トライアングルラブ 22(結花)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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トライアングルラブ 22(結花)

15-06-14 11:08

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「トライアングルラブ」へ

「ふん、何よ。いい気味だわ。そもそも、幸子を誘惑しようなんて、自業自得よ」
(でもちょっとやりすぎたかなあ。まさか仕事ほっぽりだして本当に帰るなんて。
先輩泣いてたもんなあ。少しくらい触らせてあげてもよかったのかも)私の上では幸子が泣いている。

腰は貪欲に激しく振り続けているが、どこか切羽詰った感じで、喘ぎ声も悲しく聞こえる。
(もう、こんなはずじゃなかったのに~。美佐子先輩にさんざん私達がSEXしているところを見せつけた後は、幸子と二人で先輩を愛撫して、イカせまくってヘロヘロにさせて、「これに懲りたら幸子に手を出すなあ」って言ってやるつもりだったのに。どうしてこんなに暗く後味の悪いもんになるのよ~)
「ああ、もうっ面白くない。幸子も泣くのかイクのかどっちかにしてよ」
私は下から突き上げるように幸子を責めたてた。
「あああああ、だめっ、そんなに突き上げないで、ああああ当たる、当たってるう、
い、い、い、い~いくう、いっちゃうっうっうっよっおっおっおっお~」
マシンガンのように腰を突き上げ、一気に幸子をイカせてやった。幸子はどっと
倒れこんだ後、まだ私の胸で泣いていた。(なんで幸子まで泣いてるのよ)私は
ペニスバンドを幸子から抜いてそのまま立ち上がり、一人シャワーを浴びた。
(一応、目的は最低限達成したんだし、お金は払っとこう。京城はこれからも利用させて
もらうしね)
「京子さん、美佐子さんお金忘れてったから今から払いにそっち行きますね。それと
美佐子さんがんばったし、怒らないでやってくださいね」
翌日、美佐子先輩は大学を休んだ。(まあ、当たり前かあ。ちょっとショックが
強すぎたかな)こんな日に限ってクラブでコーチから重大発表があった。
「心機一転、ダブルスのペアを暫く組み替える事にする。飯田・中島ペア、山下・橘ペア
にする。以上」
「え~、なんでえ」
「理由は言わなくても想像つくだろう。このペアで暫く様子を見る」
私は思い切って要望を言ってみた。

「コーチ、どうせ組み替えるなら出来れば私、山下先輩と組みたいんですが」
「なんだ中島、飯田より山下の方が厳しいんだぞ。ワシより鬼コーチなんだから。まあ
悪いことは言わん。お前の性格からみて山下は合わんとみた。飯田のほうが合ってるぞ。
それに山下には将来のエース橘を鍛えてもらわんとな。だから却下」
(バカコーチ!何が『山下は合わん』だ。お前の方が分かってないんだよ。べぇ~)
幸子は事前に知ってたようだった。皆にわからないように掌を縦に切ってごめんと合図
してくれた。
美佐子先輩は次の日も、その次の日も大学には姿を現さなかった。
「中島あ~、ちょっと」
「何ですか?」
コーチに呼ばれた。
「お前の新しいペアの飯田のことなんだが、連絡が取れないんだ。今からちょっと家に
行って様子を見てきてくれないか?それでペア替えしたこともついでに報告してこい」
「え~なんで私が」
「ペアだろ。下級生なんだし、つべこべ言わず行って来い」
美佐子先輩の家は幸子から教えてもらった。そんなに遠くはなかったが、道が
入り組んでいてちょっと迷った。小さなアパートだった。
「美佐子先輩、結花です。いますか?いたら返事してください」
「・・・」
カチャ。扉は開いていた。
「開いてたんで入りますよ」
中はシーンとして人の気配がないようだった。(おかしいなあ。鍵開いてたんだけどなあ。
近くにジュースでも買いに行ってるのかなあ)奥の部屋の扉が少し開いていた。
その隙間から何やら人の足らしきものが見えた。

(なあんだ。寝てるのか。でも無用心だな。私が痴漢だったら襲われちゃうよ。ん?痴漢?むふふ、そういえば
この間の続きなんてどうでしょうか。うふ)
私は途端にムラムラと欲情してしまい、期待感を胸に秘め足音をたてずにそーっと奥の部屋へ歩み寄った。ぎぎぎぎいい。扉を出来るだけ音をたてずに開けてみた。
「・・・!」
そこには明らかに寝ているのではなく、フローリングの床に倒れている美佐子先輩がいた。
「先輩!大丈夫ですか」
倒れている先輩に駆け寄り、一瞬別人かと思う程やつれ真っ青な顔の先輩を揺さぶった。
反応はない。(息は?脈は?)脈はどうやらあるようだった。少しほっとした。だが
呼吸がすごくか細い。危険な状態であることに間違いはなかった。すぐに救急車を呼び、
コーチにも連絡した。私は美佐子先輩に付き添って救急車に乗り込んだ。
私の脳裏に忘れ去ろうとした苦い記憶がよみがえってきた。

つづく「トライアングルラブ23」へ


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