狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-06-14 11:42

興奮気味の二人をにやついて見ていた後、「そろそろ行くか」と現実に連れ戻した。途端に女たちは不安顔になり、「でも・・・」と芳美が僕を見て言った。「ん?」「あの、私たちは・・・」「来なくちゃ駄目だぞ」「・・・」「俺だって気が進まないんだ」「私たち、お母さんには会いたくないです・・・」智子が俯いて言う。「そりゃ、ばれたら大変だからな。なあに、わかるもんか」「それだけじゃなくて・・・」「ん?まだ何かあるのか?」芳美と智子は黙って顔を見合わせた。「まあいい。とにかく行くぞ」僕は自分のバッグを手にして車から降りた。女たちも下り、後部座席にあるそれぞれのバッグを取って肩に掛けた。緊張して玄関へ行き、戸を開けて靴を脱ぐ。「一緒に来いよ」「はい・・・」女二人も僕に続い!
上がった。居間へ行き、戸の前で気を落ち着かせてから戸を開けた。そこには両親の他、おばあさんと加奈叔母さんまでいて一斉に僕の方を見た。「ごめん、遅くなって・・・」「今頃何やっとるんだよ!」母さんは怒ったが、僕の後ろに大人の女が二人立っているのでそちらに注意が行った。「何い?」と加奈さんが笑いながら僕たちの方へ来た。「その人たちは?」母さんが聞いた。「叔母さんの高校時代の友達」途端に母さんは女二人を険しい顔で見据えた。芳美と智子は俯いている。「どうしてここまで来たの?」加奈さんに聞かれ、芳美が、「うん、ちょっと・・・」と歯切れ悪く答えた。「せっかく来てくれたんだから入って下さいよ」おばあさんが愛想良く芳美たちに勧めたが、母さんは、「そんな事しなくていいっ!
」ときつく言った。僕たちは皆驚いて母さん!
見た。「もういいじゃないか、昔の事なんか」父さんが困惑顔でたしなめたが、母さんは依怙地になっている。智子が耐えられずに玄関へ向かった。芳美もそれに続いた。僕は訳が分からず、「何があったんだよ?」と不愉快な気分で母さんに聞いたが、答えてくれない。玄関では智子たちが靴を履こうとしており、加奈さんに、「叔母さん、今から公園へ行くかい?」と尋ねた。「うん行く!」「駄目だよ、今頃」おばあさんが止めたが、僕は、「きょうは月が綺麗だからゆっくり見てくるよ。ちょっと部屋へ行ってくる」と言って急いで自室へ行き、バッグから加奈さん、芳美、智子の着用済みパンティとブラジャーを取り出して押入れの奥の方に隠し、そこに在った縄や手錠をバッグに入れて部屋を出た。そして用を足してか!
ら玄関へ向かった。                     芳美の車の所に三人が立っており、芳美に、「昔、母さんと何かあったのかい?」と聞いた。彼女は言いにくそうにしていた後、「車の中で話します」と言って後部ドアを開け、乗り込んだ。僕は智子と加奈さんに、「ちょっと待っとってくれな」と言って芳美の隣に座った。芳美は力無く打ち明け始めた。「実は、高校生の時に私と智子が加奈の部屋へ遊びに行ったんですけど、そこでついいけない事をしてしまって・・・」「レズか?」「はい・・・。それを、加奈のお姉さん、つまりご主人様のお母さんに見られてしまったんです・・・」「うーん・・・。母さんはレズが大嫌いなんだな?」「私も本当は嫌いなんですけど・・・。でも、加奈に押し切られて!
まって・・・」「どんな事をしたんだ?」芳美は僕!
を遠慮がちに見てから、「二人共真っ裸で乳首を舐め合ったり・・・あそこを舐め合ったりもしました・・・」「智子は?」「あの子は加奈とだけ愛し合っていたんです。どうも、私と加奈の関係に負けたくないらしくて、私に見せ付けるように凄い事もしました。たとえば、男の人のあれを付けて加奈を犯したり・・・」僕は驚いた。智子がそんなサド的な少女だったとは・・・。『加奈とはキスだけだったなんて嘘を言いやがって・・』要するに、その頃OLだった母さんは女子高生の妹と親友たちのレズ行為を目撃してしまって彼女たちを憎むようになったのか・・・。僕は昔の女同士のどろどろした愛欲と憎悪に圧倒される思いで車から降りた。「うーん、長いです」加奈さんがすねるように言って僕の腕を取った。「公園!
行くか」僕たちの後から智子と芳美が付いてきた。歩きながらしばらくは、女子高生たちのレズ・シーンが頭の中で繰り広げられていた。全裸で性器を舐め合う、乳房を揉んだりキスをしたりする、陰毛を擦り合わせるなど、妖しい甘美さに幾らかの不快感・・・。しかし、智子が人工男根でやはり全裸の加奈さんを犯しているシーンには腹立たしさと悔しさ、さらに嫉妬が付き纏った。同性なのに加奈の処女を奪った智子、同性に処女を捧げて悦んだ加奈・・・。僕の中に、彼女らへの仕返しの炎が燃えていた。
                                 雲一つ無い夜空に満月が照り、地上はほの明るい。僕たちは普段以上に大きく見える月の幻想的な美しさに惹かれて時々月を眺めた。まるで、これから始まる僕と女たちとのセックス・ショーをうっすらと照らすように、又しゃれた舞台美術のようにその月が照っている気さえした。星はあまり見えず、雲一つ無い。「本当に綺麗・・・」加奈さんが月を眺めながら恍惚と呟いた。智子と芳美も迫る性の饗宴に気が昂りながらも、いや、満月の妖しい光を浴びて一層昂って月を眺めるのだった。                        比較的静かな道を行き、さらに石橋を渡って公園に入っ行った。桜の木々があちこちに植わっており、以前は!
しい花を咲かせて華麗な空間を成していたものの、今では幹、枝、葉ばかりで、誰もいないベンチなどと共にやや不気味でさえある。加奈さんは体を寄せて怖がっており、智子と芳美もお互いに体を寄せ合って不安な表情でいた。しばらく進んで前方を見ると、橋のほぼ中央に一人の女性が欄干に手をやって立っている姿が見える。「ここで待っていてくれ」「はい・・・」「わかりました・・・」「こんな所嫌です・・・」加奈さんがすがるような目で言った。「すぐに来るから」「おとなしく待っていましょう」と、芳美が加奈さんに優しく言った。「・・・」三人は一つのベンチに並んで腰かけた。僕は反り橋の方を見ながらそちらへ向かって進む。それに気付いた女性がこちらを見た。やはり友里恵だ。月光下の彼女は静寂!
な風景の中の深沈とした存在に見え、学校で!
る姿とは全く違う。「ごめん、遅くなって」返事が無い。橋を渡り掛けたら、「どうしてこんな所で待たせるのよっ!」と友里恵は声を荒げた。「満月に公園だからいいと思って」「ばかじゃないの!私に何かあったらどうするのよ!」「でも来てくれたじゃないか。嫌なら来なけりゃいいだろ?」「それは・・・」「まあ、ゆっくりしようよ」友里恵は腹立たしい表情で僕を見ていた。それに構わず僕は橋から、ベンチ上の加奈さんたち三人の姿を見やった。彼女らは体を寄せ合っておとなしく待っている。友里恵もそれに気付いており、訝しく女たちを見やった。「あの人たちは誰?どうして一緒に来たの?」「まあ、僕のボディガードだな」「ええっ?」おかしな事を言うもんだと、全く真に受けていない口調だ。   


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