狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

ホームページ 戻る 

狂女

15-06-14 11:37

そんな不純な考えを持つようになったが、智子さんと芳美さんを裸にして犯そうなどという気はさすがに無かった。高校生の僕が、しっかりした大人の女性を自由に出来るはずがないし、旦那さんの存在も怖い。ただ、思慮の無い加奈さんが僕に淫らな行為をすれば、智子さんと芳美さんにその異常な関係がばれてしまうのが不安だった。                     予定していた日も晴天で、青空が広がっていて快い。僕は楽しみと不安の混じった気持ちを抱いて電車で名古屋へ行き、〇〇駅で智子さんと芳美さんに会った。どちらも整った顔立ちで、智子さんはややふっくらした体型、芳美さんの方はスリムなので、大きな胸が一層目立つ。彼女たちと親密な関係になりたかった僕は、お互いに名前で呼び合い!
せんか?と言った。「ええ?」二人共初めは困惑していたが、「いいでしょう?芳美さん、智子さん」とにこやかに言うと、苦笑して智子さんと顔を合わせていた芳美さんが、「まあ、いいけど」と言ってくれた。彼女たちは僕をまだ子供のように思っていて異性として警戒していないらしい。嫌われない為にも二人の胸を見ないようにした。               どこへ行くかについては、智子さんが「鶴舞公園のバラ園へ行ってみない?」と提案した。芳美さんも「いいわねえ」と同意した。僕も花が好きな方なので、「いいですよ」と賛成した。時期は今が盛りだろうし、今日のような良い天気に見るバラは最高だろうな。加奈さんに対しては、無理に過去を思い出させるんじゃなくて、楽しみながらゆっくり治し!
ていけばいいと三人共思っていたのだった。!
              芳美さんの運転する車でおばあさんの家に向かっている間、半分程開いている車窓から風が入ってきて気持ちいい。隣の智子さんは白のブラウスに、青のスカートという格好で、特に洒落ているわけではないのに品の良さが感じられる。うちの母さんとは大変な違いだ。僕は智子さんの事を色々知りたかったが、あまり聞いては失礼だと思い、仕事や家族など当たり障りの無い事を明るい調子で尋ねた。それに依れば、智子さんは自宅で子供たちにピアノを教えていて、小学生の娘が二人いるそうだ。ピアノ講師・・・いかにもそんな感じだ。自分の母親も智子さんのような女の人ならいいのに・・・と思っていると、「雄一君は高校生?」と聞かれた。「はい」そう返事をして智子さんを見たら目が!
合ってしまい、すぐに目を逸らした。智子さんはそれ以上聞かない。芳美さんの方は運転しながら、「加奈がせめて私たちを思い出してくれればいいんだけど」とか、「雄一君は叔母さんが大好きなんだね」と、はきはきした口調で言う。二人は体型だけではなく、性格も結構違うんだなと思った。                       二十分くらいして祖父母の家に着き、三人で玄関に立った。僕一人で来ると思っていたおばあさんは、娘の高校時代の友達だったという二人も一緒に来たので驚いた様子だったが、そこまで娘を思ってくれる事を喜んでいた。しかし、当の加奈さんは僕だけに会いたいのに女が二人も一緒にいるというので機嫌を悪くし、芳美さんたちを指して、「誰?この女」とか、「帰れ」などあ!
らさまに責めるのだった。さすがに智子さんと芳美!
さんは気分を害した感じだ。母親が娘を注意したり宥めたりしても、加奈さんは怒った顔で僕の腕を引っ張って家に上げようとした。ようやく、「加奈っ!」と、おばあさんが声高に叱ると、加奈さんは不愉快な表情でおとなしくなった。僕は「叔母さん、今日はこれから皆で遊びに行きましょう」と優しく言った。「そうだよ。おまえも一緒に行くんだよ。さあさあ」母親に宥められて加奈さんは外出着に替えるように奥の部屋へ連れていかれた。しばらくして、水色のブラウスに黒い格子模様のタイトスカート姿の加奈さんが母親に連れられて現れ、靴を履いた。「じゃあ皆さん、よろしくお願いします」おばあさんが智子さんと芳美さんに向かって頭を下げた。「わかりました。夕方頃には必ずお送りします」芳美さんが答え!
僕たちは、家の前に停めてある芳美さんの車に乗り込んだ。                        鶴舞公園に向かっている車中、僕と加奈さんは後ろの座席に仲良く座っており、加奈さんは久し振りに会えた僕を離すまいと片手をしっかり握り、時々僕の肩に頬を摺り寄せたり、顔を眺めたりしている。初めは加奈さんに色々離し掛けていた智子さんと芳美さんも、加奈さんがほとんど答えないので話さなくなったばかりか、妙に仲が良い僕たちに対して変な表情をするようになった。加奈さんがまともな精神ではないにしても、ちょっとおかしい。僕は、彼女たちに怪しまれている事に気付いて困った。『やっぱりな・・・』ここで二人に僕たちの肉体関係を知られたらどうしようという不安を拭い切れなかった!
                       !
掛かりなまま公園に着き、四人でバラ園に向かった。すでに人々が思い思いにバラの花を愛でており、三脚で撮影している人もいる。「きれいねえ」芳美さんが明るい声を放った。加奈さんも「きれい!きれい!」と無邪気に喜んだ。僕も目が輝き、一帯を眺めた。赤、黄、白など様々な色のバラが今を盛りと咲き誇っている。すぐに加奈さんが僕たち三人から離れ、夢中になってバラ園を勝手に歩き出した。そんな彼女を僕は連れ戻したかったが、芳美さんたちの目があって出来ない。代わりに芳美さんが加奈さんの方へ行き、腕を掴んで離れないようにした。しかし加奈さんは「ううん、嫌っ!」と大きな声で腕を振り払った為、人々の視線が気になった僕は急いで加奈さんに近付き、叔母の手を握った。加奈さんはにこっと!
て僕を引っ張るようにしてバラを見ていく。


コメント
お名前:
気持ち:

コード:

お知らせ

なし

小説を検索