」

「…わかった」

何かが始まる予感がした。

つづく「美紀子2」へ


コメント
お名前:
気持ち:

コード:

お知らせ

なし

小説を検索