牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
中学1年の時の話。 友達の多くが陸上部に入るようなので、おいらも陸上部に入った。 うちの世代は男が20人程度、女が5人くらいだったかな。 3年生が5人くらい、2年生が4人で、先輩は全て女。(幽霊部員は多かったっぽい) 後に男女で独立したけど、当時は陸上部として男女一緒の部活だった。 一通りの種目をやってみた結果、おいらは110メートルハードルをやることにした。 ハードルには、専門でやっている人が3年の先輩にいた(I先輩)。 2年生にはいなくて、1年は他に男が1人(W君)。I先輩は面倒見の良い先輩で、いつもにこにこしている感じ。 本人が明るいというよりも、周りを明るくしてくれる人だった。外見も背も標準的な人だったが、胸はほとんど真っ平ら。 「ねー、I、あれ見てよ」「ちょっ、なんで胸触るの??」「うはっ、ごめんw 背中かと思ったw」 とか先輩同士の会話も素であったりして、本人もネタとして楽しんでいたのかもしれない。 そのあと、I先輩にちょっとしたことで注意されたときに、 「すみません、背中かと思いました」 とか言っても笑ってくれる、心に余裕のある人だった。おいらもW君も、入部もハードルを選んだのも積極的だったわけではないけど、 I先輩の人柄に負けて、毎日参加するようになってた。 三人とも仲が良く、練習は厳しくても部活自体はいつでも楽しいものだった。 おいらはI先輩にかなり惚れてたし、それはW君も同じだったらしい。 隠していたつもりだったけど、先輩たちにはバレバレだったかもしれない。短縮授業だか何かで半日だった時のこと。 学校全体で部活動はなしで、おいらも陸上部の友達数名とだべったあとに、帰ることにした。校門まで来た時、逆に校門に入ってくるI先輩を発見。 3年の先輩は自主練をするようで、家が近いI先輩はお昼を食べて戻ってきたところだった。 チャンスと思って、誘われてもないのにおいらも参加すると言ったら、了承してくれた。 一緒にいた友達も参加することになり、帰宅後、お昼を食べて学校に戻った。他の部活も自主練してる人がいたけど、サッカーや野球といったグラウンドを占領するところが、 人数が足りなくて個人練習だったりしたから、久しぶりに広く校庭を使えて気持ちが良かった。一緒にいた友達以外にも、どこで聞いたのか陸上部の一年生はそこそこ揃っていた。 幸い、W君は来ておらず、ハードルはI先輩と二人きり。 いつも以上に楽しく、陸上部の中では最後まで練習してしまった。 まあ、普段から最後までやっていることも多かったけど。 片付けも終わり、いつものように雑談しながら、部室のある部室棟二階に向かっていた。 今日は筋肉痛が残っていて、体もだるかったといった話だった。「なると思ったら、お風呂でよくマッサージしておいた方がいいよ」 「してますよ、毎日」 「ちゃんとするんだよ。こうやって、こんな感じに」と、自分で体をマッサージ。 階段に腰掛けて、ポイントを説明しながら片足ずつ揉み解す。 「そんな感じでやってるんですけどね」 「おかしいなぁ。多分、ツボが違うんだよ。ここだよ、ここ。ちょっと触ってみて」 手や肩ならともかく、女性のふくらはぎを触るなんて初めての経験だ。 しかも、I先輩のふくらはぎですよ。 早くもおいらの股間はおっきし始めている。 ばれないよう、I先輩より下の段に腰掛けて、マッサージを始めた。 「こ、こうっすか?」 「そうそう、わかってるじゃん」いつものI先輩の匂いが、この時は妙に興奮したのを覚えている。 もう、おいらの心臓はバクバク。手も震えていたと思う。 股間もMAX状態で、触りたいよりもばれたらまずいという思いが強かった。「うん、ここは大丈夫だね。太ももはこの辺りだよ」 「い、いや、もうわかりましたよ。ありがとうございました」 10秒も揉んでいなかったと思う。 立ち上がりつつ、短パンに隙間を作って勃起角度を修正。 へその方に向けて、ばれないようにして平静を装う。 「ほんとにわかったの? ・・・もしかして照れてる?w」 「(ぐっ)はい、照れてますよ。お疲れ様でした」 おいらは帰ろうとしたけど、善意のI先輩は強かった。 「じゃあ、私が揉んであげよう」もちろん、おいらは全力で拒否。 でも最後にはI先輩の押しに負けて無理やり座らされてしまった。 勃起角度は修正してあるし、前かがみになっていれば平気かとも思った。 真剣にマッサージしつつ、説明してくれるI先輩。 ふくらはぎから太ももに移ったあたりは緊張したけど、I先輩は勃起に気づくそぶりも見せなかった。「やっぱり違うでしょ?」 「はい、勉強になりました」 「・・・大っきくなってるよね」 心臓が跳ね上がった。 さらっと会話に入れてきたので、油断していたおいらは激しく動揺した。 マッサージを続けるI先輩を見ながら、混乱した頭でなんと答えようか考えた。 「し、身長ですか?」 馬鹿な返答をI先輩は無視して、マッサージをやめてこっちを向いた。 目線をおいらの下半身に落とす。 もう一度顔を上げて照れたように笑う。 恥ずかしさと罪悪感のようなもので、一気に血の気が引いた。 しばらくお互い無言だったけど、I先輩は強かった。「見せて」 「はあ?」 「まぁまぁまぁまぁ、大丈夫だよ」何が大丈夫かよくわからなかったが、I先輩は素早くおいらの短パンの前を引っ張った。 止める間もないほど素早く。 短パンから、おいらの股間がバイーンと飛び出した。 I先輩は「わっ」と驚いたけど、すぐに、顔を近づけて、じっくりと観察し始めた。 息が股間にかかるほど近距離。 ちょっとくすぐったい。 I先輩の顔はもう真っ赤で、すごく興奮しているのがわかった。 「けっこう生えてるんだね」 まじまじと見つめられて、めちゃめちゃ恥ずかしい。 当時のおいらは、面積的には大人率7割くらい生えてたのかな。 ただ、体積でいくと、まだまだ子供っぽくて、ボリュームは少なかった。 「ぴくぴくしてる」「袋にも生えてる」「先っちょが出てる」 とかいろいろ言っていたけ、よく覚えていない。 しっかりと観察されるわ、臭くないだろうかとか、誰か来たらどうしようとか。 おいらは恥ずかしさと緊張と、その他もろもろで、頭がおかしくなりそうなほど興奮していたから。 「私よりも生えてる」って言ってたのは、しっかりと耳に残っている。少し無言で観察したあと、I先輩は顔を上げた。 「Kの顔、真っ赤だよ」 「先輩だって真っ赤ですよ」 「私だって興奮してるもん」 I先輩は、おいらの手を掴んで、自分の胸に持っていった。 「ね? どきどきしてるでしょ?」確かに激しい動悸を感じる。 でもそんなことよりも驚いたのは、I先輩の胸に弾力を感じたこと。 I先輩の胸もおっぱいなんだなーとか、そんなよくわからないことを考えた。 すごく恥ずかしそうにしているI先輩を見て、すげーかわいいと思った。「短パン下ろすよ?」 今更隠しても仕方ないし、I先輩の胸も触ったし。 周りに人がいないのを確認してから、おいらは腰を上げて自分で短パンを下げた。 直接触れるコンクリートは冷たかった。「触っていい?」 「ちょっ・・」 「まぁまぁまぁまぁ、平気だから」何が平気なのかわからないが、I先輩は股間に手を伸ばしてきた。 優しく、でも躊躇無く竿を握り、感触を確かめるようにさわさわしてくる。 「固いんだねー」 おいらは答える余裕なんか無かった。 (先輩の手、柔らけー) 「もう、恥ずかしいじゃん」 口に出ていたようだ(汗 「こういう風にするんだよね?」 I先輩は、手を上下に動かしだした。 何がこういう風なのか、I先輩は言わなかったけど、意味は伝わった。 おいらは小学4年くらいからしていたし。 精通は小学5年のときだったけど。I先輩もこういうこと知ってるんだー。 今なら言葉や行動で、反撃に転じるところだ。 でも、当時のおいらは、気持ちいいので頭がいっぱい。 「先輩、すげー気持ちいいっす・・・」 とか、恥ずかしいことを言っていた気がする。 さすがに「らめぇーー!」とは言ってないと思うけどwI先輩はおいらを見たり、股間の方を見たり。 顔を真っ赤にして、I先輩が、まだ人のいる学校でおいらのアレを扱いている。 この非日常的な光景に、射精感が一気に込み上げてきた。 「はぁはぁ・・・。先輩、もうダメです。出ちゃいます」 「うん、いいよ出して。見てるから」 I先輩は、じっとおいらの顔を見てる。 見てるって、股間じゃなくておいらの顔のことですか? 逝く瞬間の顔を観察されちゃうんですか??「先輩、顔見ないで!」 「まぁまぁまぁまぁ、見てるからw」 鬼だこの人w I先輩はおいらのことを上目遣いで見ながら、すこしだけ扱くスピードを早める。 見られているかと思うと、ますます興奮し、気が狂うかと思うほどの快感が押し寄せてきた。 「・・・!」 足がぴんと伸びて、腰も突き上げてしまったかもしれない。 声にならない声をあげながら、おいらは絶頂へと導かれた。 ビクンビクンと激しく脈打ち、大量の精液を放出する。 5回、6回と発射する様子を、I先輩はぽかーんと眺めていた。 「すごいんだねぇ・・・」 脱力のあまり、おいらは後ろに倒れこんだ。 I先輩は、少しだけ指についた精液を、こねたり匂いを嗅いだりしていた。それほど余韻に浸るまもなく、I先輩がおいらの体を揺さぶった。 「誰かくるよ。早く帰ろう」 おいらは速攻で短パンを履き、二人で飛び散った精液を靴でなびった。 「着替えたら待っててね」 二人はそれぞれの部室に戻った。長い時間に感じたけど、多分ここまで5分も経っていないと思う。 着替えながら冷静になってみると、改めて恥ずかしさがこみ上げてくる。 生えかけの陰毛を見られ、股間を見られ、逝くところを見られ、その時の顔を見られ。 これ以上恥ずかしいことがあるのかと考えたが、なにも思い浮かばなかった。 着替えはすぐに終わったものの、恥ずかしくて外に出られない。 しばらく悩んだ挙句、開き直って外に出た。 I先輩はいなかった。 時間がかかったので先に帰ったのかもしれない。 そうも思ったけど、一応もう少しだけ待つことにした。そのうちI先輩が出てきた。 「ごめん、おまたせ」 顔はまだ上気しているが、それを除けば普段どおり。 二人で自転車置き場の方に歩き出した。 おいらは自転車通学だったが、I先輩は徒歩2分なので歩き。 いつもなら校門で別れるけど、自転車を押しながら、なんとなくI先輩と一緒に帰った。 I先輩だけずるいです、と言うと、Kも胸触ったじゃんって。 結局「ずるい」「ずるくない」でI先輩の家まで来てしまった。 I先輩は家に入る前に「特別だよ」と言って、手をおいらの鼻に持ってきた。 いつもの生臭い、精液の匂いがした。 「これが男の子の匂い、こっちが女の子の匂いなんだよ」 もう片手をおいらの鼻に持ってくるI先輩は、今までで1番顔を赤くし、恥ずかしそうに見えた。 ほんの数瞬のあと、照れたように微笑んで、I先輩はさっと家の中に飛び込んだ。 おいらはI先輩が消えた玄関を少しの間だけ眺めていたけど、意味がわかると、 ダッシュで家に帰り、I先輩の感触や匂いを思い出しながら行為にふけった。翌日。 もちろん、おいらは恥ずかしくてI先輩の顔を見れなかった。 I先輩の方は普段どおりだったけど。 二人は普段から冗談とかも言い合っていたので、不自然に思う人もいた。 こうなることはわかっていたので、昨日のうちに言い訳を考えておいた。 いろいろ考えたが、告白して振られたというのが一番自然な気がした。 聞かれたらそう答えたし、I先輩もうまく合わせてくれた。 やがて前のように会話できるようになっても、意外なほど、この出来事は話題にならなかった。 おいらからマッサージの話を振っても「えっち」とか「もうできるでしょ」とか。 ある時この話はもう終わりと言われたので、おいらも二度とその話はしなかった でも、距離を置くようなことはなく、今までどおり付き合えていたように思う。やがて1学期が終わると3年生は部活をやめ、I先輩と会うことはほとんど無くなった。 たまにすれ違っても会釈程度、話すことがあっても挨拶以上のものではなかった。 卒業式でも何事も無く、最後の挨拶もすることのないま、I先輩は卒業していった。 ←クリックでランダムの記事が表示されます
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