朱雀悦虐夜話ー其の壱ー「邪笑」_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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朱雀悦虐夜話ー其の壱ー「邪笑」

15-06-14 11:37

縛ることで支え、そして解き放つ。
それが私の縄である・・

女は綾美という美しい名を持っていた。
歳は36、中学生の娘がひとり。

夫の度重なる浮気で離婚して半年、慰謝料は相手の親がいまどき珍しくきちんとしてくれたので今は再就職に向けての資格取得の専門学校に通っているが、そこで覚えたパソコンでネットの暗部に迷い込み、私の快癒性感のサイトにたどり着きアクセスしてきたという次第。

千葉郊外に住む綾美との待ち合わせは大型スーパーの駐車場の最上階。
人目につかず車を乗り換えるには1番便利な定番で目印は指定時刻にハザードをつけて通路に停車。

しばらくしてコンコンと不安げに窓を叩く綾美に会釈を返して車に招き入れ、駐車場の螺旋通路を軋ませながら初対面の挨拶をすませ車を夜闇に紛れ込ませ逢瀬は始まった。

多くの被虐感性を持つ女同様、綾美も膝の上に置いた己が両指を落ち着きなく握りさすり、妙にうわずった声でハキハキとしゃべって目は見開き上昇している体温の熱気が身に纏ったコロンをより強く香らせるが、女の緊張で発する汗に香る香華を感じるはサディスト冥利といえよう。
 

もちろん綾美がそこまでの緊張状態にあるのは事ここに至るまでに私のサイトの小説を腐るほど読みその脳内で何度もシュミレーションをしているからで或る意味においては車に乗った段階で女はデジャブを追体験しているわけだけれど文章を読む、読ませるという行為そのものが私の脳にアクセスしている事と同義で、それは洗脳と表現しても差し支えない。

つまり私との逢瀬は皮膚感の確認であり、一般的な意味での調教は八割方済んでいて、それが証拠に信号待ち停車の度に綾美の背筋が緊張でピンとこわばって私の苦笑を誘う。
それはホテルまでの車内でローター自慰を強いるのが私の定番だからだが、こちらもそう簡単には期待通りに定番の責めを与えてやるつもりはなくただ単に左手を伸ばし、ぐっとばかりに綾美の手首を握り、彼女の心にさっそくの縄掛けをし今宵の悦虐の幕を開ける。

「くっ!・・」

突然の思わぬ狼藉に両の脚に力を入れ閉じてくねる女体に私は音もなく片唇だけで笑う。

待ち合わせ前のシャワーとライナーの禁止・・それを告げてあった私はホテルに着いてすぐ綾美を着衣のまま座禅転がしに縄掛けし右かかとの部分に張型バイブを固定しての自慰を命じ、その目には更紗の目隠しを施して1人シャワーに向かう。
この時が女の最後の決断で、この独りのとき我が身を省みて怖じ気づいたなら帰るもよしなにも言わずば玩弄支配の限りを尽くし女に一切の拒否権は与えない。

綾美の半年の孤閨を埋める責めはこうして幕をあけた・・

つづく

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