ブライダル(3)
元老刑事がチョコレートパフェを全て平らげコーヒーに砂糖二つとクリームを大量に入れスプーンでかき回せながら 「儂の名前は新垣敬三と言うが、あんたはいつから傭兵なんぞという物騒な世界に入ったんだ?」 元老刑事の新垣敬三がコーヒーを掻き回しながら来家に尋ねた、来家は1つ息を吐くと 「18の頃だな」 来家の言葉に新垣敬三はスプーンを掻き回す手を止め来家の顔を見た 「そんなガキの頃からか?」 その言葉に来家は頷いた 「驚いたな、18の頃なら俺は警察学校で上官に殴られていた頃だぜ」 新垣敬三はそう言いながらコーヒーを啜り飲み 「ところでさっきの話だが、やる気は無いのか?」 「随分と拘るなその話に、相当訳有りだな」 冷めかかったコーヒーを口に運び一口啜ると来家は言った 「何故そんなに俺を煽るんだ?」 「煽る?、あんたなら遣れると思うからさ」 新垣敬三は笑った 「あんたその話で一儲けする気か?」 「一儲け?、いや、まぁ儲けも大事だがその他にも色々とな」 其処まで言うと新垣敬三は淋しそうに笑った、暫く2人は会話を止めたそして其処に1人の女が現れた 「新垣さん、矢っ張り此処に居たのね」 細身でショートヘアーの女が声を掛けて来た 「こりゃあ~特警の植嶋一恵様では有りませんか、こんなむさ苦しい所へよこそ」 新垣は皮肉っぽく言うと植嶋一恵はニコリと笑い 「変なん言い方は止めて貰えますか」 少しムッとした表情で言うと 「新垣さん、此方の方は?」 「此方の方?、あんたまだ若いな~、俺があれ程言ったろ、重要人物の顔は絶対に覚えておけと」 「重要人物?、あっ、あなたは!!」 植嶋一恵は来家忠信の顔を見て驚いた 「あなたは、確か、傭兵とかしてる」 植嶋一恵の言葉に来家は席を立った 「おやじコーヒーはご馳走になっておくぜ」 「待てよ!、此からさっきの話をしようぜ」 新垣敬三はそう言うと笑った |
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