狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-06-14 11:53

そんな、自分だけ特別に愛されようとする芳美に勝気さを感じたが、尚も配下として夢中にさせているのが誇らしい。彼女の盛り上がっている胸やすらりとした脚をまじまじと眺めた。「今日はどんな下着を着けとるんだ?」「両方とも赤です」「そうか」「今まで着けていた下着を持ってきてあります」「ほう。ありがとうな」その場で受け取ろうとしたが、「この後、ホテルで渡しますよ」と言われた。「わかった。早くおまんこしたいな」芳美の股間に手をやった。「あん、駄目です」「いいじゃないか」構わずにパンツ越しに秘丘を揉んだ。「ああ・・」芳美は僕にもたれ掛かった。汗ばんだ体が女を強く感じさせ、Tシャツの上から巨乳を揉んだ。「ああ、雄一様・・・」「かわいいよ」「ありがとうございます。ああ・!
・」唇を合わせ、さらに舌を舐め合ったり絡めたりしてもはや人目を気にせず、いやむしろ見せてやりたいくらいの気持ちで愛に耽った。                 しかしさすがにそれ以上は出来ず、僕たちは涼しさを満喫した後ハイキングコースに戻った。しばらく並んで歩いていると、リュックの中の携帯電話が鳴ったのでリュックを下ろして携帯を手にした。「智子からだよ」意味ありげに笑って芳美に言うと、彼女は少し嫌な顔をした。僕は構わず電話に出た。「もしもし」〈智子です。今日、逢えませんか?〉「無理だよ」〈どうして?〉「忙しいんだ」〈・・・〉「切るよ」〈あ、待って下さい!〉それから少し間があった。〈私、もう駄目なんです・・・主人とはもう・・・〉「離婚するのか?」〈そうな!
りそうです・・・〉「良かったじゃないか」!
そんな・・・。あなたは何も知らない。子供の事とか色々あるんですよ〉「おまえ、離婚したがってたじゃないか」〈それは・・・〉「ちょっと待ってくれ」僕は芳美を見て、「智子の相談に乗ってやれよ」と携帯電話を渡そうとした。芳美はあからさまに嫌な顔をしたが、僕が「さあ」と促すと、仕方なく携帯を耳に当てた。「もしもし」〈え?芳美?どうしてあんたがそこに?〉「ちょっとね」〈一人だけ抜け駆けしたの?〉怒ったような口調に芳美は、「別に」とつっけんどんに答えた。〈どこにいるのよ?〉「内緒」〈芳美!〉それ以上相手に出来ないとばかりに芳美は携帯電話を僕に戻した。「しょうがねえな」軽く苦笑いをして耳に当て、「まあ、そういう訳だ」と智子に不愛想に言った。〈ご主人様、ひどいじゃない!
ですか〉「おまえもその内可愛がってやるよ」〈ばかにしないで〉そこで切れた。僕は溜め息をついて携帯を再びリュックに入れ、それを背負うと、後味が悪いまま勝手に歩き始めた。智子に何ら思いやりを見せないまま怒らせてしまった事を後悔した。後ろからは芳美が黙ってついて来る。                                     昼になって空腹になると僕たちは又渓谷に下り、そこで昼食を取る事にした。僕はおにぎり、芳美は弁当だ。冷たいお茶を飲み、母さんに作ってもらった海苔お握りを頬張った。おいしい。芳美は前の渓流を眺めながら考え事をしているようで、僕が「智子の事か?」と尋ねると、「え?ええ」と浮かぬ顔で答えた。「智子には悪い事をしたな」「まあ・・・!
あまり喋らずに食べていると、近くで家族連れ三人!
が下りてきて渓流に足を浸かり、「うわあ冷たい!」とか、「気持ちいい!」などと騒いでいる。男の子を連れた家族三人のいかにも幸せそうな様子を見ていた芳美は食べられなくなって俯いた。「家の事が心配か?」「はい・・・」彼女は夫や子供との問題が何ら解決していないまま自分の欲情に負けて僕とここへ遊びに来ているに違いないと思った。悩みを抱えながらもあえてそれに蓋をして僕と一時の快楽に耽る・・・。僕も、彼女を助けられないままその体を味わおうとしている・・・。芳美といい、智子といい、人妻に手を出してしまったばかりにこんなはっきりしない関係が続くわけだ。「子供は手放したくないのか?」「ええ・・・」「そうなると飼育生活は難しいだろうな」芳美は僕を見た。「あなたは本当にサデ!
ストね」「おまえも、飼われたいんだろ?」「私は普通の関係でいい」「嘘をつけ。犬のように扱われておまんこがひくひくするくせに」そう言われて芳美は僕をまじまじと見つめた。本心を見抜かれていて言い返せないのだろう。「はあ・・・」芳美は沈んだまま再び弁当を食べ始めた。                                 満腹になってしばらく渓流の清涼感を楽しんだ後、もう帰ろうと僕たちは来た道を引き返す事にした。初めから頂上まで行くつもりはなく、むしろ早く密室で二人きりになりたかった。智子からはあれから電話は掛かってこず、加奈さんや友里恵からも電話がなかった。


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