牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
-
ホームページ
戻る
15-06-14 01:45
結構前のはなしだから時効ということで書きます。 当時はインターネットではなく、パソコン通信という世界だった。 美沙子と俺は横浜と大阪の遠距離恋愛。付き合いは始めてちょうど 半年位だった。
そんなある日彼女が神戸でのオフ会に参加したいと言い出した。 危ないからやめろと言ったが、どうしても行くということなので俺も一緒に参加するという条件で行くこととなった。
神戸なら俺も行ってみたいと思ったし、オフ会が土曜日ということで、日曜は美沙子と神戸でも歩いてみるかと旅行がてら参加するということにした。
但し、場が白けるといけないので、カップルということを隠して、赤の他人という設定で参加することとなった。 お互いの地元じゃない土地でのことで何かあっても後を引くこともないし、第一俺も一緒だから何も問題はないと思っていた。
「これじゃ少し大胆すぎるかしら?」赤いノースリーブのブラウスと丈が短めの白いスカート姿だった。 美沙子が駅まで迎えにきてくれてそのままホテルにチェックインを済ませた。 部屋にあがると窓の外に海が見えた。
まだ少し時間があるから少し歩こうかということで神戸の港を散歩した。 オフ会は18:00スタートで場所は明るい洋風酒場のような店だった。 二人でタクシーに乗って店の近くまで行き、別々に店に入った。 男3人が既に来ていて、もう一人が少し遅れて入ってきた。
結局、集まったのは男4人と、俺と彼女。 画面上では「参加しまーす。」って書いていたやつらが男女合わせて20人位いたんだけど、結局は結局総勢6人というさびしいものだった。
男二人は前からの知り合いらしく、吉田と河野と名乗った。 地元の人でオフ会の主催者だ。 あとの二人は一人は大阪の佐藤、もうひとりは名古屋から参加した黒田と名乗った。二人は初対面とのことだった。
美沙子と俺もそれぞれ自己紹介し、お互い初対面だと言った。 当然のことだが唯一の女性でしかも美人ということで扱いは最上級。 俺については、わざわざ横浜からきて頂いたというよりも口には出さないまでも「招かざる客」扱いだった。
馬鹿くさ。と思いながらも、どうせ他人の設定なんだから彼女がちやほやされるのを見てみようと決めた。
話は取り留めのない話しばかりだったが、佐藤は明らかに彼女への下心が見え見えだった。
「美沙子さんは今日は泊まって行くんでしょ。ゆっくりしてってくださいね?。」だと。 鼻の下伸ばしてんじゃねー!!大阪から神戸なら日帰り圏内だが、今日はホテルの予約をしてあるので心配はない。
20時を過ぎた頃、二次会ということで店を代えた。 近代的な雑居ビルの中の小さなスナック風の他の客はなく貸切状態だった。
場所を代えてからは、スケベ系の話が中心となった。 暫くすると王様ゲームやりませんか?と佐藤が言い出した。
この野郎!男5人、女一人の環境でそんなもんに乗る女がいるか!と思ったが、意外にも彼女は停止条件付きということでOKした。
(後で聞いたら断ると場が白けると思ったとのこと。--美沙子は勝気なタイプである。頭も悪くなく卒がない。 フリーで仕事やっているので相手を煙に巻く技術をもっていないとビジネスなんかやっていけない。と日頃から言っている。)
美沙子はきわどい命令にも「それはダーメ。」と上手にノラリクラリとかわして切り抜けていた。 「ブラウスのボタンを外させる」という命令には、 彼女が「2つ目まで」という条件を付けるなど、彼女はうまくかわしながらも上手に場を盛り上げていた。
俺は進行にハラハラドキドキしながらも、俺自身も結構きわどい命令を飛ばしたりしながら、赤の他人を楽しんでいたし、美沙子もそれを上手くかわしていた。 他の連中は俺たち二人がカップルであることには全く気づいていない筈だ。
トイレに行こうと中座して店を出た時(この店は雑居ビル内にあり、トイレはビルの共同トイレを利用する。) 主催者格の吉田と河野が廊下でひそひそと何か相談していた。
目があったので軽く会釈をしたが、少し慌てた様子だった。 何だろうと思いながらも用を済ませ、戻ってきたら吉田一人が俺を待っていた。
「佐々木さん(俺)今日はどうされます?」と吉田が俺に尋ねた。 俺は一次会でも答えたと同じように「最後までいますよ。」とアッサリと答えた。 何となく吉田が困ったな。という顔をしたように感じた。
で、「何か?」と聞き返すと、吉田は一瞬躊躇ったが話し始めた。 「単刀直入にいいますが、美沙子さんを頂いちゃおうと計画してるんですけど、佐々木さんも乗りませんか?」 「えっ?」 俺は一瞬言葉を失った。
「実は、このオフ会の本当の目的はそれなんです。」 「河野も佐藤も黒田も仲間ですし、次に行く予定している店のマスターも仲間で協力してくれます。」 俺は相変わらず返事ができない。
「今まで同じようなこと何回かしてきましたけど上手くいきましたし、美沙子さんならノリも悪くないし大丈夫です。それにメッタにないチャンスですよ。あれだけ綺麗な人が一人で出てくるのは。きっと彼女も何か期待してきてますよ。絶対。」
「佐々木さんもノリ悪くないし、思い切ってお誘いちゃいました。上手く合わせてくれれば後はこっちで仕込みますから、そのまま普通にしていてください。」 「だめですよ、気づかれちゃ。」 と言い残して吉田は先に戻って行った。
まさか、自分の彼女を「犯っちゃう」相談を持ちかけられるとは考えてもいなかった。あいつらみんなグルだったんだ......。 心臓がバクバク云い出し、頭がカッとなった。
まあ、最後には俺がついているから何とかなるだろう。 もう少しだけ話を合わせてみるのもいいかも知れないと考えた。 これが、悪魔が囁くってこういうことだろう。 両方の意味で「赤の他人という設定」にしておいてよかったと思った。 部屋に戻ると美沙子は楽しそうにしていた。吉田が俺に、ニヤっと目配せした。
暫くして、三次会に行こうという話になり店を出た。 美沙子はほろ酔い加減で、佐藤と黒田と一緒に歩いていたが俺は少し遅れて一人で歩いた。 吉田と河野は先頭を歩いているが話は聞こえない。
こいつら、何をする気だろう。どうやって実行するつもりなんだろう? どこまでやる気か?見たところ普通の部類に入る連中だし、その手のプロや組系でないことは確かだと思った。 それより俺自身がどこまで引っ張っていいのか? どの段階で止めるか、どう切り出すか?そっちのほうが問題だった。
美沙子が複数の男に弄ばれる姿を想像して萌えることはあったが、そんなものは妄想の世界でのことであって、実現させる訳にはいかないが、このまま成り行きに任せておけば本当に実現してしまう。 そう思うと頭に血が上り、鼓動が高まった。俺はいったい何考えてんだ。
「佐々木さん。簡単に説明しときます。」 と河野に声を掛けられて我に返った。横に河野がいた。 「まずは大阪に戻る終電がなくなるまで引っ張ります。
終電が無くなって泊まるということを確定させます。そのあとは、そのままHな路線に引っ張ります。そのままいければそのままいっちゃいます。でも今日は美沙子さん一人なのでノリだけでは無理かも知れません。その時には奥の手を使います。」
「ガードが固いようであれば、薬で眠って頂もらいます。」
「薬って?」 と俺は尋ねた。 「睡眠導入剤ってやつですか。危険はありませんから大丈夫です。 『いつものドリンク』とマスターに頼めばマスターが彼女の飲み物に薬を仕込んでくれます。」 「だいたい薬入れて、30分もすれば酔いつぶれたように寝ちゃいますから、 あとは近くのシティホテルに運んで頂いてしまうという段取りです。」
「もう予約は入れてあります。」 「シティホテルのほうが便利なんですよ。ラブホだと大人数じゃ入れないでしょ。 予約入れた地下駐車場からエレベータで誰にも会わずに部屋にいけますし、 万が一ボーイに会ったら、酔いつぶれた友人を送ってきたと行って鍵を見せれば問題ありません。」
「後はどうなるんだ?」 「彼女は翌朝、ベッドで裸で目を覚ますこととなりますが、その時には自分達はいません。それだけのことです。」 「けど.......」 「あ、中田氏はしないルールになってますから、コンドームは用意してあります。佐々木さんもちゃんと使ってくださいよ。あと、痕跡が残るようなことは一切なし。怪我もさせない。洋服も破かない。後でヤバクなるような過激なことは一切なし。」
「それから、順番は公平にじゃんけんです」 「僕達そんなに悪質なことはしませんよ。後引くようなことも。第一、眠っちゃっている相手とは、ちゃんとしたセックスはできません。触って、写真撮って楽しむだけ、あくまで、ちょっと過激ないたずらのの範囲と決めていますから。」
それのどこがいたずらの範囲なんだ?充分犯罪だと。と思いながら、 「しかし.....そんなことが本当に上手くいくのか?」と俺は尋ねた。 「えーっと、失敗と言えば、一回だけありましたね。」 「三次会に入ってから、全然飲まなくなっちゃて、そのまま帰られちゃったケース。 スペシャルドリンクも飲んでくれなきゃ効きませんからね」
「始めたばかりの頃だったので、まんまと喰いそこねたんですが、最近は酒を飲まなくなったら、ソフトドリンク版のスペシャルドリンクを振る舞いますから大丈夫です。」 「トラブルになったこともありません。」
「美沙子さんって結構スケベなんじゃないかな。段々Hな話しにも乗りが良くなって来てるし、嫌ならここまでついてこないでしょ。 酒だけ飲めればどこでも行くというタイプでははしないし、 逆に何かしてあげなければ失礼じゃないじゃないですか?あんな美人に。」
「しかし、佐々木さん、ラッキーですよ。美沙子さんは今までの女の中でピカイチです。文句なくダントツ、レベルが違います。 今日は思いっきり楽しめますよ。僕はもうさっきから立ちっぱなしですよ。」
「ところで、念のため、もう一度伺いますけど、佐々木さんは美沙子さんとは今日が初対面ですよね。」俺は「そうだけど。何で?」と効き返した。 「それなら何も問題ありません。ただの確認ですから深い意味はありませんよ。」
「じゃ、決行時間は25時を目処にしてますので、楽しみにしていてください。」 と言い、河野は前を歩いているの四人の方へ走っていった。 時計を見ると22時を少し回っていた。
こいつら、相当慣れてる。 下手したら本当にヤラレかねないぞ。と思い、遅くても24時までに美沙子を連れ出して逃げることに決めた。 もう少しだけ、このままにして様子を見てみていたい、 非現実的な妄想の世界に浸ってみたいというのが本音だったのかも知れない。 今にして思えばそれが間違いだった。 直ぐに美沙子を連れ出しておけばよかった。
「着きましたよ」と言われたのは小さなスナックという感じの小さな店の前だった。 「皆さん三次会はHネタを中心にハメを外して、楽しくやりましょう」と佐藤が明るくはしゃいでいる。
美沙子は酒の上に王女様的な待遇を受けてまんざらじゃない様子。 まずは美沙子を呼び出して12時までに切り上げることを伝えておかなければいけない。 やつらの企みについては急いで伝える必要があるとは思わなかった。 一段落ついたところで美沙子を呼び出すことにした。
お決まりの乾杯の後落ち着いた頃合を見計らって、 美沙子に目で合図を送ってトイレに立たせた。 美沙子が了解し、立とうとした瞬間、美沙子が立ち上がろうとしたことに気づかない振りをして美沙子より一足早く先にトイレに向かった。
トイレの中で「11時30分までには出る。了解したら合図を。」とメモに書いて、個室の便座のカバーの上に置き、 石鹸を重石にしてトイレを後にした。
すぐ後に美沙子が来る。トイレは男女共用だから見落とす心配はない。 美沙子と廊下ですれ違ったが部屋のドアが開いていたので、指でメモがあるとジェスチャーをして「ドーモ」と声を掛けただけで他に会話を交わすことなく部屋に戻った。部屋で見たよりも酔っていない様子だったので安心した。
暫くして美沙子がトイレから戻ってきて、メモを了解したことを目のサインを送ってきた。 これで少し気が楽になった。あとは頃合を見て逃げ出すだけだ
佐藤と黒田が「泊まっていくんでしょ?ゆっくりしていってくださいよ。」と美沙子の引き止め工作を行っていた。 美沙子も「どーしようかな?」と曖昧にお茶を濁した返事を返していた。 河野も泊まっていけと言っていた。
その時、頭がクラーっとしていきなり睡魔が襲ってきた。 「あれ?」と思ったが後の祭りだった‥。
吉田が目の前で何か言っていたが頭がボーっとして解らなかったがホテルの部屋らしい。
「佐々木○○さん、お目覚めですか?」と吉田が言った。 「○○美沙子さんとはどのようなご関係かは存じませんがお二人はお知り会いですよね。」 「お二人が初対面ということで挨拶されてた後に、黒田氏から偶然お二人が一緒にタクシー降りるところ見たということを聞きましたので、もしかしてきょうは面白いことになるのかな。と思っていました。」
ようやく状況が飲み込めてきた。
「それで、聞き間違えかな?と思ってお二人それぞれに確認させて頂いたのですけど、やっぱり初対面と言うことでしたんで、お二人が嘘をついていることが確認できました。 と、なると恋人か夫婦かわかりませんがそれなりのご関係じゃないかと思って、 お起こしした方がよいかとお起こしした次第です。」
ベッドの上には美沙子が横たわっていて、周りには3人とマスターが笑いながらこっちを見ていた。 美沙子に意識はない様子だ。
まだ頭がクラクラしている。しゃべろうとしたが口にガムテープが貼られていて、何もいえない。 手首と足首にもガムテープが巻かれ、ホテルの椅子に縛り付けられていた。
「大丈夫ですよ。美沙子さんはグッスリ眠っていますから。あなたのガムテープも終わったら外しておきます。」 「三次会の飲み代は僕達からのおごりです。ホテル代は自分で払っておいてくださいね。」 「それから、私たちからはお二人には二度とコンタクトしませんから安心してください。あなたが美沙子さんを犯す計画に乗っていたこともしゃべりません。念のためにお二人の免許証から住所は控えさせて頂きましたので変な気は起こさないように。」
「まだ薬効いていると思いますからまたスグに眠くなりますけど、 起きていられるだけ頑張って美沙子さんを見守ってあげてくださいね。」
「じゃ、始めますね。」
と言って吉田は他の男達に合図を送り、男達が美沙子の周りを取り囲んだ。 シティホテルのダブルベットではあるが広いわけではなく、その光景は俺のスグ傍で展開されていた。
佐藤がブラウスを脱がしながら「さっきは第二ボタンまでだったけどねー」とはしゃいでいた。 スカートを脱がせているのは黒田だった。フロントホックのブラの前が開かれ、美沙子の胸が露出したところで「おー。」と声があがった。
マスターが右の胸に、佐藤が左の胸にしゃぶりついた。 暫くして、「それでは」と言いながら、河野がパンティを降ろしに掛かった。 乱暴な扱いではなかったのがせめての幸いだったが、時間が止まってスローモーションを見ているようだった。
「やめてくれーと叫びたかったが声が出せない。あろうことか股間ははちきれんばかりに勃起していた。」 美沙子の足が両側にひらかれ、マスターが美沙子の股間に顔をつっこんだ。
薬のせいか、絶望感からかは解らないが気が遠くなっていった。
ホテルのモーニングコールで起こされた。
何が何だか分からない。頭がガンガンする。横には全裸の美沙子が寝ていた。部屋には他のだれもいなかった。
「おい。大丈夫か?」と美沙子を揺さぶった。美沙子がゆっくりと目を開いた。 「うー。頭が重い。」「大丈夫か?おい。」 「何か身体中がいたい。何か変。」「大丈夫か?」「あれ?あたし昨日どうしたっけ」 「何も覚えていないのか?」「乾杯してトイレ行って帰ってきたら、あなたが寝ちゃって、それから....それから先、おぼえてない。」
「でも何か変。」彼女は部屋を見回し、ハンドバッグを手に取り中を調べた。 「別におかしなところはないわね。」でも何か変な感じ。頭も重いし、身体痛いし。何か変なことした?
本当に覚えていないのか?
覚えていないのであれば言わないほうが絶対にいい。 「起きたら、美沙子が寝ちゃってたから、ここ(ホテル)まで担いできた。 寝てる間に食っちゃうのも悪くないかと思って、しちゃったけど、美沙子が全然おきなくて..........」
俺は嘘をつくしかなかった。情けなかった。 幸いなことにやつらからはそれ以降本当に連絡はなかった。 この事件から半年位で美沙子とは別れたが、多分美沙子は真相に気づいてはいないと思う。
(そう信じたい。) あの夜のあの情景は一生目に焼き付いているだろう。その度に美沙子にすまないと思う自分と、あの情景を思い出して萌える自分がいる。
PS.ホテルをチェックアウトする際に財布を出そうと上着の内ポケットを探った時、ポラロイド写真が一枚入っていた。そこには美沙子の全裸が写っていた。
今も捨てられずに持っている。
[体験告白][エッチ][彼女][泥酔][睡眠導入剤][レイプ][輪姦][セックス]
|
Copyright © ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)All rights reserved.
コメント