牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 01:21
最初の方に書いたが、これはネタだから、そう目くじらを立てなくてもいい。 それから俺は大学は出てるが、医者どころか医学部に在籍したこともない。 病院での不妊治療の実態は知り合いの医者に聞いただけだから、 どれだけ正確かは俺にも分からん。その辺は踏まえてくれ。
種付けは俺の体が空いてる日に予約が入ればやるから、基本的に不定期の仕事。 間隔が短すぎても「タンク」が十分補充されないわけで、 1クール3日でなるべく週1回に抑えてもらうようにした。
それでも「どうしても」と頼まれ、週2クール入れたことも何回かある。 1日の回数はその時々で違うが、最低2回戦は頑張ることにしてた。 2クールだと6日間×2回戦だから1週間で12回。体力的にかなりきつい。
依頼主の女性には20代も40代もいたが、30代の半ばから後半が多い感じだ。 聞けば35歳だか38歳だかを境に妊娠できる可能性がぐっと下がるという説が不妊女性の間で信じられていて、何とかそれまでに、ということらしい。
美人もそうでない人も、太い人も細い人もいたが、共通してるのは色気がない点。 女の部分を封じ込めてるというか、フェロモンが枯れた感じの人が多い。 最初の奥さんもそうだが、基本的にまじめな人が大半だから セックスも子作りのためという思いが強すぎて楽しめてないんだと思う。
だから種付けでは、処置室はもちろん事前の顔合わせの時から、 奥さんになるべく「リラックスして楽しみましょ」と言い続けた。 医学的根拠はないが、セックス自体に没頭した方が女の体が活性化されるし、 俺の方も気合が入って精液が濃くなりそうな気もする。
まじめ過ぎるのか、中には処置室に入ってから 真顔で「あの、全部脱がなきゃいけませんか?」と聞いてくる奥さんもいた。 人工授精と同じように下着だけ脱いで済ませるつもりだったらしい。
その奥さんは30代後半。20代後半で結婚するまで処女だったそうだ。 結婚後も浮気とは無縁というが、何となく納得できそうな雰囲気の人。 そこそこ美人だが、性的なことに無頓着というか嫌悪感すら抱いてるらしく、 夫婦間のセックスも苦痛で仕方なかったと話す。
話を聞く限り、旦那さんも潔癖症というか性を汚いものと考えてたようで、 セックスも「お義理」どころか子作りのための苦行みたいに受け止めてた。
とりあえずリックスさせることに集中し、クリで何度かイカせてから挿入。 最初は声を出すことすらハシタナイと我慢してたみたいだが、 時間をかけて何とか中イキに持ち込んだ。終わった後は放心状態だったな。
これまで雑なエッチしか経験してないだけで性感自体は悪くなかったから、 クールの3日間は、とにかく奥さんに気持ちよくなってもらうことに専念。 2日目に生まれて初めての「大イキ」を経験し、 最終日にはぎこちないながらも腰を使えるまでに進歩した。
本当はもう何日か仕込みたいな、と思いながら時間切れを迎え、 こっちも消化不良感が残ったんだが、幸いにというかそのクールは受胎せず。 翌月、向こう側から俺を指名してきて再挑戦することになった。
1カ月ぶりに会った奥さんは、かなり色気を増したように感じた。 もともと美人だし、痩せてて胸も小さい(推定A)がスリムな長身。 ウエストのくびれや脚線美を強調した服だと、30代後半でも全然エロい。 それまでは旦那さんの指示で、化粧も服も色気ゼロで統一してたらしい。
このクールもエッチを楽しむことに没頭。夫婦のセックスは相変わらずらしいが、シャワー室での立ちバックや騎乗位も覚えてもらった。 本当かどうか分からんが「未経験」というフェラも仕込んだ。 やはりマジメな人で、教えた通り一生懸命頑張る姿が愛らしかった。
前クールはキスもできなかったが、このクールはチュッチュしまくり。 最終日、うっとりした表情で「もう少し延長できませんか」と頼まれたときは、 なぜか俺も「もう少し抱いていたい」という思いで一杯になった。
本当は1日2回ずつ中出ししてたが、「回数がこなせなかった」とお願いして 特別に3日間の予定を5日間に延長。こんなことしたのはこの奥さんだけだ。 奥さんも大喜びで、延長した2日間は4回戦ずつ頑張った。
さらに2カ月後、「またダメだった」ということで3クール目に挑戦した。 会社から「別のドナーでもいいんですよ」と言われたらしいが、 奥さんは「この前と同じ人で」と強く要望。何だかむちゃくちゃ嬉しかった。
第3クールは最初から5日間ということでスタート。初日から完全に恋人気分で、抱き合ってキスしながら「愛してる」と言い合う不思議な種付けだった。 俺も奥さんを愛おしいと感じた。女性にこんな気持ちを抱いたのは初めてだ。
午前中から昼食を挟んで夕方まで毎日4~5回戦。帰り際、離れたくなくて 着衣のままスカートを捲り上げ1発とか、とにかく異例づくめだった。 お願いして5日間をさらに7日間に延長してもらったが、さすがに会社も尋常じゃないと気付いたのか「入れ込むのはマズいよ」とたしなめられた。
最終日はほとんど一日中、挿入したまま抱き合ってた感じ。 そろそろ終わらねばと思ったら、奥さんが「実は妊娠してたの」と打ち明ける。 一瞬、何のことか理解できなかったが、どうやら最初のクールで受胎してたらしい。
最終生理日から数えた妊娠何週目かは知らないが、セックスからだと2カ月。 それでも俺に会いたくて、「失敗した」と嘘をついて種付けを申し込んだそうな。 まあ、厳しいことを言えば制度の不正利用なんだろうが、お客さんだしな。
俺も嬉しくなって処置室を出た後、会社に内緒で待ち合わせてホテルへ。 夜遅くまで「種付け」じゃなく純粋に「愛し合った」。
奥さんから個人的な連絡先を教えて欲しいと頼まれ、俺も心が動いたが、 それをしたら奥さんの人生を完全に狂わせかねないんで、何とか我慢した。 まあ、俺の精子で妊娠したわけで、どちらにせよ人生は狂ってたのかもしれないが。
奥さんが有名な政治家の夫人だと知ったのはかなり後、 選挙戦で夫と並んで頭を下げる姿をテレビで観た時だった。
大学卒業後もしばらくバイトしてたから、種付けした奥さんの数は優に3桁。 原則としてドナーは結果を教えてもらえないことになってたから、 何人が妊娠したのかはよく知らない。子供が結局できず諦めた人もいたはずだし。
「羨ましい」というレスもあるけど、そこはよく考えてほしい。 30代、40代中心で、基本的に「色気なし」の奥さんたちが相手だぞ? ドナーには、初めは「人妻とヤリまくり」とAV男優気分だったものの、 実態を知って早々と辞める奴も多いと聞いた。
俺が長続きしたのは、相手の美醜を問わず勃起できる(ある意味)特技と、 とにかく相手にセックスの楽しさを分かってもらおうと努めたからだと思う。
今はDNA検査もかなり一般化してきたから、あんなバイトはできないだろう。 やってた会社(というか団体)もかなり前に姿を消したし、 依頼主のリストも残ってないんじゃないか。調べる気もないけどな。
そういえば何組か、夫婦そろって種付けを依頼してきたケースもあった。 夫が納得してるなら医者に頼んで人工授精してもらうなりすればいいし、 完全に無精子なら非配偶者間の人工授精や体外受精という手もあるはず。 その時は理解不能だったが、その後「寝取られ好き」という性癖を知った。
というわけで妄想はここまでだが、 子供ができないのに「原因は夫にあるかも」と考えない夫婦や、 プライドと恐怖心で精液検査に踏み切れない夫は、今も多いんだろうか。
人によるみたいだが、自分に女を妊娠させる能力がないと宣告されたら、全人格を否定されるように感じる男もいるそうだ。そんな男からすれば、検査して深く傷つくより、「子供が出来なかったのは嫁のせい」と思い込んで残りの人生を子なしで過ごすことも選択肢の一つかもしれない。
ただ、跡継ぎとか嫁ぎ先との関係とかを抜きにしても、 子供を産みたいという女の本能は、男の想像をはるかに超えるみたいだ。 まあ、そうじゃない女が増えたからこれだけ少子化も進んだんだろうけど、 倫理や理性じゃなく、手段を問わず子供が欲しいという女も決して少なくない…ということは知っておいてもいいんじゃないかな。
ちなみに俺はもうかなりのオッサンだが、バイトとは無関係に 1回だけデキ婚してすぐ破局した。もともと結婚に向いた性格でもないし、 残りの人生、もう誰とも結婚することはないんだろうな、という気がする。
戸籍上の子供は1人だが、生物学上の子供が何十人かいると思うと妙な気分。 まあ国の少子化対策には少しだけ貢献できたかもしれない。
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