牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
昨年1月にリストラされて転職活動してきたが箸にも棒にもかからずOA機器の営業で15年やってきたけどどうにも潰しがきかない他業種の営業にもチャレンジしてみたがやはり畑違いとのことで門前払い受けることも多々あった家族は妻と5歳の娘の三人暮らし妻には失業してることも転職活動してることも内緒だった今夜は妻の得意料理「ロールキャベツのボルシチ」が夕食家族みんなで箸をつつきながらいつもの団らんを過ごしていたがもう限界だった 俺は食事中泣いてしまいとうとう妻に打ち明けてしまったでも妻は既に察していたというか気付かれていたここしばらく銀行口座に入金が無いからとそして妻は来週から夜の仕事を始めるからとあまり思い詰めないでくれと言ってくれた俺自身情けなさ過ぎるのと俺にはもったいないくらい出来た妻を持った幸せのあまり妻の膝の上で数時間涙を流したのは2カ月前。妻は33歳そこそこ年齢はいってるが容姿には自信があったのだと思う特別慌てた様子も緊張した様子もまったくなくパートでレジ打ちやってるスーパーから帰宅後雑誌片手に気楽に電話し始めたしかし何度か電話を掛けるうちに自信満々だった妻の表情が曇っていくのが分かった求人情報を探してPCに貼りついてる妻の背中を俺はぼんやり眺めるしかできなかった そんなことが1週間ほど続いて妻から無事に夜の仕事が決まったと報告を受けた普通のフロアレディだという33歳未経験採用されたことは凄いが慣れない仕事をするのは非常に辛いのではないかと心配する俺に「お酒飲んで馬鹿話してればお金がもらえる楽な仕事よ」と強がりを言う妻がいじらしかったその翌日から妻は16時にスーパーから帰宅するとすぐに夕食の準備をして夜の仕事へ出かけるようになった夜の仕事が妻を変えてしまうのではないかととても心配だったしかし1週間が過ぎ2週間が過ぎても妻はいつもどうりの清楚で凛とした妻だったある晩目が覚めてトイレへ行くと娘の部屋に薄明かりが点いていた何気なく部屋の中を覗いてみるとそこに妻が居た危うく声を出しそうになった妻は泣いていた娘の手を握りながら泣いていた貯金は底をつき家のローンもある夜の仕事が辛くても辞められないのだろう この時俺は1日も早く仕事を探そうと心に誓った翌日から俺はプライドを捨て親類や友人などに頭を下げ伝手を頼ることにした今まで馬鹿にしていたハロワにも行くことにしたしかし死に物狂いで1か月頑張ったが求職活動は全くうまくいかなかった俺がもたもたしているうちにいつも活き活きしていた妻の表情は曇り空元気だけが目立つようになっていったプライドでは飯は食えない家族も守れない思いきって学生時代の知人に連絡をすることにした田近佳一親から事業を引き継ぎ不動産や貸しビルなど手広くやっている男俺はこの男に連絡した予想に反してあっさりアポイントが取れた 約束の時間に訪ねていくと秘書が出てきて急な用事で田近は外出したと封筒を差し出してきた 封筒の中身は会社案内でその会社を応募してみろということだったその会社は上場こそしていないが今流行りのエコ関連ビジネスで財務内容もしっかりしていた俺は田近に感謝しながらその会社にすぐに連絡した電話をすると社長が直接面接してくれるという話になって翌日面接に行った社長は45歳だと言っていたが年齢よりも若く見える男だった簡単な自己紹介から大塚○会での営業実績や苦労話などを語ると頷きながら真剣に聞いてくれたそして帰り際に年収は前職と同じで前向きに話を進めると採用を匂わされた会社を出てすぐに俺はお礼を言いたくて田近に連絡した忙しいだろうからいいよと断ったが田近が会いたいというので会社にお邪魔した久々に会う田近は学生時代と変わりない不敵な笑みを浮かべていた「仕事決まりそうで良かったな」「お前のおかげだよ、ありがとう。本当にありがとう。」「いや、いいよ。それより菜緒ちゃんに夜の仕事は辞めさせてやれよ。」これを聞いた瞬間に俺は頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた「な、なんで知って・・」「当然だろ。菜緒ちゃんに店紹介したの俺なんだから。」「え?本当なのか?」「本当だよ。いくら仕事を探しても、まともな店は年齢言っただけで門前払いされると相談されてね。昔のよしみで紹介した。」その後何をどう話したか覚えていないただ1枚の名刺が掌に握られていた私の妻 菜緒の名刺だ 源氏名も菜緒のままだった「一度、菜緒ちゃんに気づかれないように様子を見に行ったらいいよ。一見じゃ入れないから店に話を通しといてやる。」田近の言葉を思い出しながら俺は名刺を握り締めた夜になって店へ行くとママと思われる人が応対してくれた既に田近から話を聞いているらしくフロアの死角となる一角に案内してくれた俺はキョロキョロしながら妻を探した「真面目でウブな所が良いって、かなり人気あるのよ」俺はママと思われる人が視線を向ける先を目で追ったそこに妻が居た男二人に挟まれて座っていた細い肩紐だけのワンピース姿で剥き出しの肩を抱かれていた男の手が太ももの上に置かれる度に顔をしかめながら愛想笑いを絶やさず必死にがんばっていた俺は見ていられなくなって視線を逸らせた何気なく隣のテーブルを見た思わず目を見張った隣のテーブルでは20代と思われる女性が胸を半分出したような服を着て男に首筋を吸われていたのだ「こ、この店はいったい・・」「ご覧の通り、多少のお触り有りのバーですよ」「多少って・・」「お客様と女の子の交渉次第ね」唖然とした妻がこんなところで働いていたなんて「仕方ないんじゃないの?菜緒ちゃん年も年だし借金もあるんでしょ?」「借金って?住宅ローン?」「違うわよ〜 前の店がちょっと問題のある店だったみたいね。これ以上は私からは言えないけど。」「え?前の店って、この店いつから働いてます?」「2週間ちょっとかな〜」俺は驚いた妻は少なくても1か月は夜の仕事をしているはずだった何か問題があって最初の店をめたのか借金まで作って・・・それで仕方なく田近に紹介してもらいこの店で働いてるというのか突然妻の席が盛り上がった妻と二人の男が立ち上がっていた「社長さんの登場よ」え?!社長だった俺が面接してもらった社長だったあの社長が二人の男に促されるようにして妻の隣に座った社長は妻から水割りを受け取ると妻の耳元で何か囁いた妻はそれを聞くとすぐに社長の方へ顔を向けて頭を下げた社長がまた妻に何か囁いた「そろそろ帰った方が良いんじゃないの?」ママと思われる人の言葉と同時に妻がコクリと頷くのが見えた俺は我が目を疑ったあの社長が妻の胸を揉んでいた妻は手をだらんと横に垂らしたまま嫌がりもせずに好きにさせていた俺は身動きも取れず息を飲むことしかできなかった胸を揉まれながら妻はバンザイをするように両腕を頭上にあげたその瞬間「お〜!すげぇ〜」という下卑た声が聞こえてきたような気がした遠目にも妻が顔を赤らめているのが判別できた学生時代から付き合っているのに妻のこんな表情を見たのは初めてだった部下と思われる二人の男が拍手をすると社長は妻の腋の下に顔を寄せていった「あれ社長の趣味よ。あれって女は一番恥ずかしいのよね。」俺は耐えられなくなって止めさせようと腰を浮かせたするとママと思われる女が太ももに手を置いてきた「やめときなさいよ。菜緒ちゃん、今まで1度だってあんなことさせたことないのよ。 いったい誰のために、あんなこと許してると思ってるのよ。」お、俺のためか・・・「悪いこと言わないから、今日は、もう帰りなさい。」どうにもできないのか悔しくて気が変になりそうだった俺はママと思われる人に促されるように席を立ち店を出ようとした最後に妻の席を振り返ると場はいっそう盛り上がっていた隣のテーブルの客までもが歓声をあげているようだった妻のワンピースのチャックが社長によっに徐々に下ろされていったそれでも妻は両腕を頭上にあげたままだった「心配しなくて大丈夫よ。この店は本番は絶対ないから。あのワンピースも横のチャック外しただけでは脱げないから。」俺は「はい」と元気なく頷くだけしかできなかった「元気だして!絶対大丈夫だから!あの田近社長だって まだ脱がしてないのよ。高橋社長が先にやるわけないから。」「え?田近もよく来ているのですか?」ママと思われる女は一瞬しまったという表情をした「決まってるじゃないの。誰がオーナーだと思ってるの。 菜緒ちゃんが働くようになってから、より頻繁に顔を出すようになったわね。 学生時代のご友人達もよくいらっしゃいますよ。」2013/01/04(金)俺は言葉を失った菜緒は俺の妻は学生時代の仲間達にもあのような醜態を晒していたのか家に帰った後も妻の痴態が頭から離れなかった。しんとした寝室で一人横になると不安が雪崩のように押し寄せてくる。腋全開の妻とニヤついた男達の顔を追い払おうと必死になって首を振る。妻はきっと大丈夫だ。ママも断言していたじゃないか。「ここはセクキャバみたいな下品な店じゃないから大丈夫よ!」と。固く目をつむり、一生懸命寝ようとするが、寝れるもんじゃない。少し気を緩めただけでも無防備な腋を舐められて喘ぐ妻の姿が鮮烈に蘇ってくる。舐めていたのは高橋社長だったはずなのに、いつのまにか、その顔が田近に代わり、そのうち藤田、石田など学生時代の友人に代わっていった。自分がおかしくなってしまいそうで、どうにもならず、ウイスキーの角瓶を掴んで一気に飲み干した。朝起きると枕元にある目覚まし時計のアラームを消した。ウイスキーのせいだろうか、設定よりもかなり早く目が覚めていた。良く眠れたものだなと自分でも感心した。ベッドの隣には妻の菜緒が横になっていた。昨夜、男に胸を揉まれ、腋の下まで舐めさせていた女がこうも穏やかな寝顔で良いのだろうか?とも一瞬だけ思ったが全ては”俺のせい”、”俺のため”か、と自嘲した。菜緒は掛布団にくるまり、横を向きながら眠っていた。鼻筋が通り、まつ毛が長い。肌は白磁のように滑らかで、とうに30歳を超え出産までしている女とは思えない程、全身に張りがあった。俺は妻の掛布団を無理やり剥いで、背中から腰までの柔らかくも、優雅な体の線を眺めながら、妻の身体をまさぐった。尻を撫で回し、太ももの間に手を潜り込ませて強引に股間をさすった。「え?、あ、あなた、どうしたの?」妻の眠たげな表情を見た瞬間、心が冷えてくるのを感じた。俺の頭の中で妻はバンザイしていた。整った顔を恥ずかしげに赤らめて”どうぞ好きにして下さい”と言わんばかりに両手を上げてワンピースのチャックを下ろされていた。吐きそうになった。一晩明けたというのに妻の痴態は、瞼にこびり付いて離れてはくれなかった。「い、いや何でもない。起して悪かったな。」やっとの思いで言葉を絞りだして、洗面所に逃げこんだ。その日、俺は内定を貰った。1年以上もの間、待ち焦がれた内定だった。年収は以前と同じしかも、無職の俺を気遣ってか、翌日から働いても良いという。給与は当月締め25日払い。すぐに給与を貰うことができる。配属先は、大企業で営業をしていた知識が欲しいということで経営企画部という社長直轄の部署になった。何から何まで驚くべき好待遇だった。内定の報告をすると妻は飛び上がって喜んでくれた。娘まで「パパおめでとう」とほっぺにチュッとしてくれた。昨夜の妻のことを考えると胸にわだかまりがないわけではないが、内定は非常に嬉しかった。仕事に慣れてきたら旅行にでも行こう!などと盛りあがりながら家族でテーブルを囲んだ。楽しい晩餐が終わると直ぐに、妻は「仕事、今日で辞めてくる」と言って最後の仕事に出て行った。妻の帰りを起きて待っているつもりだったが、いつの間にか眠ってしまった。目が覚めて時計を見ると、2時を回っていた。普段だったら、とっくに帰っている時間だった。ふいに腋を全開にさせた無防備な妻が頭に浮んだ。とても不安になった。俺は深夜で非常識だとは思ったが田近に電話することにした。何コールも鳴らして諦めけたころ、やっと田近は電話に出た。「何、おまえまだ起きてたの?」田近は、こんな時間まで起きていたようだった。「ごめん、こんな夜遅くに」「別にいいよ、びんびんに起きてたからw」「菜緒がまだ帰ってきてなくて・・・」「そりゃ、そうだろなw」「え?」「あ、いや、店に出てるんだから当然だろって意味だよ。」なんだか、しっくりこない言い方だった。「いつもは、とっくに帰ってきてる時間なんだよ」「そっか。じゃあ、そろそろ帰ってくるんじゃないか。」田近とはそんなやり取りをして電話を切った。それから30分もすると妻は無事に帰ってきた。特別おかしい様子もなく、俺は、その日の朝が初出社だったためすぐに寝た。初出社は緊張した。特に高橋社長と顔を合せるのは気まずかったが、妻はもう2度と夜の仕事に行くことはないのだから、あの晩のことは割り切って、仕事を一生懸命頑張ろうと考えた。一通り挨拶を済ませると、同じ部署の小夜子さんというパートのおばちゃんから、いきなり外線電話に出るよう言われた。どうやら、このパートのおばちゃんが俺の指導係的な役割になるようだ。会社の顔とも言える外線電話に、何も分からない自分が出ても良いものかと戸惑ったが言われた通りにした。電話に出る度に、おばちゃんから、細かい指摘をされるのがウザかった。あっと言う間に12時になり、皆さん昼食はどうするのかな?とキョロキョロしていると見覚えのある顔に声を掛けられた。”例の晩”妻の席に高橋と一緒にいた二人の男のうちの一人、柳だった。柳が妻の肩を抱いていた場面を思い出し、複雑な気持ちになった。しかし、あの晩のことは既に割り切ると決めていたし、初日から昼食を一人で取るのも侘しかったため、柳の誘いに乗って昼食を共にした。昼食は柳の他に2人の男と一緒に取った。俺のことを気にしてくれたのか、俺でも会話に参加しやすい話題ではあったが・・・。「小夜子さん、40近いけど、いい身体してるでしょ?」「そうそう。あのロケット揉みまくりたいね〜」「ムチムチした脚もたまんねえ。」席について第一声がこれだった。他の皆さんも非常に食いつきが良かった。この会社の民度の低さに少し呆れながら昼食を取った。特別トラブルもなく、久しぶりの仕事は無事に終わった。途中、コピーを取ってる時に後ろへ下がったら、すぐ後ろで俺の様子を見ていた小夜子さんのおっぱいに肘が当たるアクシデントがあったが、それは詳しく書き留めることもないだろう。その後も、俺は雑用をしながら会社の業務を覚えていった。途中、小夜子さんに誘われ飲みに行って、ひたすら愚痴られるなんてイベントもあったが、なんだかんだで入社して1か月程が経った。この頃になると、無職になって疎遠にしていた友人とも連絡を取りたくなってくる。久しぶりに友人と飲んだのだが、この時、とても嫌な話を耳にした。「あくまで噂だからな。聞いてしまった限りは、お前に黙ってるわけにもいかんので、言うけど、あまり気にするなよ。」そう前置きを言ってから、そいつは話し始めた。「藤田が菜緒ちゃんと寝たって言ってるらしい。」「え?」「あいつ、昔から菜緒ちゃんにゾッコンだったろ?まあ、あいつだけじゃないけどな。で、長年の念願かなって、菜緒ちゃんと、やりまくったって、あちこちで自慢してるらしい。」「・・・」「で、続きはまだある。気を悪くするなよ。俺の所にも話が回って来た。 菜緒ちゃんとやりたいなら、田近に連絡すれば、やらせて貰えるみたいな・・ 田近も相当、菜緒ちゃんに惚れていたよな・・・」あの晩の悪夢が蘇った。俺はバンザイしている菜緒を追い払おうと必死になりながら質問した。「それって、最後までなのか?、いや、胸を触らせるとか、腋を・・とか、までじゃなくて?」「真実かどうかは知らんが、真昼間から打ちまくったって話だから、最後までじゃないかな・・・」俺は胸が締め付けられるような苦しみを覚えながら、菜緒に確認しようと急いで帰宅した。家に帰ると、菜緒は居た。普通に居た。「あれ?早かったわね。夕ご飯、余ってるから食べる?」などと聞いてくる。俺は、妻を目の前にして、どうしても言い出すことができなかった。結局、妻に確認もせずに、悶々としたまま夜が明けた。翌日、ちょうど小夜子さんが午後休だった。まだ新人の俺は普段、席を離れることなどなかったが小夜子さんが居ない時間を利用しない手はないと、考え、携帯片手に外に出た。家に電話を掛けた。妻が家にいる時間帯だった。出てくれ、頼む!と願ったが出てはくれなかった。続いて、妻の携帯に掛けようとしたが、思い直して、田近の携帯に電話した。仕事真っ最中の時間帯だが、構うことはないと思った。何コールも鳴らして、やっと田近は電話に出た。「何だよ、どうした?」少し慌てている様子だった。「菜緒のこと聞いたよ。どういうことだ?」俺は、かまを掛けてみようとしたのだが・・。少しの沈黙が流れた後、田近は不敵に笑った。「ん?なんのことだ? ああ、もういいや面倒くせ。菜緒ちゃんには内緒にしろよ。」そう言ったきり耳元が無音になった。田近は何か操作をしているようだった。しばらくして音が聞こえた。それは「あん、あん、あん、あぁん」リズミカルな喘ぎ声だった。「あん、ああぁぁん、ああ、あん、あん」突然地面がゆがんで、倒れそうになった。間違うことのない妻の声だった。「どういうことだよ!、おい!、どうゆうことだ!」「どうゆうことって、そういうことだろw」「おまえ!」「今まで、いろんな女を抱いたけど、やっぱ思い入れた女は別格だな。 あの菜緒に自分から股広げさせた時は、人生で一番興奮したよ。 大っきな目を潤ませて、佳一さん入れてっ俺の目を見ながら言わせたよ。 何処に?って聞いたら、広げた脚を」「うるさい!黙れ!今、何処にいる?会社か?」「お前とずっと一緒だった割には、あまり使い込んでないのなw けつの穴なんか、オチョボ口みたいで、藤田が「か、可憐だ」って感動してたぞw」「いいから場所を教えろ!」「か細い菜緒が、あのデブに抱かれてると、まるで肉に埋もれてるみたいでさぁ」「田近あああぁぁ!」「場所えてやるから、興奮するなよ。通称:ヤリ部屋な 高級家具揃えてあるから、物に当たるなよ。自分の甲斐性の無さに当たれ。 オートロックじゃないから、そのまま入れるぞ。」俺は電話を切ると直ぐに駆け出した。部屋はすぐに分かった。玄関のドアは施錠していなかった。部屋に入って、目に飛び込んできたものは・・・猫だった。テーブルの上で猫がのびをしていた。涙で視界が霞んだ。俺の妻は、菜緒は、素っ裸で猫の様に尻を突き出して伸びをしていた。その尻の前で、男が二人、顔をひしめき合って覗きこんでた。「すげえ、あの奈緒が本当に丸出しになったよ」一人が臀丘を割り開いて、その下の方にある肉の合わせ目を撫でていた。二人とも、よく知ってる男だった。「何やってんだよ!お前ら!」「○○!!」「え?○○、なんで?」男達の慌てふためく声に反応して、菜緒がゆっくりと振り向いた。焦点の合わない虚ろな眼差しが、俺を捕える。「あ、あなた!!」菜緒は飛び上がるように起き上がって、裸の身体を両手で隠した。妻は裸身を必死に隠そうと体を縮めてブルブル震えていた。それを見て俺は段々心が冷めていったあかの他人である男達の前では、大股開いて何もかもを見せていたのに夫である俺の前では、そんなに必死に隠すのか。そんなことを考えていると、いつのまにか完全に冷静になっていた。「これは、どういうこと?」既に声は幾分穏やかなものになっていた。妻はぶるっと身を震わせただけだったが、男達は互いに顔を見合わせてから口を歪めた「冷静に聞けよ。田近から5万で菜緒ちゃんを抱けるって聞いて」「そ、そうだよ。5万は高過ぎると思ったけど、あの菜緒ちゃんが何でもしてくれるって聞いたから」俺はテーブルの隅に置いてあった一万円札をくしゃくしゃにして床に投げつけた「ま、まだ、何もしてないんだ、本当だよ、なあ木島」「そ、そうなんだ、やる前に、じっくり菜緒ちゃんを隅々まで鑑賞してからって・・」私が睨みつけると、二人は尻りつぼみになっていき、口をモゴモゴさせるだけになっていった。「菜緒!どうゆうことだよ?」菜緒は泣きながら震えていた。なかなか言葉を発しようとしない菜緒を俺は根気よく待った。いつの間にか木島達が消え、さらに暫く時間が経って、ようやく菜緒は重たい口を開いた。俺が内定を貰い、菜緒が最後にすると言って夜の仕事に出かけた晩あの晩、菜緒は田近と高橋に好きなように抱かれていたのだ。「どうしても断れなかったのよ。あなたが高橋の会社でお世話になることになったし。 それに、店で、夜の仕事で、私、、高橋や田近に、、ううん、もっと他の人にも 私、身体を触られて・・・店のルールで、どうしようもなくて・・ そのこと、どうしても、あなたに知られたくなかった。」そんなこと知ってたよ!と喉元まで出かかったが、俺は黙っていた。「1度だけって言われたのよ。あの晩、最後の仕事の日、一晩だけ好きにさせれば、 店での仕事のことも黙ってるし、 あなたの仕事のことを高橋にお願いしたことも黙っててくれるって。 全て無かったことにして、何もかも忘れて、また家族で楽しくやり直せると思ったのよ」「じゃあ、なんでこんなことしてんだよ!!」思わず大きな声が出た。「そ、それは・・・ごめんなさい・・本当に・・ごめんなさい、私、馬鹿だった・・死にたいくらい馬鹿だったの」俺は泣きじゃくる妻を待った。妻が話してくれるのを、ひたすら待った「最初の店で騙されたの・・」と、囁くように妻は話始めた。ネットで探した最初の店で妻は、衣装だなんだと理由を付けられて50万の借金をしてしまったその挙句、顧客に逃げられて、その客の売掛金まで肩代わりする羽目になってしまった「そのお客さん、新人で何も分からない私を凄く可愛がってくれて・・・ 店の先輩も太い客だから大事にするようにって・・だから、私、信じてしまったの。馬鹿だった・・本当に馬鹿だった」「そんな大切なこと、なんで俺に黙ってたんだ!その時、相談してくれてたら・・・」「ごめんなさい・・貯金全部なくなって、カードでローンまでしているの・・ そんな状態で、店に借金してるなんて・・・どうしても言えなかった・・どうしても言えなかったのよ」「だからって、なんで田近なんかに・・」「怖かったのよ。前の店の怖い人達にお金を返せって言われて、どうしょうもなくて。 最初は、ただ働く店を紹介してもらいたかったの。それだけだったのよ。 でも、田近が前の店と話を付けてくれて、借金も肩代わりして・・・」『そんなの、お前を落すために決まってるだろ!金だって 100万とかそんなもんだろ? そんな僅かな金のために、お前は昔の仲間達の慰み者になったのか!』そう叫びたかったが・・できなかった。俺は、「ごめんなさい・・本当にごめんなさい・・馬鹿だった、私が馬鹿だったの」と泣き崩れる妻の剥き出しの肩をただ眺めるしかできなかった。俺は菜緒を家まで送り届けてから、田近の会社へ向かった既に受付は閉まっていたので、守衛さんに田近に会いに来たと言うと意外にも、すぐに会社の人間が降りてきて、応接室に通された部屋に入って5分もしないうちに、携帯が鳴った田近からだった「うちの会社に来てるんだって?俺、今、おまえの会社に居るよ。 高橋社長が心配しているぞ、勤務中に黙って居なくなったんだってな 紹介した俺の顔に泥を塗るなよw」しれっとそんなことを言いやがる正論なだけに、激しくむかついた。「田近あぁぁ、てめー、今すぐ、こっちに来い!殺してやる」「おいおい、ヤクザみたいだなw」「どっちがだ!」「まあいいや、俺だけじゃなくて 高橋社長にも言いたいことがあるんじゃないか? お前がこっちへ来いよ。てか、自分の会社だろw、 もうとっくに勤務時間終わってるけど、自社に戻るのが筋だろ まあ、待ってるから、ゆっくり来いや」俺は「分かった」と一言だけ告げて電話を切った。会社の前まで来て、そっとビルを見上げた自社ビルだという7階建ての汚らしいビルだったこの会社で俺は一生を捧げるつもりだった怒りと悲しみで壊れそうになるのを必死に抑えて、俺は社員通用口から中に入った社内は静まり返り暗くなっていた。21時。遅い時間ではあるが、まだ全員が帰るような時間でもないはずだった。俺はエレベータを使わずに階段を上がっていった。経営企画部があるのは6階だったが、なんとなくエレベータを使うのは躊躇われた。6階まで来ると、同じフロアにある社長室の明かりが付いているのが見えた。社長室はガラス張りだったがブラインドが降ろされていたので、中までは見えなかった。俺はノックをしてから中に入っていった。社長室では田近と高橋が二人して俺を待っていた。俺は部屋に入ると挨拶もせずに、高橋社長に質問した「妻から全て聞きました。どうゆうことですか?」「それは何に対しての質問かな? 仕事のできない人間にありがちな、5W1Hが明確でない質問だ。 何が聞きたい? 君が無能だから奥さんの力を使わないと仕事も見つけられないってことかな?」「高橋社長~、ちょいと訂正、”奥さんの力”じゃなくて、”奥さんの身体ね” か・ら・だw 高橋さんも美味しい美味しい言いながら舐めまくってたじゃん あの素敵なボディw、素晴らしかったよw」「てめー、田近!!」俺は気づいた時には田近に掴みかかっていた。田近を何発か殴ることはできたしかし、俺はすぐにガードマンに取り押さえられてしまった。高橋がガードマンに軽く頷くような合図をしたすると二人のガードマンが素早く動き出した。俺は、あっという間に身動き取れない様にガムテープで拘束されてしまった。「うるさいから口も塞いでおいてよ!」田近だった。その言葉に合わせるように、柳が部屋に入ってきて、俺の口をタオルで塞いだ。「さてと、殴られてしまいましたね、田近社長、どうします?」「そうですね。ちょっと待っててくださいね」そう言うと田近は携帯電話を取り出した。『田近、てめー、今すぐ、こっちに来い!殺してやる』俺の声が再生された。「あ、間違ったw あ、でも、これ証拠になるね、これって重要犯罪だよね」田近は、そう言いながら電話を掛け始めた。「あ、待ってよ、切らないで!、ってか切らない方が良いと思うよ。 そんなに喚かないでよ、あいつにバレちゃったみたいだね。 俺のせいじゃないって、俺は約束を守ったよ。そっちのせいじゃないの? ああ。。いや、でも、借金まだ残ってるよ。 そんな態度だと、 菜緒ちゃんの実家とか、旦那の実家にまで取り立てに行かないとならないけどw お!やっと、話ができる態度になったね~ じゃ、提案だけど、残金と利息と口止め料なんだかんだ全て、今日一日で清算でいいよ。 本当に本当にこれが最後だから、今晩、一晩言うことを聞けば、全部チャラ、どう?」こいつら、また菜緒を玩具にしようというのか!「うう・・うう・・」俺は身を捩って必死に暴れた、しかし、どうにも動けなかったそんな俺を見て田近が愉快そうに笑った。「菜緒ちゃんさあ、どうする? 今日が終われば、借金はチャラ。 俺たちは最初の約束、ちゃんと守って口にチャックするよ。 だけどさあ、菜緒ちゃんが約束破って、借金返さないって言うなら、俺たちも約束守る義理はないなあ あいつにバレちゃったけどさ、ご近所や幼稚園の奥さん達は菜緒ちゃんのこと知らないんじゃない?」田近は手でOKサインをしてから、俺の方を見てニヤ~とした「じゃあさ、場所だけど高橋社長の会社に来てよ。 そうだよ。何、やり部屋の方がいいって?w おい!100万近い金、一晩でチャラにするって言ってんだ! ゴチャゴチャ言ってんじゃねえよ! 嫌なら来るな!その代わり分かってるだろうな? おっと、ごめんね、菜緒ちゃん、怒鳴ったりして。 分かって貰えれば良いんだよ。 愛する旦那と娘のため、もう一踏ん張りしようや!、じゃあ待ってるから」ちきしょーちきしょー、こいつら、ここで菜緒を・・・「あ、そうだ、菜緒ちゃん!、シャワー浴びて、身体綺麗に磨いてきなね。 今日はゲスト多いと思うからw じゃあねえ」「本当に最後なのか、残念だな。あんな良い女」「たしかに、あのツンっとした表情が堪らないんですよね」「俺は昔から、ああいう高飛車系の美女に目がないんだよ」「社長のど真ん中、完全なストライクゾーンですもんね」「こらこら、俺なんか学生の頃から思い続けて3千年ってw」「まったく、羨ましい奴だ」柳が俺の頭を小突いた「じゃあ、ちゃっちゃと電話しちゃうかなw 同窓会の幹事の気分だw」俺はこのピンチをどうやって逃れるか必死に考えた。しかし、空しく時間はどんどん過ぎていった。「さてと、まずは、ここから始めるか」そう言うと、柳と田近は俺を社長の机の上に座らせた「こっちは準備OKだぞ」高橋の声だった高橋がブラインドを操作したのか、前方に広がる管理部や総務の机の島が丸見えになった。「で、この電気消しておけば、向こうからは全く見えないから」「ちょうどあの辺りかな」柳が指さす場所は目の前の管理部だった。「あの辺りで、お前の奥さんの花が開くから」「満開w」「特等席だなw」こ、こいつら・・「うう・・うう・・」どんなに暴れても身動き一つ出来ないほど、俺の体はガムテープで固定されていた。「暴れても無理無理w」「我々はそろそろ、あっちらへ行きましょう」「そうだな」「おっと、忘れるところだった」社長室の電気が消された。周りが真っ暗闇になったため、正面の管理部の島がやけに明るく感じられた既に2人の男が来ていた。どちらも知ってる奴だった。ゼミで菜緒と俺と一緒に机を並べていたこともある奴らだった。田近に案内されて、また一人の男が入ってきた。『な!ど、どうして!』本間だった、先日二人で飲んだ時、菜緒のことを教えてくれた、あの本間だった。親友だと思っていたのに・・田近が半笑いで社長室に戻って来た「忘れてたよ。これじゃ面白くないよな。ここちゃんと開けといてやるからw」社長室の扉を全開にして田近は出て行った。皆の話し声が、聞きたくもない会話が自然と耳に入ってきた「予約入れてたのに、今日で終わりって酷いな。楽しみにしてたのに」本間の声だった。俺は耳を塞ぎたかった。しかし、それさえ叶わなかった。柳達によって、管理部の机の上が綺麗に片付けられていった。「悪いけど、こっち持ってもらえるかな?」「何、これ毛布?」「菜緒ちゃんの綺麗な背中に傷が付いたら大変だからね」「え?そうなの?」「素晴らしく綺麗な背中だよ~、まっちろスベスベ、絹のような肌触り舐めると甘~いw」「いや、そうじゃなくて、ここに敷くの?」田近がこちらを向いた「そうだよ。ここで菜緒ちゃんが、おっぴろげるからね」「え?まじで?まさか自分で開かせるの?」「まじか、あの菜緒がここでか・・・うわっ俺、想像しただけで勃ってきた」「おっと、噂をすれば、だw」田近の携帯が鳴った。「遅かったね。迎えに行くよ」「姫様のご到着~!」田近が叫んだ「うおおお!「キターーーー!」菜緒が来たのか、本当に来たのか、俺は胸が張り裂けそうになった。「ああそうだ。全く打ち合わせてなかったけど、 どうする?服着たままの方がいい奴いる?」「どういう意味だ?」「あそこの高橋社長とかは、色々と趣味がウルサイからね。」「任せますよ!夜は長い!」高橋の太い声だった。「じゃあ、見たことない奴も複数居るし・・・ とりあえず、マッパでいっか」「意義なーし」「意義なし!」「まじかよ。もうすぐあの菜緒が全部晒すのか」「じゃあ、迎えに行って来る! では、皆の衆! お澄まし菜緒ちゃんの裸体、隅から隅までじっくりと堪能してやろうぜぃ!」男達の期待に満ちた喧騒の中で、エレベータが開く微かな音を俺は聞き逃さなかった。無意識に入り口の方へ視線を向けた。この瞬間の絶望を俺は一生忘れることができないだろう。堂々と歩いてくる田近のすぐ後に、うつむく妻の横顔があった。菜緒の登場で、場内が沸くかと思ったが、逆に静まり返ってしまった。今まで騒いでいた男達は、黙ったまま無遠慮に菜緒を凝視していた。この女をこれから抱けるのか・・まるで舌舐めずりする音が聞こえてくるようだった。菜緒はベージュのスーツを着ていた。娘の入園式のために私と一緒に選んだものだ。「なるべく上品で清楚に見えるものが欲しいなぁ」そう言った妻の笑顔が頭をよぎった。あの時は、こんなことになるなんて想像もできなかった。スカートからのぞく細い足を俺は恨めしく眺めた。そのスーツは、男達の目を喜ばせるために選んだんじゃない!そう叫びたかった「菜緒ちゃん、超久しぶり!」「ほんと、噂どうり全然変わってないね」「相変わらず美人だよなぁ」皆がいくら言葉を掛けても、菜緒は黙って俯いたままだった。挨拶や褒め言葉も、皆が何の目的で、ここに居るのか知っている菜緒にとって白々しいものでしかなかった。「お姫様ご機嫌斜めだな。」耳元で囁くのは田近だった菜緒に気を取られているうちに田近が社長室の中に、こんなにも傍に来ていた。「こっちに連れてきて少し立場を分かって貰うか。あのお嬢様、今更、なに気取ってんだよなw」「ううう・・うう」田近に文句を言おうとしても、言葉すら発すことはできない。「だから無理だってw いい加減学習せいや」「それにしても、あのスーツかわいいじゃん 細身の菜緒に良く似合ってるな。 誰が見たって清楚な若奥様だ。脱がせるのが惜しくなってくるぜw」そう言い残して田近は部屋を出て行った。俺は心に重たい鉛を落とされたような気がした。「ちょっとごめんね。作戦会議だから」田近はそう言って、男達を押しのけながら菜緒を社長室の横まで連れてきた。そこは、ちょうど男達の居る場所からは死角となる。だが、俺の居る場所からは少し首を捻るだけで、菜緒の表情までが良く見えた。「もっと愛想良くしろよ。そんな態度じゃ借金チャラにはできないな。 なんなら全部話して、旦那の実家から取り立てようか?w」『菜緒!』怖い表情だった。切れ長の眼が鋭く田近を睨みつけていた。しかし、それでも田近はへらへらしたままだった。「おっかない顔も悪くないなw そうだ!スカート捲り上げろよ。今すぐねw やらなきゃ取引は無しだ。どうなるか分かるよな?」「ひっ卑怯よ!」「強制はしてないぜ」「あの人の親友の本間君まで呼んで・・本当に最低な人!人間のクズよ!」「おいおいw、じゃあ、本当に卑怯なくずになってやるよw いいか、よく聞け!今日、1回でも俺らの命令に逆らったら、お前の写真近所中にばら撒いてやるよ 娘さんも可哀想なことになるな、母親が売女じゃ、虐め地獄確定だw」「な、なんて恐ろしいことを・・・」それは俺が見たことないような悲痛の表情だった。『菜緒!菜緒!』こんなに近くに居るのに、どんなに叫んでも声は届かなかった。「高飛車で通用するのは二十歳までだ。今更、気取ってどうすんだよ。 これも仕事だと割り切れよ。てか、一晩で100万近い金がチャラになるんだぜ、 たっぷりサービスするのが筋だろ。 これが最後通告だ!よく考えて選べよ! 親類や娘に軽蔑されて生きるか、こっちは一生だな、それとも一晩だけ我慢するか」「ほ、本当に今日で最後にして、本当に、お願いだから・・・」「だから、何度も最後だって、言ってんだろ。」そう言って田近がアゴをしゃくった俺はとっさに眼を瞑った。「ほう、いいじゃんいいじゃん。」「お!白かw 男を喜ばせるツボを心得てるな」「もっと尻まで捲って、脚を開きな」「それにしても、相変わらず、いい脚してんな。」声に釣られるように恐る恐る眼を開けてみた。菜緒が目を瞑っていた。ギュッと音が聞こえるくらい堅く目を瞑っていたその手には俺と選んだあのスカートの裾が胸の前でしっかりと握られていた(涙)そして、菜緒の苦痛の表情などお構いなしに、田近は忙しなく手を動かしていた。『田近あああぁ!』気がおかしくなりそうだった。田近の手は菜緒の脚、太腿をまさぐり、そして股間を撫でてから、両手を使って、菜緒の下半身を自由に這いまわっていた。「この程度で、そんな恥ずかしがってどうするよ。いつになっても慣れないなあ。 まあ、そのウブさが良いって奴も多いか。 ほら!顔上げな!」「しっかし、何度抱いても、このラインは堪らんな」菜緒の太も~お腹の丸みまでを撫でながら田近がくぐもった声を漏らした。「興奮してきちまったよ。ゲストより先に頂くのは、やっぱ、まずいよなw」「我慢できなくなりそうだから、そろそろ戻るか」そう言いながら、田近は妻の手を引いて、男達が首を長くして待つ中央まで連れて行った。「ほら、菜緒ちゃん、皆さんにちゃんと挨拶しな」田近に背中を押され、菜緒が一歩前に出た。場は静寂になった。------------------------------------------『え?!』俺は思わず心の中で唸った。今まで俯いてばかりいた菜緒が、皆の前へ一歩出ると、しっかりと顔を上げた。毅然とした表情でじっと正面を見据えている。美しいと思った。俺はこんな最悪な状況だというのに、素直に妻を美しいと思った。「菜緒です!よろしくお願いします!」よく通る声が静かな室内に響き渡った。背筋をピンと伸ばし凛とした美貌を引き締めながら、ゆっくり男達を見回す。友人の妻を嬲り者にしようという卑怯な者達を見下すように厳しい視線を送る。目が合った男達は萎縮し、ある者は慌てて視線を外し、またある者は顔を赤らめて俯いた。一番前に居た男などは、緊張したのか噴き出た汗を必死に拭っていた。菜緒の堂々たる態度を前にして、言葉を発する者は誰一人居なかった。『このまま終われ、頼む、終わってくれ!』そう願った。しかし、それは空しい願いだった。静寂を破ったのは、やはり田近だった。「さすが!クールビューティー菜緒!今日も健在だねぇw」田近は一番前の男を指差した。「そこ!何、動揺しまくってんだよw」「い、いや、やっぱ菜緒ちゃんに睨まれると、ダメージ大きいな」「たしかに、美女の視線ってのは、それだけで凶器だよなぁ」「ふうん、じゃあ失格だな。ゲストをビビらせちゃ駄目だわ。 はい、やり直し! もう一度、挨拶しな!」顔に疑問符を浮かべながら菜緒が背筋を伸ばした。「菜緒です、よろ・」「駄目、駄目、ぜんぜん駄目!」挨拶を途中で遮られ、菜緒は抗議をこめた視線を田近の方へ向けた。しかし、田近はそんな視線など全く気にも留めずに、ニヤっと笑った。「脱ぎな」 短い命令だった。菜緒は一瞬、「えっ」という戸惑う顔を見せた後で、諦めたように頷いた。細い指先がゆっくりとした動作で上着のボタンに掛かかった。この瞬間、それまでの静寂が嘘のように、室内が一気に沸き上がった。----------------------菜緒との交際が発覚した時も、そして結婚した時も仲間達の嫉妬と羨望は凄まじいものだった。あの頃は、そんな嫉妬や羨望がむしろ嬉しく心地良いものだった。だから、俺は気位の高い恋人を美しい妻をよく仲間達に見せびらかせていた。よりによって、そんな仲間達の前で、妻は自ら素肌を晒そうとしていた。その行為が"嫌々"であることは、ボタンを外す震える指先や強張った表情から誰の目にも明らかだった。それでも、妻は自ら一枚一枚衣服を脱ぐしかなかった。菜緒の指によってジャケットのボタンが全て外されると、男達の盛り上がりは更に加熱した。「菜緒ちゃ~ん今日は何でスーツなの~?」「似合ってるから許す!」「就活を思い出すなぁ。菜緒ちゃんのリクスー眩しかったなぁ」「お前、絶対オカズにしただろ」「俺は散々抜いた(笑)」「お前もか!」「俺もw、いつもクールな菜緒が俺の頭の中ではリクスー姿で、あっは~ん全開w」「うほ!それ、グッと来るな」心が死ぬというのは、どういうことなのだろうか?俺は今すぐ自分の心を殺してしまいたかった。菜緒は下卑た野次を澄ました顔で受け流して、ジャケットを脱ぎ去った。下はノースリーブだった。剥き出しの肩に蛍光灯の光が反射して輝いていた。男達は露出した白い肌を食い入るように見つめていた。次は何を脱ぐのか、期待を一身に集めて、菜緒はスカートのチャックに手を掛けた。「ちょっと待ちなよ」高橋だった。「は、はい!」それまで大人しかった高橋が急に発言したことに菜緒は驚いたのか、反射的に返事をしたようだった。学生時代の仲間達には強気に出れる菜緒も、高橋は別格なようだ。「ただ脱ぐだけじゃ芸がないだろ、柳が苦労して舞台を整えたんだぞ、”そこで”やれよ」高橋が指差す場所は、管理部の島だった。机の上のものは綺麗に片づけられ、毛布が敷かれていた。「ガキじゃあるまいし、少しは皆を楽しませる工夫をしなさい!」男達は、ほぼ全員、高橋の方を振り向いた。皆、このオヤジ何者?という顔だった。「そこへ上がったら、速攻で上を脱ぎな! で、こんな感じに、あっは~んってポーズを決めな、腋をじっくり見てやっから」言いながら、高橋は片手を頭の後へ持っていき、もう片方を腰にあてて、体をくねらせた。「うお!」男達は、これから菜緒がするポーズを想像して瞳を輝かせた。これによって男達が高橋を見る目は、胡散臭いオヤジから、頼もしいオヤジへと一気に変貌した。あの菜緒が机の上で見世物にされるのか・・・無残な痴態を演じさせられる菜緒を思うと、目の前が真っ暗になった。男達の荒い息遣いの中、菜緒はふらつく足取りで椅子を踏み台にして机の上に登った。「おおぉぉ」何人かの男が身を屈め、菜緒を下から見上げて歓声を上げた。「いい脚してんな、おい」「下から見ると格別だな~」歓声に釣られるように、他の男も身をかがめて感想を漏らした。「おおおおおぉぉぉぉぉぉっ!」一際大きな歓声が上がった。涙で霞む視界の奥に、あっはーんのポーズを決めた菜緒が居た。顔を赤らめながら高橋の指示で身体をくねらせてた。腰にあてていた手も頭の後ろへ持って行き、無防備な腋を晒しながら、左右に身体を揺らしていた。上半身を覆っているものは、白のブラジャーだけだった。「す・・すげぇ、マジで、すげえよ」「お、おい、まだ下着だぞ!」「わかってるよ!でも、あれ、菜緒ちゃんだぞ!」「確かに!あのプライドの高い菜緒が、あんなに、おっぱい揺らしちゃって」「すっげえ恥ずかしそうな顔w、屈辱なんだろうなw」「あの顔!超興奮する、やっぱAV女優とは品格が違うな」「あったり前だろ!いくら払ってると思ってんだ!」「身体もかなりイイじゃ、あのクビレが堪らんよ」「だよな!巨乳じゃあ無いけどなw」「乳首もけっこう可愛いんだけどなぁ」何気ない一言に、男達は一斉に高橋を見た。「まだ序盤だぞ、君たち興奮しすぎだ!」「いえ、俺らには、下着でも、けっこう来るものがあるんすよ」「そういやあ。菜緒は、サークルで海行っても絶対に水着にならなかったよな」田近の発言に皆大きく頷いた。そんな男達をゆっくり見回して、田近は短く命じた。「ブラを取りな」「うおおお!」「待ってましたー」「いよいよ菜緒ちゃんのオッパイが拝めるのか」「ブラジャー外したら、ポーズ決めて、あっはーんって大声で言いな」高橋の一言で室内は沸き返った。「ま、まじかよ!w」「是非あっはーんを流行語に!」「それ最高!」酷い話だった、菜緒の気位の高さを聞いて、高橋はそのブライドをズタズタにして辱めようというのだ。羞恥と悔しさで身を震わせる菜緒を見て苦しくなった。「おいおい、どうした。こんなレベルで恥ずかしがってどうするよ! お前は今晩、素っ裸で奴隷になるんだろw」あまりに酷い言い方に、菜緒は田近をキッと睨んだ。 涙がこぼれそうな切れ長の瞳に見据えられて田近は一瞬ひるんだのか、顔から薄ら笑いが消えた。 「月並みな言い方だけどさ、怒った顔も美しいな。 怒った顔が美しい女って、そう滅多に居ないぞ、やっぱ、菜緒は本物の美女だよ。」田近は真顔でそう言ってから、また薄ら笑いを浮かべた。「俺を睨みつける、その凛とした顔、いいねぇ。 なあ、みんな! こんな顔して、この後、股を広げてケツの穴まで見せるんだから、堪らんよなあw」「まあ、その前に、余興の乳振りダンスだw 気持ちを込めて言えよ、あっは~んw」室内はドッと湧いた「どうした?早く脱げや! 気持ちが込もってなかったら、ペナルティだ。どうなるか分かるよな?」まだ何か言おうとする田近を遮るように「分かったわ・・分かったから・・」そう囁いて、菜緒は背中に両手を回した。ブラのホックは、菜緒自らの手によってあっさりと外され、抵抗のなくなったブラは、引力によってずり下がり、乳房の丸みが露になった。「すげえ・・」一人が思わず一言漏らしただけで、男達は目を皿のようにして、その瞬間を見逃すまいと前のめりになった。「うう・・うう・・」俺が愛したあの乳房が、今にも仲間たちの前に開陳されようとしていた。死ぬほど暴れた。しかし、空しくも、菜緒は、身体から引き剥がすようにして、ブラジャーを完全に取り去った・・・そして、ギュッと握り締められていたブラジャーが、ぽとっと音を立てて床に落ちた。「あっはぁ~ん」この瞬間、男達は狂喜した。-------------------------------------------学生時代、クールでいつも颯爽としていた、あの菜緒が乳房を晒して屈辱の言葉を発したのだ。男達が喜ぶのも無理はなかった。俺は悔しくて悔しくて気死しそうだった。菜緒が取らされているポージングも屈辱の言葉も夫である俺の前であっても、絶対に有り得ないことだった。SEXの時、明かりを点けることさえ好まない妻だった。「いいぞー、菜緒ちゃん!」 「めっちゃめちゃ美味しそうなオッパイ!」 「あの菜緒ちゃんが、ぶらんぶらんだぜ、おい!これは夢か!」「菜緒の乳輪がエロいから、現実だ!」 「どんな理屈だよw」男達が喜び狂う中、突然、田近が机に上がり菜緒の横に立った。身体を揺するのを止める菜緒、田近を見上げる男達。皆の視線を全く気にせずに田近は菜緒の耳元に口を近づけて何か囁く菜緒は黙って頷いた。「何々?」「どういうこと?」突然の成り行きに呆然とする男達の前で田近は、俯く菜緒の顔を上げさせてから、ゆっくりと叫んだ。「この菜緒ちゃん10分間好きにする権利、いくらだす? 先着1名!」「え?」「ど、どういうこと?」「文字どおりの意味だよ。全部剥くのは後の楽しみにするから、 とりあえず、脱がさなければ、何してもいいよ」「まじかよ!」「でも、まだ金取るのかよ!」「さすがに、これ以上は・・」「ふざけんな!風俗、何回、行けるよ!」田近は真顔になって声を張り上げた。「確かに! 風俗行けば、もっと若くて良い女がいるかもなぁ。 だが、この菜緒はここにしか居ないぜ!、青春を共にした我らのアイドル! この中にも振られた奴が居るんじゃないのか? まあ俺もそうだがw そして、今は、○○の妻だ!本来なら、この乳首吸えるのは○○だけなんだぜ!」言いながら、田近は菜緒のスカートを捲った。「嫌っ!」堪らず横を向いた菜緒に、真っ直ぐ前を向くよう指示が飛ぶ。スカートは、パンツが見えるか見えないかという微妙な位置まで、捲り上げられ太ももが完全に剥き出しになった。「1000円!」「馬鹿か!俺は5000円だ!」「6000!」「俺は1万!」「もう無いか!もう無いかな!」田近は周囲を見回してから菜緒の首筋に鼻を寄せた。「クンクン。シャンプーの甘い香りが堪らんぜ!」「おい!本当にいいのか! この菜緒ちゃん、シャワー浴びて、身体ピカピカに磨いてきたらしいぞ! 手垢のない綺麗な生乳!このピンと立ったピンクの乳首を見よ!この上品な唇! 吸ったらええがな、揉んだらええがな。 たっぷり10分間! ビール注ぐのも嫌がった、あの気高い菜緒を揉み放題だぞ!」男達の生唾を飲む音がここまで聞こえてくるようだった。ちょうど男が手を挙げようとした所で「菜緒ちゃん緊張してんのかw 背中に汗かいてるw」田近の口上と被った。「腋をあげてみな」田近は、皆の前で両手を頭の後ろで組ませてから、菜緒の腋を指差した「高橋社長!いかがです?」たまらず、菜緒は顔を背けた。「じゃ、じゃあ、2万!、2万出します!」田近も、男達も突然の呼び値に驚いたようだった。だが、すぐに田近は手を打った。「よし!2万円!落札!」落札した男は・・・あの本間だった。若干顔を赤らめた本間が菜緒に向って、いそいそと歩いていった。「いんだよな?」「ああ。もちろんだ。思いっきり楽しんでいいんだぜ」 「あざぁっす!」 横に居る田近に確認すると本間は舌なめずりせんばかりの表情で菜緒を据えた。 菜緒は慌てて本間から目線を外してブルッと震えた。一度は覚悟を決めたとはいえ、やはり嫌らしい。夫の親友だった男に、身体を提供することに対する嫌悪感は拭い去れるものではない。 「い、いいんだよな、菜緒ちゃん!」 沈黙する菜緒に向かって、田近が一回パンと手を叩いた「・・・ええ・・・す、好きにしていいわ・・・」 菜緒が答えた(涙)「菜緒ちゃん、ごめん!」そう叫けぶと同時に本間は菜緒を思い切り抱きしめた。俺は目を閉じた。本間に弄ばれる菜緒を見たくはなかった。男達の囃したてる声が、笑い声が、俺の不安を煽り現実を見ずに頭の中で想像のみを膨らませてしまって良いものか?という疑問が沸々と沸いてきた。「本間の奴、だいぶ溜まってんなw」田近だった。田近が耳元で囁いていた。俺は聞くまいと必死で首を振った。だが目は閉じられても耳を塞ぐ手立てはなかった。「おいおい。今から、そんなでどうするよ? あれが終わったら、次はご開帳だぜw」「自慢の奥さんが、皆の前でマンコ広げて、喘ぐんだよw」俺は怒りで我を忘れて、下種野郎を睨みつけた。田近は全く意に介さずに、ニヤついた顔で、顎をしゃくった。釣られるように、そちらに顔を向けた。そこにはバンザイさせられた菜緒が居た。眉間に皺を寄せながら必死に目を瞑っていた。そして、菜緒の白い裸体に、あの本間がむしゃぶり付いていた(涙)本間はまるで俺の視線に気づいたかのように、突然、舌を這わせていた うなじから顔を上げた。だが、視線は俺の居る社長室ではなく、白く美しい乳房とその先端の乳首へ向かった。「形のいい乳だよな。みんな、鼻息が荒くなってるぞw」田近の下卑た言葉など耳に入らない程の衝撃だった。本間に乳首を吸われ、指で摘まれる度に、バンザイした菜緒が腋を露にしたまま妖艶に身体を揺らした。そして、本間の指先が腋の下に触れた途端、それまで噛み締められていた唇が僅かに開いた。「菜緒ちゃん感じてんじゃね?w」田近と同様の感想を持った男達も囃し立てた。「本間あああ、行けーー!」「本間ちゃん!素敵!」周囲の反応に気を良くした本間は、故意に音を立てるように、菜緒の腋を吸いだした。これには高橋もはしゃぎ出した。「やるじゃないか!腋を味わい尽くしてこそ、その女の味が分かるというものだ!」「おらー! もっと ぴちゃぴちゃ音をたてるんだ!」そして、ついに、腋を舐められ、さすられながら、乳首を指先で転がされた、その瞬間「あっ、んぅ・・」菜緒の唇から声が漏れた。もう見ていられなかった。俺は涙を流しながら、目で必死になって田近に訴えた。『もう止めさせてくれ~頼む』「そんな目をすんなよ。菜緒がここに来た時、運命は決まったんだよ。 いや、俺に店を紹介して欲しいって言ってきた時かな。 昔、こっぴどく振られたんだぜ。そんな俺に頭を下げるなんてな。夢にも思わなかったぜ。 自分を好きだった"格下"の男だから、何でも言う事聞くと舐められたかな? 逆に何でも言う事聞かせて、舐めてやったw だから、そんな目をすんな!w 今更あいつらが止まると思うか? この後、菜緒は自分から素っ裸になって、股を広げるんだ。 俺たちの前で水着すら見せるのを嫌がった、あの菜緒に、何もかもを晒させるんだよ。最高だろ? お前らが馬鹿にしてた男達に、裸身を好きなだけ撫で回され、舐め回されるんだよ。 身体の隅から隅まで、散々な。 で、前の穴も後ろの穴も貫かれた後、今度は、時間をかけて奉仕させる。 ただのフェラチオじゃないぞ。玉やアナルまで舐めさせてやるよ。 菜緒の"気高い"唇で、大便を排泄する器官に吸い付かせるんだ、最高だろw」田近はなおもしゃべっていたが、もはや俺の心は何も受け付けなかった。愛する妻が・・あの菜緒が、かつて仲間だった男達に身体を嬲り尽くされてしまう。それでも、どうすることもできない。俺は自分の目も耳も潰してしまいたかった。
なし
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