牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 02:51
嫁の麻衣とは結婚して二年経ち、最近はそろそろ子供を作ろうと話しをしていた。麻とは、付き合い始める時にものすごく苦労をしたので、最近のラブラブな毎日が本当に夢のように思える。
麻衣と知り合ったのは、大学のサークルでだった。一目見た時から好きになり、とにかく付きまとうというか、いつもそばにいるようにした。でも、全然僕の気持ちは通じず、逆に麻衣が僕に、先輩との恋のことを相談してくる始末だった……。
麻衣は、同じサークルの二つ上の先輩に恋をしていて、友達として僕に相談をかけてくるという、僕にとっては辛い日々だった。 でも相談を聞くという名目で、よく二人でお茶や食事が出来たので、辛い中にも幸せな部分もあった。
でも気弱な僕は、麻衣の相談に真剣に答えてアドバイスをしたり、励ましたり、頑張れと応援したりしていた。そのせいかどうかはわからないが、結局麻衣は無事に先輩と付き合うようになってしまって、僕と過ごす時間もなくなっていった。 ラブラブな二人を見て、サークルを辞めようと思うこともあったが、それでも麻衣子のそばにいたくて、辛い思いをしながら辞めずにいた。
1年半くらいの苦しい日々だったが、先輩が卒業とともにアメリカに行くことになり、結局麻衣は捨てられた。先輩がアメリカに行く理由も、麻衣が捨てられた理由もわからなかったが、僕は正直にチャンスだと思った。
そして、失恋にひどく傷ついて、笑顔がなくなってしまった麻衣に、とにかく明るく優しく付きまとった。
僕が必死になっても、麻衣は落ち込んだままで、一年近くそんな日々が続いた。一年経ち、僕が思いきって告白をしたとき、麻衣は悲しそうに笑って、 『ありがとう……。本当に嬉しけど、ごめんね、どうしても忘れられないよ……』 と、断った。
でも僕は、もう後悔したくないと思っていたので、その後も同じように麻衣に付きまとい、何度も何度も告白をした。
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