この話はつづきです。はじめから読まれる方は「トライアングルラブ」へ
親友で、秘かに想いを寄せているサチに新しい恋人ができた。それは男ではなく私と同じ女性。しかもテニス部の後輩。今まで付き合っていた
智くんとは別れると言う。私はこの事実を目の当たりにして愕然とした。
そして目が腫れるまで一晩泣き明かした。サチとは6年以上の付き合いだ。
サチを恋愛の対象として意識しだして、ずっと私は苦しんでいた。智くんと付き合いだしてからはもっと苦しんだ。私がレズだから。サチがノンケだから。
だが、後輩の結花はそんな壁をあっさりとぶち壊し、知り合って4ヶ月でサチと深い関係になった。後悔してもしつくせない思いだ。もっと早く
告白していれば、もっと早くこの腕に抱きしめていれば、あんな小娘に取られはしなかったのに。でもサチはどうして結花と付き合うことに
なったんだろう。元々サチに女性を好きになるという発想は無かったはずだ。それは長い付き合いでわかる。確かに中島結花は可愛い娘だ。おそらく
私が男でも好意をもつだろう容姿であるのは確かだ。しかしだからと言って、ノーマルな女性が彼女と関係をもつまでに至るとは、どうしても思えない。
だが、現実は二人ホテルで一晩中愛し合ったのだ。サチの首筋のキスマークが嫉妬心をかきたてて、脳裏から離れない。
智くんから連絡があった。
「サチが好きな人ができたから別れようって泣きながら言うんだ。美佐子、おまえなら誰だか知ってるんだろう。なあ、教えてくれよ」
「知らない。私だって知らないよ。サチの好きな人なんて。大体、智くんがサチをしっかり捕まえてないから悪いんじゃないの」
私の苛立ちは智くんへ向けられた。そんな自分がさらに嫌になる。
何もかも忘れたくて、たまに行くレズビアンバーに行った。ここはレズの女性達が集まるバーだ。私がカウンターで一人飲んでいると、20代後半位の
髪の長い綺麗な女性が声をかけてきた。
「貴女ひとり?私もひとりなの。横いいかしら?」
「・・・いいわ」
「ママ、この娘にいつものやつを」
「はいはい、でも京子ちゃん、ほどほどにね」
「これ、私のおごり。とってもおいしいのよ。えっとお・・・」
「美佐子。貴女は京子さんね」
「そう、萩原京子。じゃ二人の出会いに乾杯」
それから2時間後、シティホテルの最上階の部屋のベッドで、私は京子という女のおまんこを丁寧に舐めていた。
「おおう、いい、素敵よ、そう、そこ、ああ~ん上手う」
私はネコも出来るが、元来タチのほうが向いている。ベッドに入ってから常にリードしているのは私の方だった。
(これがサチだったら、こうやってサチのアソコをしゃぶることが出来たら。サチも結花にこうやっておまんこを舐めてもらったのかしら。それとも結花のおまんこを一生懸命舐めたの?)
女は大股を広げ、私の頭を両手で鷲摑みにし、おまんこを必死に私の口に押し付けてくる。
「あああ、もっと、もっと舐めてぇ~、いいわあ、貴女いいわあ、あああくる、きそう、あっあっあっいっくううう」
女は大きな声を上げながら、気をやったようだった。
「はあ、はあ、素敵だった、はあ、貴女気に入ったわ、お礼をしなきゃね。今度は私がしてあげる」
そう言うと私を仰向けにさせ、首筋に舌を這わせてきた。
「うっ、あっは~ん」
思わず声が出てしまう。
「ふふふ、鳴き声もいい声ね。益々気に入ったわ。もっと鳴いてもいいのよ。いっぱい聞かせて」
女はテクニシャンだった。
「あああ、いや、ああ、だめぇ、そんなにされたらおかしくなっちゃうう、あああ」
女の口と指が全身を這い回る中、私は夢心地で感じていた。ある時は焦らされ、ある時は徹底して急所を責められ、ある時は優しく包み込むような
柔らかさで私を抱きしめてくれた。幾度となく高みに登りつめ、はしたない大声をあげた。最後にはその喘ぎ声さえも出せないくらい感じていた。
「うっ―――・・・」
私は歓喜と感動のあまり大粒の涙を流していた。心底、女で良かったと思った。心底、レズビアンで良かったと思えた。こんな気持ちのSEXは
生まれて初めてだった。私が身も心も疲れ果てベッドの上で動けないでいると、女はテーブルの上に名刺と封筒を置いた。
「貴女、本当に良かったわ。もし私にまた会いたくなったら、この名刺のところに連絡ちょうだい。待ってるわ。それとこれは私のほんの気持ち。
取っときなさい」
封筒には10万円が入っていた。
「これは受け取れません。そんなつもりで付き合ったんじゃありません」
「堅いこと言わないの。お礼の気持ちなんだから、素直に受け取ればいいのよ。あって困るもんじゃないんだから」
そう言って京子という女は部屋を出て行った。名刺には「モデルプロダクション オーナー 萩原京子」と書かれてあった。
つづく「トライアングルラブ5」へ
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