牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
今年の正月、僕と妻と息子の3人で温泉に行った時の話です。僕は40代後半で、妻はアラフォー。息子は当時中学3年でした。僕は普段から仕事人間で、ろくに家庭サービスをしてなかったし、思春期に入った息子との間に「壁」を感じることも増えてました。 子供が高校に入ったら家族で出掛ける機会がなくなるのかな、と思ったんです。息子は気乗りしない風でしたが、せっかくだからと説き伏せました。泊まったのは小さな宿で、男女別の大浴場がありましたが、ひそかに期待した混浴はなし。もっとも、宿泊客は大半が年配でしたけどね。その代わりじゃありませんが、予約制の家族風呂がありました。夕食後、息子を誘って家族風呂に入りました。息子は最初「えー、父さんと入んの?」と、嫌そうな顔をしましたが、こんな機会でもないと、ゆっくり親子で会話できませんからね。「たまにはいいだろ、なっ」と半ば強引に連れて行きました。家族風呂は大浴場より小さめで、4〜5人も入れば満員になりそうです。その分というか湯船は檜。内装も落ち着いた木製で、高級感が漂ってました。最後に一緒に入ったのは息子が小学生の時だから、5年ぶりくらいでしょうか。「最近、学校はどうだ?」「…普通」「高校に入っても陸上続けるのか?」「…分かんない」やっぱり会話が続きません。僕の中学時代は、もう少し素直だったんですけど。それにしても、どうだと聞かれて「普通」と答えるのも、どうかと思いますね。まあ、ぎこちないながらも言葉を交わせたのは、家族風呂の効能でしょうか。「背中を流してやろう」と持ちかけても、特に嫌がりませんでした。息子は僕より20センチ近く大きくて、180センチを超えています。陸上部で投擲をやってて、肩幅も広く筋骨隆々。体重は僕と同じくらいかな。子供の頃から小柄で太めの僕と並んでも、親子には見えないかもしれません。妻の体格は普通ですが、妻の兄弟は大柄な人が多いから、母方の血でしょう。今度は僕が背中を流してもらう番。息子も打ち解けたのか文句を言いません。体を入れ替えるため立ち上がった息子の股間を見て、思わず目を見開きました。…デカいもちろん「平常時」ですが、長くて太くて迫力満点です。根本の袋も重量感があるし、何よりズルリと剥けた亀頭の大きいことといったら。皮に包まれたコンパクトな僕のモノと比べ、体積だと倍じゃきかないでしょう。妻の親兄弟の股間は見たことありませんが、これも母方の遺伝かもしれません。手足は伸びても子供、と思ってましたが、こんな所も成長してたんですね。これくらいで父親の威厳が傷つくわけもないんですが、ほんの少しだけ劣等感。幸いだったのは、息子が父親の股間を気にする風じゃなかったことでしょうか。互いの背中を流し、久しぶりに親子のふれ合い。少しずつですが息子の心の壁が取り払われるのを感じてたんですが、ほんの数分で会話は中断されました。「あら〜、結構しゃれたお風呂じゃない」ガラリと扉を開けて入って来たのは妻でした。母親が来ると思ってなかったらしく、息子は腰掛けから落ちそうな驚きよう。「な、何だよ。なんで母さんまで来るんだよお」「なに言ってんの。家族風呂は時間制だから、今しか入れないでしょう」妻は笑いながら掛かり湯すると、ザブンと湯船に。さすがオバさんは剛胆です。息子はといえば、ようやくリラックスした感じだったのに、いきなり緊張モード。がっしりした体を縮め、必死で股間を隠そうとしてました。これ、考えてみたら面白いですよね。ほんの10年くらい前まで、小さなオチンチンをプルプル揺らし、素っ裸で家の中を駆け回ってた子です。もう何年かして大人になったらなったで、風呂場でしかも家族の前ですから、ここまで極端に恥ずかしがることもないでしょう。端から見て滑稽なほどの羞恥心は、思春期の数年に特有の現象かもしれません。妻は湯船に浸かりながら、宿の食事が冷めてただの、隣の団体客がうるさいだのお喋りモード全開。息子は相変わらず恥ずかしそうですが、どうも挙動不審です。必死で顔を背けながら、チラチラ横目で妻の入浴姿を観察してるような…。母親の裸に興味があるわけないでしょうし、単に警戒してたんでしょう。妻も息子の視線に気付いたようです。ニコリと笑って立ち上がりました。「んー? 背中流してあげようか」「い…いーよ、父さんにやってもらったから」妻は立ち上がると、ズカズカ僕らに近づきました。息子は必死で目を背けます。「なーんだ、背中終わっちゃったの? だったらアタシは頭ね♪」「うわわっ! 何すんだよっ!」妻はシャンプーの瓶を取ると、息子の頭に注ぎ始めました。昔から悪戯好きというか、こういう茶目っ気のある女なんですよね。こう書くと、どこのオバタリアンかと思われそうですが、どうしてどうして若い頃の宮崎美子に似た美人…え? たとえが古いですか?不意打ちを食らった息子は大慌てですが、時既に遅し。泡だらけになった息子の頭を妻がグシャグシャと洗い始めます。「ちょっと母さん、やめろよー!」「ほらほら動かないの。シャンプーが目に入るよ〜」妻より頭一つ近く大柄な息子ですが、こうなると文字通り大人と子供。観念したのか、がっくり頭を垂れて母親になされるがままでした。「んもぉ、体が大きいから洗いにくいじゃない。ほら、こっち向いて!」「ちょっと待っ…何すんだよお!」妻は強引に息子の体を自分の方に向けると、正面に立って頭を洗い始めました。息子はうなだれながら、仁王立ちの母親を上目づかいでチラチラ見ています。顔のぐ前に大きな乳房が二つ、妻が腕を動かすたびブルブルと揺れてました。妻は昔で言うところの「ボインちゃん」。若い頃は体が華奢なのにオッパイとお尻だけがデーンと飛び出てて、ちょっとちぐはぐな印象でしたが、40代が近づくにつれて年相応に肉が付き、バランスが良くなった感じがします。僕が淡泊なせいで夜の勤労奉仕はほとんどありませんが、今でも色気十分。そこらの熟女AVに出てくる女優より、よっぽどエロいと思いますよ。まあ、母親の体なんて、息子にとってはただの「肉の塊」でしょうけどね。まるで喜劇か漫才のような微笑ましい親子の掛け合いを横から眺めてると、息子の様子がまた変わってきたのに気付きました。母親に髪を洗ってもらいながら、体を折り曲げるような腰を引くような、どうにも不自然な体勢です。…ははーん下半身の一部に血が集まり始めちゃったんですね。必死で手で隠してますが、巨大な肉棒がムクムクと起き上がるのが、僕の所からも見えました。もちろん家族風呂ですから、息子が性的に興奮する要素はどこにもないわけで、緊張しすぎて下半身が反応しちゃったんでしょう。僕もそうでしたけど、中高生の頃は授業中とかに意味もなく硬くなって、焦ったりしたもんです。大きすぎるのか、いくら手で押さえても妻から丸見えだったみたいです。妻は最初こそハッと驚いた表情でしたが、すぐに興味津々の笑顔に変わりました。瞳が爛々と輝いてます。やっぱり子供の成長は嬉しいんでしょう。「ほらっ、お湯かけるから自分で濯ぎなさい」妻が泡だらけの頭にシャワーを当てると、息子は慌てて両手で濯ぎ始めました。両手がふさがってるということは、下半身は「ご開帳」で観察し放題。これ、妻も狙ってたんでしょうかね。改めて見ても「立派」の一言でした。長さは20センチ近くあるでしょうか。青筋の浮き立った竿の太いこと。その先端には子供の拳くらいありそうなカリ高の巨大な亀頭が、湯気の中でブルンブルン揺れてます。大きさもさることながら、角度が凄い。やや上反り気味だったのもあって、文字通り腹筋とほぼ平行にそそり立ってました。その割に使い込んでないのか色は淡いピンク。形と色のミスマッチが不思議な感じでしたね。息子の「ムスコ」ですから、僕にとっては孫みたいなもんでしょうか。こんな立派な孫なら、どこに出しても恥ずかしくないでしょうに。シャワーを当てながら、妻の視線は息子の股間に固定したまま。驚愕と興味と畏敬と慈愛の入り交じった不思議な表情でした。途中、舌なめずりして唾をのみ込んだのは、風呂場の熱気のせいだと思います。濯ぎ終わってようやく、息子は下半身丸出しだったことに気付いたようです。「俺、先に上がるわ」と言い残し、逃げるように風呂場を後にしました。今さらのように股間を押さえて退散する様子が、これまた滑稽でしたね。風呂場に残ったのは僕と妻。よっぽど「あいつ、大きくしてたな」と話題にしようかと思ったのですが、本人のいない所で親がアレを品評するのも息子に悪いような気がして、遠慮しておきました。妻も「一人前に色気づいちゃったねー」と言いながらも、股間の話には触れず。恥ずかしがる息子の様子に「やり過ぎたかな」と反省したのかもしれません。その代わりでしょうか、僕の股間にちょこんと鎮座する「ムスコ」をチラッと見て、ニコリと微笑んでくれました。妻はコンパクト型の方が好みなんでしょう。部屋に戻ると、息子はふてくされたように布団で漫画を読んでました。親の前で恥ずかしい姿をさらして、「ムカつく〜」というやつでしょうか。僕が声を掛けても「んー」と生返事。妻とは目すら合わせようとしません。とはいえ、人付き合いが苦手な僕と正反対で、明るく外向的なのが妻の取り柄。僕が宿の自販機前で缶ビールを1本飲んで部屋に戻ると、ふて寝する息子に妻が何やら話しかけてました。この辺が母親の愛情でしょう。川の字になって床に就いてからも、妻と息子はまだゴニョゴニョ話してます。話の内容は聞こえませんが、時折「もお、いいじゃん」「マジで?」といった息子の声が漏れてきます。どうやら機嫌を直したみたいですね。さすが我が女房と感心し、僕はゆっくりと眠りに落ちました。翌朝、少し早めに目が覚めると、妻と息子の姿がありません。宿の朝食までは、まだ時間があります。散歩にでも行ったかな、と思いながら部屋でテレビを見てると、30分ほどで2人そろって戻って来ました。「あら、起きてたんだ。朝風呂行って来ちゃった♪」早朝に目が覚めて風呂に行ったら、気分が良くて2時間も長湯したんだとか。いやはや女の長風呂というのも、凄いというか呆れるというか。妻はよっぽど満足したらしく、少し疲れた様子ながら幸せ一杯の笑顔です。長湯しすぎたせいでしょう。目が少し赤くなって潤んでました。一方、付き合わされた息子は災難でした。のぼせたらしく憔悴しきった様子。目は虚ろで足元もおぼつかないのか、妻が寄り添うように腕を組んで支えてます。その様子がおかしくて「若いのに情けないぞ」と言いそうになりましたが、考えてみれば僕だって、2時間も入浴するとこうなるかもしれません。息子は湯あたりが酷いのか、帰りの車ではずっと妻にもたれて寝てました。大きなガタイのくせに、母親に手を握られて幸せそうに眠るあどけない姿に、運転しながら思わずクスリと笑みがこぼれます。妻も心から満足したみたい。親子の絆を再確認する目的も達成できたし、本当に楽しい旅行でした。さて、1泊2日の短い旅行でしたが、温泉の効能は予想以上でした。体が温まって女性ホルモンが活性化したのか、妻は肌つやが目に見えて良くなり、体つきも女っぽさが増したみたい。旅行から帰って何カ月もたった今もです。もともと美人ですが、女房がきれいになると、夫は嬉しいもんです。それに前から陽気な人でしたが、さらに笑顔が増えて、満ち足りた感じですね。妻がいつも上機嫌ですから、家の中が本当に明るくなりました。息子も丸くなったというか、思春期特有の刺々しさがすっかり消えました。相変わらず僕に対しては口数が少ないけど、前のような反抗的態度は見せません。まるで小動物を見るような、優しいまなざしを向けてくれます。妻は完全に息子を手なずけたみたい。以前は息子の方が距離を置いてたんですが、旅行から戻ってからは、家事でも勉強でも母親の言いつけに素直に従ってます。いつも仲睦まじく、親子というより年の離れた新婚夫婦みたいな雰囲気ですね。あの温泉宿ですが、妻は料理がどうこう言ってた割に、すっかり気に入った様子。息子が志望校に無事合格すると、春休みにお祝いを兼ねて、また足を運びました。あいにく僕は出張があったんで、妻が息子だけ連れ、今度は2泊3日です。息子が高校に進学しても、家族の雰囲気は良くなる一方です。妻はますますきれいになって、この1年で5歳くらい若返った気もしますね。先日、久しぶりに夜の勤労奉仕に挑みましたが、2分と持ちませんでした。もう無理かなと思ってた家族旅行も、連休や夏休みで息子の学校が休みになると、待ちかねたように連れ立って出掛けるようになりました。運悪くいつも僕の仕事と日程が重なるんで、行くのは妻と息子だけですが、それでも旅行から戻るたび、親子の絆が深まってるのを実感できます。それもこれも、正月の温泉旅行で心の壁が取り払われたからだと思います。いやあ、家族風呂って本当にいいもんですね。 ←クリックでランダムの記事が表示されます
なし
Copyright © ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)All rights reserved.
コメント