やさしい恋2_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

ホームページ 戻る 

やさしい恋2

15-06-14 11:21

この話は続きです。はじめから読まれる方は「やさしい恋」へ
『この人が助けてくれたんだよ!』

さっきの警察官がそこにいた。
『佳奈ちゃん。気分はどうだ?ビックリしたよ遠くの方で倒れてるの見つけて。』

《なにこの警察官、いつまで私を見てたんだ・・》
『でも、良かったよ無事で。』
と言いながら、佳奈の頭を撫でた。

佳奈は、始めての感覚に襲われた。
ドキドキした。

『じゃ、俺は帰るから。ゆっくり休んで元気になるんだぞ』
『ちょっと・・』
佳奈は警察官の腕を掴んだ。
『名前、何?』
警察官は嬉しそうに『葉月浩』
『え?何、同じ名字なの?』
『実はな。そうなんだよ。俺もびっくりした。』
『へぇー。・・・ねぇ、あのさ』
『ん?なんだ?』
『あの、さ、もし暇ならさ、もうちょっと居てよ』
佳奈は、初めてだった。こんな甘えた言葉を言ったのは。

『あぁ。いいよ』
浩は少し驚いたが、内心嬉しかった。
あの冷めた態度の佳奈が、心を許してくれた気がした。

佳奈はどしゃぶりの中救急車で運ばれたため、真っ白のブラウスからピンク色のブラジャーが少し透けていた。
真面目な浩は、必死に見ないフリをしていた。
『浩、何赤くなってんの?』
『別に赤くなってない!それに、大人を呼び捨てにするんじゃない!』
浩は心を見透かされているみたいで恥ずかしかった。
『いいじゃん別に!だって私、他人にこんな気持ちになったの初めてなんだもん』
『ん?こんな気持ちって?』
《やばぃ・・勢いで・・どぉしようなんて言おう・・》
佳奈は自分の不思議な気持ちを言葉に出来なかった。

『佳奈ちゃん?』
『いや・・よくわかんないよ!とにかく浩は他の人と違うの!』
佳奈も顔が真っ赤になっていた。
『それは、好きとかじゃなくて?』
『はぁぁ?何?好きってー!そんなわけな・・っ』
佳奈は浩にキスされた。
『佳奈ちゃんは意地っ張りだからねぇ』
『ちょっと!何するのよ!』
『え、ごめん嫌だった?』
『てゆーか警察官がこんなことしちゃっていいの?』
『警察官は恋しちゃいけないの?』
『恋・・?』
佳奈は、これは恋なのか・・と、急に穏やかな気持ちになった。
『恋かぁ。私、浩に恋してるのかな・・』
『佳奈ちゃん、俺佳奈ちゃんのそばにいちゃダメかな?』
『えっ・・。うん。私、親いないし、お金無いし、弟二人もいるし、苦労させるし・・』
『そうなんだ。佳奈ちゃんはずっと頑張って来たんだね。俺もっと一緒にいたいって思っちゃった』
佳奈は涙が溢れてきた。


コメント
お名前:
気持ち:

コード:

お知らせ

なし

小説を検索