狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-06-14 11:47

いよいよ帰る事になり、友里恵が草地の上のショルダーバッグを肩に掛け、芳美と智子はベンチでバッグを掛けたが、袋の中の糞はそのままだ。「智子、自分のうんちも持っていけよ」「・・・」智子は困惑顔で僕を見たものの、「はい・・・」と糞入り袋の先を持った。それから皆一緒に公園の中を通って行く。月は尚も美しさを保ち、このまま帰ってしまうのが惜しい気がした。女たちも、月明かりの野外での異常な体験が名残惜しく、芳美が僕の右腕に手を回し、「又こういう事をして欲しいです」と甘えるように言った。「そうだな」「何て綺麗な月なんでしょう!」加奈さんが芳美に負けまいと僕の左腕を取って感嘆した。後ろからは智子と友里恵が付いて来る。智子は自分の糞入り袋を持たされている為、友里恵の方は!
輩たちよりはるかに年下という引け目があって主人の僕とは並んで歩けないのだろう。それにしても智子は、満月と糞という美醜に直面していてどういう気分でいるんだろう?                   園内のベンチや桜の木では何組かの恋人同士が体を寄せ合っている。奴隷たちは、愛する男を独り占め出来る幸福が羨ましそうだ。たとえ同性同士の愛があっても、やはり異性を独占出来るのは最高なのだろう。芳美は僕の肩に頬を当て、「私を一番可愛がって下さい」と又甘えて言った。「おまえは俺の妻だからな」他の女たちに聞こえないように小声で言ってやったら、「嬉しいです、あなた」と、妻気取りで答えた。奴隷でありながら妻になりたがっているのは、それだけ僕を愛しているからなのだろう。そ!
んな僕たちの様子を智子が後ろから悔しそう!
見ていた。糞まで持たされているのは屈辱で、早くそれをどこかへ捨てたいと思っているに違いない。                 皆と共に公園から出た友里恵が、すぐ近くの街灯下に立って携帯電話で帰りのタクシーを呼んだ。「こんな遅くなってごめんな・・・」僕は謝ったが、友里恵は、「いいんです。それより、本当は皆と別れたくない・・・」と惜しんだ。「又いつでも会えるわよ」芳美があっさり言った。「そうですね」「友里恵ちゃんも私たちと一緒に可愛がってもらいましょうね?」加奈さんが優しく言うと友里恵は、「はい、お姉様・・・」と加奈さんを愛しい目で見て答えた。どうやらこの美少女が加奈に最も惹かれているらしいとわかって芳美は多少加奈に嫉妬したものの、僕への情欲に溺れている!
為、それは大したものではなかった。                       ほとんど車が通らない車道を遠くから一台の車のヘッドライトが明々とこちらに向かっている事に気付き、僕は友里恵に、「皆と軽く別れのキスをするんだ」と命じた。「はい、ご主人様」友里恵は初めに加奈さんとそっと抱き合って唇を合わせた。僕の監視があるので加奈さんも舌を入れない。それから芳美とキスを交わし、最後に智子ともキスをした。三人の先輩奴隷たちとキスをし終え、友里恵は、「私、これからどうなるのかしら?」と尋ねた。「何が?」「女同士で・・・。あなたの事も好きだし・・・」「割り切ってしまえばいいんだ」「・・・」それ以上会話が無いままタクシーが近付き、やがて友里恵はそれに乗り込んだ。 !
                又女三人になり!
、僕たちはようやく帰路に着いた。もう何時になっているのか気になりつつも、それを知るのが怖い。辺りは人どころか車も見ず、深々とした静けさに包まれていて気味が悪い程だ。国道に出ても車はほとんど通らず、たまに一台二台通り過ぎるばかりだ。信号の色が妙に鮮やかに見えるのは闇のせいか、それとも単なる気のせいなのか?女を三人も連れている為、変質者が現れるんじゃないか・・・と不安でもあり、早く家に帰ろうと自然に足早になった。                        無事家に着いたが、両親がどうしているのか気になり、女たちを一先ず残して僕だけ玄関の戸を開け、そうっと上がった。居間からはテレビの音声が聞こえるのでまだ起きている事がわかる。その戸を開けるのは勇気が要!
、どうしようか迷っていると、中から、「警察を呼ぼうか?」という父さんの声が聞こえたので思い切って戸を開けた。両親が一斉にこっちを見た。「まあ!何やっとるのっ!?」母さんが声高に言って険しい表情で僕を見据えた。父さんも、「雄一、心配しとったぞっ!」と声を張り上げた。「ごめん・・・」「何時だと思っとるのっ!?」壁時計を見たら、もう十二時を過ぎている。

  


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