狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-06-14 11:49

彼女たちからも掛かってくるんじゃないかと携帯電話を眺めていたがそんな事はなく、物足らなくもあれば安らかでもある。とにかく、下手に自分から連絡を取らない方がいいと判断し、不安を抱えたまま、明日の授業に必要な教科書やノートなどを鞄に入れていった。                                狂気じみた性的嵐の日々が過ぎた後、しばらくは予想外に平穏な時が流れた。友里恵とは学校でたまに顔を合わせたものの彼女の態度は妙にぎこちなく、僕を避けているようだった。一度、半ば強引に喫茶店で会う事にしたが、彼女は恨みと恋の混じったような表情をしており、落ち着かない様子だった。あの日、公園からの朝帰りで両親から厳しく問い詰められ、僕と逢っていた事を白状し!
、もう二度と逢うなときつく言い渡されたとか、今も僕の事で悩んでいるとかを知った。「俺の名前も言ったのか?」と尋ねると、「言ってないわ」と答えた。「公園で何をしていたのかも聞かれたのか?」「聞かれたけど、ベンチで一緒に月を見ていたとしか言わなかった」一先ず安心した。そんな僕を友里恵は恨めしそうな目で見て、「あなたって本当に身勝手ね。自分さえ良ければいいんだから」と言った。「・・・」「でも、あなたを嫌いになれない・・・」友里恵は唇を噛んで俯いた。「おまえは俺の奴隷だからな」その言葉に、友里恵は少し顔を上げ、悔しそうに僕をじっと見た。店内の明るい雰囲気に反して僕たち二人の間は淀んでいた。『こいつをもっと調教してやらんといかんな』非情な思いで落ち着いてコーヒ!
ーを飲んだ。              !
         加奈叔母さん以外、女たちは僕の事を家族に言わなかったようだ。加奈さんだけが洩らしてしまったけれど、それで叔母を恨む気は起きなかった。何と言うか、叔母は僕にとって他の三人とは別な存在で、セックス奴隷として扱いながらも親戚としての親近感や愛しさが残っていた。芳美や智子に対しても情愛はあるが、それはただ異性としての感情なのだ。加奈さんを精神異常だった時から愛していた僕はふと、昔が懐かしくなる事さえあった。まともな人格を持たないまま、実の兄に叩き込まれた異性愛によってこの僕と合体していた加奈さんの性人形振りは極上のダッチワイフだった。それにしても、強姦されて発狂した程男を受け入れなかった叔母が兄の勝叔父さんによってどのようにして異性愛に浸る!
ようになったのか、前からの疑問が改めて湧くのだった。


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