かごめ倶楽部 〜四天王の性戦〜_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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かごめ倶楽部 〜四天王の性戦〜

15-06-14 11:22

第一章 亜美子、寝室で裕を想う…….

PM 11:30

…….シュ….シュル シュル……

静寂の寝室に微かに響く布の擦れる音 それが始まりの合図……….
入浴後の残り香をまだ漂よわせながら、そのベットの掛け布団は芋虫の様に蠢き出した….くねくねと怪しく、恥じらう様に蠢くそれは ぼんやりと僅かなオレンジ色のスタンドライトに照らされていた。

やがてソレは身をよじって、ピンク色のショーツを一枚産み落とした。
パサリ….
深夜の静寂がその小さな音を拾う……..ちらりと亜美子の白い生足が覗く………
太腿の根元に深く埋もれる指先が掛け布団の隙間から見え隠れしている。 もぞもぞと遠慮がちに動くその指は次第に大胆になり、小刻みな連続運動に変わった。

「 はあっ… はあっ… はあっ… 」

今まで布が擦れ合う音だけだった寝室に、亜美子の熱い呼吸音が加わる…..
徐々にテンポを上げていく小刻みな連続運動に合わせて、亜美子の呼吸音は次第に荒くなって行った。その熱い吐息は 『 アノ瞬間を受け入れる準備をしろ 』 と、自らのカラダに警鐘を鳴らしているかの様に続いた。
まだ会話さえ交わしていない、ある少年の顔を夢中で想い浮かべる…… 南野 裕….. 堪らず亜美子は布団の中で激しく身を捩り始めた…………..

( ああ…… 裕君っ………. )

芋虫はクネクネともがき苦しみ、亜美子の何も付けていない露な下半身を全て吐き出した……激しく往復運動する淫らな指の動きも大胆に露出した。
亜美子は ふとももを貝の様にピタリと閉じたり、片方の足だけまっすぐ伸ばしたり、忙しなく動かしてシーツに大きな皺を作った……..シーツの擦れ合う音が激しくなる…..
大きく乱れるベッドの上で、クチュクチュとイヤらしい摩擦音を響かせながら亜美子は
『 アノ瞬間 』が、もう目前に迫っている事に興奮して一気に心臓の鼓動を速めた。
左の手を寝間着の中に滑り込ませて乳房を包み込むと、ドキドキがはっきり伝わった。
指が敏感になった乳首に接触すると、ピクリと体全体が反応した。

「 ….. っ!」 そのしなやかな指先は焦らす様な動きで敏感になった乳首を器用にいじり続けた…..
妄想の中、その左の指先は裕の舌となり乳首を刺激し、右の指先は裕の触手となってアソコを執拗に攻めた。膣の中で裕の中指が激しく摩擦される。切ない呻き声が漏れ、それに興奮した裕の股間も硬くなる………….互いの足が交わり、その硬い感触が亜美子に伝わる…
そんなシチュエーションが鮮明に構築されて快感は一気に高まり、亜美子の呼吸は一層激しく弾んだ。同時にじっとして居られないカラダは激しく捩れ、ベッドを軋ませ始める。

「 ハアッ…! ハアッ ….! ハアッ……! 」
記憶力を総動員して必死に裕の全裸を想い浮かべる…… 水泳部室内練習場でカラダを動かす裕の水着姿………….海水パンツを盛り上がらせているアノ中身を想い描き想像する…..
しかし激しい指の出し入れがピークに達し、頭が真っ白になり想像はそこで途切れた。
亜美子の生足がシーツの上で激しく泳ぐ………………  乱れる布団…………. 軋むベッド …….無意識につま先が反り返る…….. 来るっ…….. 『 アノ瞬間 』 が…… !
亜美子は身構える……… 喘ぎ声を上げたくなる衝動を必死に堪える 。
(  ….ダメっ…みんなに聞かれちゃう….声はダメっ ! )
家族と同居の、まだ高校生の亜美子は声を出すまいと、左手を胸から離して咄嗟に口を塞ぐ。間髪入れず絶頂の大波が押し寄せた !
妄想の中の亜美子は、裕にしがみついて絶頂の喘ぎ声を上げた。

( アアッ! イクッ……..裕君っ!! )

イヤイヤをする子供の様に必死に頭を左右に振って、絶頂を受け入れる亜美子……..
洗い立ての髪が乱れ、頬が化粧をした様にピンク色に染まる…..
まだ少しあどけなさが残る亜美子の表情が、悩ましく歪んだ。

「 …..んっ! んんッ…..!! 」

亜美子は絶頂の大波に飲込まれた…………
オーガズムに溺れてビクビクと痙攣する亜美子の体の震えを掛け布団が包み込む……..
やがてソレは生命を無くした様に蠢きを止めた…………..

「  ………….はあっ….. はあ……. はあ……. 」

亜美子は、頭の芯をまだ麻痺させたまま、はだけた寝間着の襟をゆっくりとあわせた。 そして脱ぎ捨てた下の方を見つめた。
する時は、いつも下だけ脱ぐのが亜美子の癖だった。

( はあ….. またしちゃった。 声 出てなかったかナ ….. )
隣の部屋を警戒する。
まだ水分が残る乱れた髪を掻き揚げながら、弟の部屋の方向を見つめた……..
( ……..みんなもこういう事してンのかなあ…..裕君も…… )

そう、亜美子は同じ水泳部の2こ下の裕を想っていた。想うとカラダがどうしても我慢し切れず、毎晩オナニーをしてしまう…….. そして行為の後、虚しい気持ちに支配される。
あの海水パンツに隠された膨らみ………..ソコだけはいつもリアルに想像出来ない……. その理由は分っていた。まだ裕と言う存在が自分にとって一方通行の存在だからだ。テレビの向こう側の芸能人となんら変わらなかった。グラビアの向こう側、二次元の裕の隠された下半身をどんなに妄想した所でリアリティーは獲得出来ない………裕と言う存在を自分の中で三次元にする必要があった……. でも、その為の勇気がどうしても出ない….このままではあまりに不健康だ…… 何か…..まず何か、話すきっかけさえあれば………
( ダメだ、このままじゃダメ! 年下だろうが関係ない……..声かけちゃうしかないよ……..でないと私、このままずっと裕君を想像の中で汚し続けちゃう…… )

隣の部屋からの、弟の豪快なイビキを聞きながら亜美子は溜め息をついた。しかし、次の日の朝、この出来の悪い弟がそのきっかけを作ってくれる事を亜美子はまだ知らない……..

第二章 ピロシのファインプレー

この日の朝食は、何故か弟と一緒だった。
いつも遅刻寸前で駆け込む癖に…..今日に限って何故…………? 亜美子は目を細くして浩を観察した。
米を、わっしょいわっしょいと掻き込んでいる…..ポロポロ零れて行く米を目で追いながら、昨夜の決意が萎んでいくのを感じた。この弟は、裕と同じ年齢なのだ。 

( 年下かア、考え直した方が良いのかナ やっぱり…….. )

「 あ、姉貴イ。 裕って誰よ!」

刹那、亜美子の脳内が暗転し、スラッシュメタルが雷の様に鳴り響いた。
メガデス初期の名盤ラストインピースのオープニングナンバーだった。
疾走するギターリフに乗って思考が脳内を駆け巡った!

( …….. やっぱり声出てた!……オナニーバレた!……….. 聞かれたっ!……..  盗聴!…….盗撮!…….. 最悪!……..殺意!………羞恥!……….生きて行けないかも! )

「 おい姉貴イ、無視か?  お〜いっ ! 」

浩の手が亜美子の目の前でヒラヒラしている…………そこで亜美子は漸く覚醒した。

「 ピ、ピロシ…….. あんた一体何処まで知ってんの……..?  事と次第によっては姉ちゃん……. 」

だが、そんな心配を他所に浩は、全く想定外な事を言い出した。
その内容は勿論裕に関するものだったが、昨日のオナ二ーとは全く関係が無かった。
内心胸を撫で下ろしながら亜美子は、その話に耳を傾けた………. 浩は、裕との出来事を米を飛ばしながら一気に捲し立てた。

「 何処までって、昨日そいつが俺んち高校まで遠征して来たんだよ。俺、少し前に姉貴の高校の奴と揉めたって言ったじゃん。あのフルボッコくれてやった事件よ。そしたら、昨日そいつ、裕? が言う訳よ。俺の連れ殺ったの誰だって。しかも一人で乗り込んで来て。コイツは只モンじゃネエぞ思って、じゃあこっちも1対1で殺ってやるっつって、ストリートファイトだア!ってなった訳。俺と。そこであいつ俺の名前出した途端、質問攻めだ。やれ、お姉さんは居るかだの、もしかして高校は俺と一緒かだの、まさか水泳部かだの、言って来てサ。そうだそうだ言ってたら、じゃあ君は殴れない 俺の名は裕。アミ先輩に宜しく伝えてくれっつって踵を返しやがったんだ。サムライかお前はっつって………
姉貴、学校で連れ以外にもアミって呼ばれてんの?」

刹那、亜美子の脳内は一気に晴れ渡った。ここに来てダメ弟がこんな奇跡を起こしてくれるなんて! なんかヘタなシナリオを棒読みしてるみたいだったケド、バカだからそれは仕方ない……..でも……. あの大人しそうな裕君が……… 衝撃だ。

( 友達の為に? タッタ一人で遠征? カッコ良すぎる裕君…………..しかも、アミ先輩に宜しく…….アミセンパイ….. これって…….. これって…………..♡ )

「 まさか、そいつ姉貴の部活の後輩か? 南野 裕って言ってたぞ イケ面の….. 」

「 んん…… そんな人居たかナ………ああ……..居たかも………. 」

朝食もそこそこに亜美子は浮き浮きを押さえつけながら無関心を装って登校して行った。


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