この話は続きです。はじめから読まれる方は「ツインズ(最初は俺たち同士)」へ
双子は良く、ペアルックで育てられる。
同じように扱われる。
同じようなものに興味を持つ。
俺たちは、高校生としてはイケメンに育ったと自負している。
バレンタインもチョコは多い。
そうして行くうちにきっと、ナルシストになったんだと思う。
中3を終えた春休み。
俺は1年続いた双子の兄と、本物の関係になり、もしかしたら恋愛とか出来ないんじゃないかと思っていた。
昼は部活で仲良し兄弟選手。
夜はお互いの部屋を行き来して、裸で抱き合う。
だけど、俺らは普段男にはまるで興味が無かったから、双子同士で盛り合うだけで浮気もくそも無かった。
だから俺は兄貴にヤキモチを焼いたことも無かったし、兄貴も俺を恋人のように縛ることも無かった。
だって、同じ家に帰るし。
部屋が別れたって隣同士だし。
お互いの部屋に長くいても、全然親は何も言わない。
俺たちはいわゆるホモだったけど、なんだと思うけど、お互い以外に興味が無いからホモ雑誌も買わない。
だからそれはある日唐突にやってきた。
俺は眠いなと思った午後の授業、教師のくだらない冗談で教室が微妙に笑いに包まれた時、眩しい窓の方を何気なく見てあの子が目に入った。
1ヶ月も経ったのに、その子に興味は無かった。
俺はスケベにも余裕があったから、手紙も良く貰って兄弟揃ってもてていたが女にも興味が無かった。
俺はその子を太陽の光越しに可愛いと思った。
くだらない教師の冗談に素直に笑っていた姿が可愛かった。
クラスの違う兄貴が次の時間、教科書を借りに来た。
「わー、本当に双子なんだねー。」
その子はたまたま教室を出ようとして俺らにそう言った。
一度可愛いと思ったら、次も可愛い。
俺は照れた。
ふと、兄貴がその子を見つめているのに気づいた。
胸騒ぎがした。
寝る時、俺らはどっちの部屋に行くと言う目配せをしなかった。
お互いの部屋に戻ってしばらくぼんやりしていた。
俺は、あの子を思い出して自分のをしごき始めた。
だけど、途中でなんだか嫌になって止めた。
だけど、中途半端に俺のは刺激を求めていた。
「入るぞ」
兄貴が来て、俺の布団をはいだ。
兄貴は、下を丸出しにしている俺を見て、黙っていたが、自分も下を脱いで、あべこべにまたがってきた。
兄貴は俺を含み、俺は兄貴を含み、ただそれだけでその夜は終わった。
俺とその子は同じクラスであるだけ有利だった。
気持ちは自然と伝わるもので、俺はその子と良く、体育館裏で二人きりになるようにしていた。
何かをするためではなく、兄貴に見られないためだった。
俺らは、純粋な高校生男女として、部活の無い日は夢中で話していた。
あの子がある日、部活に見学に来た。
俺はよそよそしくしていた。誰かに冷やかされたくないし、まして兄貴に気づかれたくなかった。
だけど、俺も兄貴も同じ短距離走選手で、練習は一緒にやっている。
あの子の視線を感じたから、俺は練習をやめてしまいたかった。
その日以来、何故かあの子とは話が弾まなくなった。
少し気まずいと思ったから、何かあったかと聞いた。あの子は何も言わなかった。
うつむき加減に首を振るから、俺はつい抱き寄せた。
あの子はビックリして俺を見ていた。スケベなことをしたことがある男子としたことの無い男子の違いはきっとここにあるんだ。
俺はあの子が動けなくなっているのをいいことに唇を奪った。
そしてそのまま舌を絡ませ、とても長い時間あの子にキスした。
あの子はもう、ぼんやりとしてしまって、何度でも俺のキスを受け入れた。
そのうち膝をもじもじさせているのに俺は気づいた。
俺は制服から手を入れ、ブラウスの上からあの子の胸を揉んだ。
生まれて初めてさわる、女子の胸は下着越しでも俺の手のひらを感動させた。
夢中で、でも優しさに気をつかって揉んだつもりだった。
ずっと俺は舌を動かして、あの子の注意が途切れることがないようにキスをし続けた。
それからしばらく俺らの体育館裏デートは、会話の無いキスと、おさわりの時間になった。
俺は注意を払いながら1日ずつ、あの子の体を征服する範囲を広げていた。
ブラウスの上から下着をずらして乳首をつまんでいじると可愛い声を出しながら目を閉じているあの子が愛おしくて、このまま脱がしてしまいたい気もちと戦っていた。
あれから兄貴と俺の関係も少し変わった。
兄貴は毎晩俺の部屋に来るようになって、必ず全裸になり、同じように脱がした俺を後ろから抱くようにしごいて、俺がイクとそれだけで帰って行った。
ある日、体育館裏に遅れた俺はあの子の楽しそうな話し声と、聞きなれた男の声を聞いた。
まさか、と思っていると、話し声が途切れた。
慌てて角を曲がると、兄貴があの子と舌を絡めていた。
俺がそうしたように。
いきなり抱き寄せたと思われる状態で。
でもあの子はそのまま眼を閉じていた。
長いキスだった。俺たちは双子だ。
することは似ていた。
嬉しそうに離れたあの子の表情にショックを受けながら、俺はわざと足音を立てた。
あの子は俺を見ると顔を引きつらせ、兄貴から離れた。
俺たちは双子で、顔もそっくりだ。
だけど微妙に髪型が違う。いや、人間そのものが違う。
あの子が俺と兄貴を間違えたのではないことは確信があった。
兄貴は俺を振り返ると。「ごめんな」と言った。
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