牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 02:52
スペック:東京の女子高生。160cmくらい、割と細身で人なつっこい笑顔がとてもかわいかった。
顔はゆうきまおみ?に似てた。 新宿で待ち合わせ。
会う前に電話してたので性格は把握してた。 どちらかというとキャピキャピというよりおっとりした感じ。 ただ電話で「私迫られると弱くて~w」みたいなことを言ってたのが気になった。
「じゃあ俺も襲っちゃうかもよw」 「ええ~w困るよぅ~w」 と事前の会話はこんな感じ。
会った印象は、まだ中学生かと思った。
もともと童顔なんだろうが、まだ幼さが残るその顔で屈託なく ケラケラと笑うその笑顔が、俺は大好きだった。
スカートこそちょっと短かったが、髪も黒く、まだスレてない、 汚れを知らない、ひろみのイメージはそんな感じだった。
黒髪清楚系てやつですね。
カラオケにいく約束だったので代々木のカラオケへ しばらく歌って、肩を抱いてみたら「えへへ♪」の反応 キスをしても拒まない。
胸を触って制服のスカートの下に手を入れると 「今日整理だから…」
なんだ仕方ない…と諦めかけたところ、
「生でも大丈夫だよ♪」
生理でした。
えっ?て思ったけど、ひろみはえへへ♪とあの屈託のない笑顔で こちらを見る。
さすがに病気も怖いし、生理中の生は好きじゃないので、 持ってきたゴムをつける。
前戯はキスだけ、会って30分たらずで、もう挿入してた。
挿入してる間、俺は色んなことを考えた。 ひろみの喘ぎ方は少し「オーバー」だった。 「あんっ…あんっ…」と腰を振るタイミングで大きな声を出す。
だが、前戯もなしに初めからそこまで気持ちいいとは思えない。 だが、悪意のある演技には思えなかった。
きっと男に「そうしろ」と教わったのだろう。 この子が出会い系で人とセクロスするのは、単に寂しいからなのでは 出会い系の男なんてみんな所詮セクロス目的(俺含め)。
この子はそれを承知で、セクロスしたくて仕方ないからじゃなく、 ただ寂しくて、今俺の上で腰を振っているのかも。
喘ぐひろみを見て、そう考えたのを覚えている。
帰り際、ひろみは 「カラオケすごく楽しかった~♪また遊ぼうね♪」 とあの屈託のない笑顔で言った。 この子は別にセクロスしたかったわけじゃなかったんだな…
ただそれでも今日は楽しかったって言えるひろみに、 無責任に少し寂しく感じた。
その日はそこで別れた。
それから三ヶ月ほど経った。 その間 連絡は取っていなかった気がする。 ある日ひろみから連絡が来て渋谷で遊ぶことになった。 「俺君久しぶり~♪」 久しぶりの笑顔は変わっていなかった。
渋谷のカラオケに行く しばらく歌った後、キスをすると、まだひろみは笑顔だった。 だがスカートの中に手を入れると、表情が一変した。 ひろみのそんな表情を見るのは初めてだった。
「ゴメン…今日はエッチできないんだ…」 泣きそうな表情でひろみは言った。
「私…今妊娠してるの…」
一瞬ドキっとしたが、相手は俺じゃなかった。
「こないだ会った人とね、中では出さなかったんだけど ちょっとだけ生でしたら…もうすぐ堕ろすんだけどね」
「だけどお金だけ渡されて連絡とれなくなっちゃって不安で… エッチできないと今まで遊んでくれつた人も会ってくれなく なって…」
「ゴメンねエッチできなくて。」
ひろみは泣いていた。
俺はひろみを抱きしめながらも どうしたらいいかわからなかった。
はっきり言って俺は善人ではない。 出会い系も性欲の為にやってるだけだ。
でもこの子の胸の内を聞いたとき、責任は取れないし、 彼氏にもなる勇気もないが…
でも出来る限りこの子が望むことをしてあげようと思った。
中絶が終わった後も、ひろみとは半年に一回くらいのペースで 定期的に会った。
しばらくしてからは またセクロスもする様になった。 もちろん避妊はちゃんとした。 彼氏が出来ても、ひろみは忘れた頃に俺に連絡をしてきた。
「俺くんは特別だから♪彼氏とは違うんだ」
ひろみに彼氏がいても、俺らはセクロスをした。 ひろみには「もう俺と彼氏以外とは絶対エッチするな」 と会う度に話した。
「うん!」と明るく話すひろみは、 もう昔の屈託のない笑顔に戻っていた。
俺は彼女がいる時は ひろみに会わないようにしていた。 正義感とも言えるようなもんでもないが…
ひろみもそれをわかってくれて連絡も控えてくれていたが、 ある日バイト中の池袋で、いきなり知らないJKに声をかけられた。
「あの…俺さんですよね?私、ひろみの友達です。 池袋で俺さんに会ったらこれを渡してほしいって」
ひろみからの手紙とCDだった。
内容は
「俺くんに彼女ができたからもう会えないかも知れないけど、 今まで本当にありがとう! 辛い時にいっぱいいっぱい助けてくれて、本当に感謝してます。 彼女さんとお幸せにね。私もいい男捕まえるぞー♪」
何故か涙がこぼれた。 俺が何をしてやったのか…俺なんて結局セクロス目的の、 他の男と変わらないじゃねえか。
なのにこいつは…
結局その後、当時の彼女とも別れ、また定期的に会ったんだけどね。
だがそんな関係にも終わりが来る。
出会ってからもう7~8年が経っていた。
ひろみは裕福な家庭の頭のいい子で、出会った当時は高二だった彼女も、 有名私立お嬢様学校に入り、航空会社のグランドホステスとして働いていた。
俺も大学を出てサラリーマンとして働いていた。
「私、結婚するんだ」 久しぶりの連絡だった。
最後に会う約束をした。二年ぶりくらいだろうか 平日だったが、彼女は夜勤明けで空港から会いにきてくれた。 彼氏の話や幸せな話を聞きながら、楽しい食事だった。 そして最後のホテルへ
セクロスしときながらなんだが、俺にとっては妹みたいな存在だった。
ひろみは一人っ子で、よく「俺がお兄ちゃんだったらなあw」と言っていた。彼女のさみしがりはそこから来てるのかも知れない。
ホテルに入って無言でひろみを抱きしめた。 ひろみは泣いていた。 「…いっぱい…いっぱいありがとう…」
セクロス中、彼女は泣くのを我慢しながら、笑顔だった。 お互いもう二度と会えなくなるのは何となくわかってた。
「フェラうまくなったでしょ~w 彼氏も気持ちいいってw 俺の教育の賜物だね♪」
「ここが気持ちいいんでしょ?知ってるよ~w」
ただの性欲だけじゃない、けど恋愛感情とも違う、不思議な感覚だった。
「ねえ俺、ゴムはつけなくていいよ。今日はそのまま入れて欲しい」
あの時、何故断らなかったかわからない。 俺はひろみとのセクロスは必ずゴムをつけていた。 優しさというにはあまりにも浅ましい、俺のちっぽけな偽善だった。
「最後だし今日は大丈夫な日だから… これで赤ちゃんできたら奇跡だよw」
ひろみはあの笑顔で笑った。 出会ってから約八年、俺達は初めて何の遮りもなく、一つになった。
間もなくひろみは結婚した。 結婚してからもたまに連絡が来たが、俺は返信をしなかった。
もう兄離れの時期はとっくに過ぎている。 感情に任せて連絡を取っても、あいつにとっていいことはないと勝手に考えていた。
ひろみも悟ったのか、しばらく連絡がこなくなり俺もひろみ を思い出すこともなくなったある日、メールが届いた。
「久しぶり!元気にしてる? あのね、俺に連絡したいことがあって…」
「私妊娠したの。でも駄目だった。死産だったの」
メールはまだ続いていたが俺はここで続きを読めなくなり、 携帯をほうりなげて泣き崩れた。
なんで…なんでコイツばっかりこんな目に… こいつは何にも悪いことなんてしてない。人よりちょっと純粋なだけだ。 悪いのは俺みたいな性欲目的の男共じゃねえか! それなのに…
自分でも驚くほど、涙が止まらなかった。
しばらく一人で泣き続けた。
そして涙が止まるのを待って、メールの続きを読んだ。
「でもね、もう大丈夫!もうあの頃みたいに弱くないからね♪」
「旦那の稼ぎも悪いし、私が家庭を守っていかないと!」
「バリバリ働いて、そのうちまた恵まれたら、 元気な赤ちゃんを産みたいな」
「男の子ったらもしかしたら俺って名前にしちゃうかもw 無断でごめんねw」
ああ、こいつはもうあのさみしがり屋の妹じゃないんだ。 俺なんかなくたって大丈夫。辛い思いをした分、 こいつはきっと幸せになれる。
最後に添付されていた夫婦の写真のひろみは、 俺が大好きだったあの屈託のない笑顔だった。
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