牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
長いし、こっちは目も当てられないぐらいのDQNだし読んで気分が悪くなるかもしれません。小説風の文章ですが、これは僕の趣味が文章を書くことだからです。ごめんなさい。事件当時の状況僕(僕男)20才 大学生彼女(優美)19才 大学生DQN男(ドキュ男)21才 大学生僕と彼女は、大学のラクロスサークルで知り合った。年は僕が一つ上だけど、僕は一浪だから彼女とは同じ年次で同じサークル当時サークルの女は茶髪率高かったけど、優美はきれいな黒髪だった黒髪と品のある顔立ち、清楚な服装の優美は、学級委員でもやってそうな利発そうな美人だった。男からの人気も高くて、僕だけじゃなくて、他の多くの男も優美にアプローチかけてた。幸運にも、優美は僕を選んでくれて、僕たちは1年の6月から付き合い始めた。 優美は当時一人暮らしで僕は実家だった。だから、僕はよく彼女の家に泊まりに行って二人で楽しい時間を過ごした。それ以外にも、休日は遊園地行ったり、お弁当持ってピクニック行ったりした。時々小さなケンカもしたけどすぐ仲直りできたし、僕と優美の付き合いは、健全な大学生らしい本当に順調な付き合いだった。付き合い始めて一年したとき、うちのサークルの夏合宿があった。夏合宿は1週間の予定だったんだけど、3日目ぐらいに家から電話があって親戚に不幸があったとのこと。仕方なく僕だけ、合宿を先に切り上げて帰ることにした。亡くなったのは遠縁の親戚で、顔もよく分からない人だったんだけど、僕は通夜葬式にも顔を出した。遠方の親戚の家から帰る頃には、もう夏合宿も終わってた。僕は家に戻ると早速、優美のところに電話した。さっそく優美とデートの約束取り付けようと思ったけど優美は、夏合宿で疲れてるからどこも行きたくないとのこと。じゃあ、優美の家でマターリ過ごそうってことになって僕はすぐに優美の家に行った。優美の家に行ってみたら、優美はすごく元気がなくて、目も真っ赤だった。疲れてるというより、失恋した後みたいな感じだった。僕がいろいろ話しかけても心ここにあらずといった感じ。普段の優美は、僕のくだらないジョークでもケラケラ笑ってくれる明るくて屈託のない子だけど、そのときは「フーン」とか「そうなんだ」とか、素っ気ない返し方ばっかりだった。普段、優美はよく僕に料理を作ってくれる。一人暮らし始めてからもう一年以上経ってるから、優美の料理の腕も大分上達してる。でも、今日はやる気が出ないって言うから、その日は僕が料理を作った。僕は、ソウメンとかサラダとか、疲れてる優美でも食べられそうなものを作った二人で食事始めても、優美の箸は全然進まなかった。ボーと食卓を眺めてて、ときどき箸を動かす程度ご飯食べながら僕が話しかけても、右から左に言葉が抜けていく感じだった。僕男「あ、食欲ないなら、無理して食べなくてもいいよ。 僕もうお腹いっぱいだし、後で食べよう?」優美は、料理を作ってもらった手前、無理やり食べてる感じだった。だから僕は、優美にそう言った。本当はまだまだ食べたかったけど、僕が食べてると優美も付き合っちゃうから僕は優美と一緒に食事を中止することにした。「ねえ?飲もっか?」優美は部屋でテレビを見ながら、食事の後片付けをしてる僕に話しかけてきた。優美はあんまりお酒が好きじゃない。いつもは僕が飲んで、優美はそれに付き合うって感じだった。いつもは自分から飲もうなんて言わないのに、どうして今日は、優美から酒を誘うんだ?何があったんだろう?心に引っかかるものはあったけど細かいことは酒を飲みながらでも聞こうと思って、そのときは何も聞かなかった。優美は疲れてるみたいだったから僕一人で近くのコンビニで酒と氷とつまみを買い出しに行った。僕がコンビニから戻ってみたら、優美は泣いてた。「どうしたの?」僕はあわてて優美のそばに駆け寄って、優美に尋ねた。優美は「ごめんね。ごめんね」を繰り返すばかりで話にならない。「まあ、いいや。とりあえず飲もうよ?話はそれからでいいから」そう言って僕はコップを出して、さっき買ってきたビールを注いだ。コップにビールが注がれると、優美は一気にそれを飲み干した。今まで、優美がこんな飲み方したことなんてなかった。いつもの優美は、1時間かけてビール350ml缶を一本空けるようなスローペースだ。大酒飲みの僕は、内心そういうスローペースな優美をもどかしく思ってさえいた。僕はぐいっと酒の飲み干す優美をあっけにとられて見ていた。呆然とする僕をよそに、優美は自分でコップにビールを注いで、また一気に飲み干した。僕男「ちょっと、どうしたの? 何か悩みでもあるの? あるなら僕に相談してよ?」僕は優美のすぐ隣に移動して、優美の肩を抱きしめながらそう言った。優美は僕に抱きついてきて「ごめんね」と繰り返すばかりだった。「迷惑かかっちゃうから」と言ってなかなか話そうとしない優美から、2時間かけて話を聞きだした。夏合宿中の飲み会で、優美は早々につぶれてしまったらしい。つぶれた優美は、サークルの仲間によって別室に運ばれてそこで一人で寝てたらしい。そこで同じサークルのドキュ男がこっそり忍び込んで、つぶれて寝てる優美の服を脱がせて携帯で写真を撮って、その写真で優美を脅してるとのことだった。ドキュ男の要求は「やらせろ。やらせなかったら写真をバラまく。そうなれば僕男との付き合いもダメになるだろうし、サークルでも居場所なくなるぞ?」というものだった。ドキュ男は、優美に撮った写真を送ってきて、優美にプレッシャーをかけてるってことだった優美の携帯に送られて来た写真を見せてもらったワンピースのボタンを全部外されて、ブラを上にあげられた写真だった顔もはっきり映ってて、確かに優美だった。もう一枚は、優美のパンツが下ろされてて、ヘアをアップに撮った写真だった。写真を見て、僕は頭が真っ白だった不思議なことに怒りは沸かなかった。ただ、あまりにも衝撃的な展開に頭が着いていかなくて、呆然とその場にへたり込むだけだった。優美は、隙を作ってそんな写真撮らせてしまったことと、僕を巻き込んでしまったことを何度も謝ってた。あまりのショックで、僕は話をすることさえ苦痛になってた。視界が狭まって、目の前が真っ暗になった。目の前が真っ暗になるって話、たとえ話じゃなくて本当だったでも、目の前には泣きながら何度も謝る優美がいる。もう何も話したくない気分だったけど、気を奮い立たせて、僕は優美を慰めた。もう必死になって優美を慰めた。「もう心配ないよ。後は僕が何とかするから、安心していい」「たとえドキュ男が優美に何をしても、 僕は優美の側にずっといるから」「今回も、この先も、何があっても優美が好きだから」「サークルの飲みで潰れたんだったら、優美に責任はない。(うちのサークルは結構飲みが激しい)だからもう謝らないでよ」よく覚えてないけど、そんなことを言ったと思う。「私、汚れちゃった」と優美が言ったとき「気にすんなよ。優美が純粋無垢の純粋培養の人だなんて、最初から誰も思ってないから」と言ったら、僕の胸に顔を埋めて泣いてた優美は、「その慰め方、ちょっとひどくない?」と顔を上げて、上目使いに僕を見ながら泣き笑い顔で言った。その日初めて、作り笑いではない優美の笑顔を見た気がした。そのまま僕は優美にキスして、二人でそのままベットに行ったその日の優美は、特に激しかった。優美とのセクロスのときだけは、今直面してる嫌なことを忘れることができた。優美を抱いている最中、僕はこの人が本当に好きなんだって思った。セクロスが終わってから、優美といろんな昔話をした。本当に楽しい思い出ばっかりで、優美との話は尽きなかった。セクロスの後、優美は全部話して肩の荷が下りたのかいつもの優美らしい元気さを取り戻してくれてすごくよく喋った。それが、すごくうれしかった。翌朝、僕は、今日にでもドキュ男に会いに行って、この問題に決着をつけると優美に言った。優美も付いて来ると言ったけど、優美はもう十分苦しんだから、後は僕に任せて。もう何も心配しないで、家で鍵掛けて待ってるように言った。優美は僕一人で行かせるのは不安だと言ったけど結局優美は納得してくれて、僕は一人で優美の家を出た。家を出てからすぐにドキュ男に電話した。「どうしても話したいことがあります」と僕が言ったら今バイト中で出られないとのこと一応ドキュ男はサークルの先輩なので、切れそうになるのを必死に抑えて、敬語を使って話した。ドキュ男は、今はどうしてもダメ。夜なら空いてるから、そのとき話そうとのことだった。ドキュ男のバイト先の人にこのことで迷惑掛けるのも悪いから仕方なくドキュ男の要求を呑んで夜会うことにした。時間と場所はドキュ男が指定した。ドキュ男が指定した場所は、喫茶店とかじゃなくて、人気のない河原だった。嫌な予感がしたけど、一度家に帰って寝て、その後、指定の場所に一人で行った。僕は気持ちがはやってたから約束の時間の20分以上前に着いた。夜の河原には誰もいなかった。しかも高架下だったから電車の音もうるさくてここなら何かされても通行人は気づかないだろうと思って、怖くなった。約束の時間の5分前ぐらいにドキュ男が来た。嫌な予想は当たって、他に2人男を連れてきた。優美が写真撮られたことを他の二人の男に知られたくなかったから僕はドキュ男と二人だけで話をしたいと言った。ドキュ男は一応先輩だったから、そのときも僕は、怒りを堪えてドキュ男に敬語で話した。「別に4人で話せばいいじゃん。こいつら、優美の写真もう見てるぜ?なあおまえら?あの女、すげえいい体してたろ?」ドキュ男のこの一言で、僕は切れてしまった。唐突にドキュ男につかみかかってボコボコに殴った。他の二人にはずいぶん殴られたけど、僕の怒りはドキュ男に集中してたからドキュ男だけに的を絞って狂ったように殴った。途中、殴られて意識が飛びかけて、その後はよく覚えていない。意識がはっきりしたときは僕は、倒れたドキュ男の口辺りに、近くにあった大きめの石を何度もぶつけてた。殴り合いの喧嘩なんて、小学校以来だった。父に言われて小さい頃から空手を習わされてたけど、それが少しだけ役に立った。「少しだけ」と書いたのは、空手で覚えた技を使ったのなんて相手の突きや蹴りをかわすときぐらいで後はもう、その辺にあった石を持ってぶん殴ったり、木の棒で相手の腹を突いたり、もうグチャグチャの喧嘩ぶりだったからだ。ドキュ男が気絶して動かなくなったから、とりあえず僕は石で顔を叩くのを止めた。ドキュ男は上の前歯が4、5本なかった。ドキュ男の携帯をポケットから探し出して、へし折って川に投げ捨てた。僕男「これで僕の気は済んだけど、まだやりたいの? やりたいなら、おまえらの前歯も全部折るよ?」ド友1「いや、俺はいいや。とりあえずドキュ男を医者に連れてくよド友2「ああ、じゃあ俺も。 俺たち、ドキュ男に呼ばれて来ただけだから、おまえに恨みなんかないし」僕男「じゃあ携帯貸してくれる? 優美の画像消させてもらうから」意外なことに、二人はすんなり携帯を貸してくれた。もうちょっと人間的にクソなのかと思ったら、この二人はドキュ男ほどクソじゃなかったみたいだ。僕は二人のデータ消去を確認して、その場所を去った。さっきはハッタリで、まだやる気満々みたいな言い方したけど、体力的にはもう限界だった。急に激しい運動したから、立っているのも辛かった。帰り道は、膝がガクガクいってうまく歩けなかった。二人が大人しく引いてくれて正直、助かった。優美にはすぐに連絡できなかった。「あーあ、やっちゃったなあれだけやっちゃったんだから、きっと傷害罪で逮捕だろうな退学かな?そんなことになったら、また優美は責任感じちゃうだろうな」「結局切れて全部滅茶苦茶にしちゃって大学生になって、真面目ぶってるけど、やっぱり荒っぽい父さんの子供で、兄さんたちの兄弟なんだな」そんなことを考えながら、とりあえず自宅に向かった。うちは、絵に書いたような低学歴&DQNの家だ。そんな中で、僕だけが大学にまで進学できた。兄は二人ともDQNのエリートコースだ。僕が一度も停学にもならず高校を卒業し、一浪はしたけど大学に行ったことを、父は、鳶が鷹を生んだって、すごく喜んでくれた。僕が切れて暴れて大学を退学になったら、父はきっと怒るだろう。まずはその父に、おそらくは傷害罪で逮捕されて、大学も退学になるだろうということを謝ろうと思った。と言っても父はあんまり家には帰ってくる人じゃない。だから僕は、父の携帯に電話して大事な話があるからすぐに会いたいと父に言った。父は、今からすぐに家に向かうから、家で待ってろとのことだった。家で待ってると父が帰ってきた。リビングルームで僕は正座して父に事の顛末を話して、土下座して謝った。ずいぶん後になってから父に土下座して謝った話を優美にしたら「お父さんに土下座なんてするの?ふーん。変わった家庭だね」と不思議そうだった。父は堅気の人間ではないので、「筋を通す」ということにうるさい。ちゃんと土下座して謝らないと、僕はタコ殴りにされてしまうだろう。あの頃はもう大学生だったけど、それでも父にはよく殴られた。僕から事の顛末を聞いた父は、怒りで手が震えてた。父はよく怒りに任せて無関係な人も殴るから近くにいた僕が殴られるんじゃないかと思ってビクビクした。「僕男、おまえは何にも悪くない。後は俺がなんとかするから、お前は心配しないで待ってろ」父はそう言った。その後、ドキュ男の住所を僕に聞いてきたので僕がサークル名簿の載ってるドキュ男の住所教えた。住所を聞いた父は「クソガキが」と言いながらソファ近くの小さなテーブル思いっきり蹴飛ばした。ガラス製のテーブルは窓まで飛んでいって、窓ガラスに当たって粉々に砕けた。うちの窓ガラスは防弾なので、窓ガラスは無事だった。父は支度を整えながら若い衆に電話し、あわただしく家を飛び出して行った。うーん。標準語で書くと全く迫力ないな(;´Д`)実際には方言バリバリで、威圧感ありまくりの父の話し方だけど地域特定回避のために標準語にしてます。ちなみに、僕の話し方もずいぶん変えてます。父に謝って筋は通したので、その後は優美の元に向かった。一応、破けた服や泥だらけのジーンズは新しいものに着替えたけど顔はボコボコに腫れてて、Tシャツから見える腕は傷だらけ、あざだらけだった。優美は、ボロボロの僕を見るなり、玄関先で泣き出してしまった。「ドキュ男はボコボコにしたから。携帯もへし折って川に投げたよ。もう大丈夫」優美には、それだけ言って玄関先で抱きしめた。これから逮捕されるかもしれないってことは、そのときは言えなかった。せめて今日だけは、優美と二人っきりで穏やかな時間を過ごそうと、僕は考えてた。そのためには、余計な心配事は邪魔だと思った。優美は、いつもの元気な優美に戻ってくれた。その日の僕らは、食事もテレビ見るのも、ずっとべったりくっつきながらでいつも以上にラブラブだった。優美と部屋でくっついてゴロゴロしてたら、父から電話があった。「全部手は打った。おまえが逮捕されることはもうない。安心しろ」という内容だった。父が何をしたのか少し不安を感じたけど、父の言葉を聞いて、とにかくほっとした。父さんが大丈夫だと言ったんだから、きっと大丈夫なんだろう。父の言葉には妙な安心感があった。3日後か4日後ぐらいに、父の組の若い衆から電話があった。ドキュ男が謝りたいと言ってるから、優美と二人でドキュ男の家に来てほしいということだった。僕は家でゲームしてたけど、優美はちょうどバイト中だった。若い衆に電話して、優美のバイトが終わるまで待っててほしいと言った。若い衆は了解してくれ、優美のバイト先と僕の自宅に送迎の車向かわせると言った。でも、優美はごく普通のサラリーマン家庭で育った女の子だし、さすがにパンチパーマの男が運転する車に一人で乗るのは嫌だろうと思った。だから僕は、僕は優美のバイト先に行って優美のバイトが終わるのを待ってるから、送迎は優美のバイト先だけでいいと伝えた。優美にメールした。ドキュ男の件で決着をつけるから、バイト終わったら僕と一緒に来てほしいと伝えた。優美は会うのを酷く怖がったけど、僕が一緒で、安全な場所で会うならという条件でOKしてくれた。バイトが終わった優美と待ち合わせして、送迎のベンツの前まで連れてったとき、優美は固まってた。後部座席のドアを開けてくれたパンチパーマの男は、手首、足首まで刺青が入ってたけど、Tシャツ短パン姿だったため刺青が見え放題だった。僕と優美は後部座席に並んで座ったベンツの中の優美は、まるで借りてきた猫みたいに無口でおとなしかった。無理もない。今まで、うちの家族の黒い部分なんて、一度も優美に見せたことなかったし。僕は、不安そうな優美の手をギュッと握った。優美は、僕の手を強く握り返した。ドキュ男の家に着いたら、ドキュ男とドキュ男友×2が正座して待ってた。僕は、すぐにはドキュ男たちと分からなかった。3人とも、顔が腫れて目が埋もれてしまうぐらい、酷い顔だった。その場にいたのは、ドキュ男とその友達2人、組関係の人は、送迎してくれた人を含めて3人だった。一人暮らしのドキュ男の家の中はもうメチャクチャでクローゼットの衣類は全部出されてて、食器も散乱して、床板や壁紙まで剥がされてた。「どうしたんですか?この床や壁紙は?」と聞いたら「いやあ、優美ちゃんの写真隠してるんじゃないかと思ってね?俺らで調べさせてもらったんですよ」そう言いながら若い衆は笑った。趣味の悪いサングラス掛けたパンチパーマの男が前歯上六本が金歯になってる歯を見せながら笑顔は、威圧的でしかなかった。いや、あんたらがヤバいもん隠すんじゃないんだから。大学生が、床板や壁紙剥がして物を隠したりはしないでしょう?(;´Д`)突っ込み入れたかったけど、ここは我慢した。その場にいた人で顔を知ってるのは、一番偉そうにしてる一人だけ残りの人は、たぶん組の準構成員の人か、うちに来ることのない下っ端の人たちだろう。もしドキュ男が警察に駆け込んでも、捕まるのはこの人たち。父も僕も無傷だ。父のこういう汚いところが、僕は嫌いだった。偉そうなこと言ってる僕も同罪だけど。「オラ、おめえら何か言うことあんじゃねえのか?」一番偉そうにしてる若い衆が、ドスの利いた声でドキュ男たちに言った。「どうもすいませんでした」正座の3人は、揃って深々と土下座した。優美を見たら、手を口に当てて泣いてた。口に当てた手は震えてた。僕は震える優美の肩を抱きしめた。「どうして?どうしてあんなひどいことしたんですか?」優美は泣きながらドキュ男に言った。「申し訳ありません。もう二度とこんなことはしません」ドキュ男がもう一度謝った。ドキュ男は、文字通りの平謝りだった。優美はそれ以上言葉にならず、ただ泣くばかりだった。「もう、二度と私たちに近づかないでください」ずっと無言で僕の腕をつかんで泣いてた優美は、それだけ言って僕の胸に顔を埋めた。土下座を始めてから、彼らは一度も顔を上げてない。時間にして2,3分だろうか。涙を流す優美と優美を抱きしめる僕を前にしてずっと額を床にこすり付けてた。「お嬢ちゃん、気持ちは分かりますよ。辛いでしょうこの男どもに一発ガツンと食らわしましょうよ?スッキリしますよ」そう言って若い衆は、優美に金属バットを差し出した。ええええええ?金属バット?( ゚Д゚)そう思ったけど、声は出なかった。バットを差し出したのは、刺青見え放題の若い衆だった優美は、その威圧感からか思わずバットを受け取ってしまったみたいだけどさすがにバットで人を殴る勇気はないみたいで「あの…やっぱり、殴るのは手でいいですか?」と、ご機嫌を伺うように恐る恐る若い衆に尋ねた。「もちろんいいですよ。気の済むようにやってください」そう言って若い衆は、優美が差し出したバットをニコニコしながら受け取った。さわやかさの欠片もない笑顔だった。「おいコラ、おまえら顔上げろや」Tシャツ短パンの若い衆の声で、三人は正座の姿勢に戻った。優美はドキュ男の顔をグーで一発殴った。グーと言っても、平手打ちの手をグーにした感じ。ネコパンチみたいなグーパンチで、パチーンて情けない音がした。優美は、他の二人には手を出さなかった。若い衆「え?お嬢ちゃん。もういいの?」優美「ええ。もうスッキリしました。ありがとうございました」優美は若い衆に深々と頭を下げた。とりあえず優美への謝罪も済ませたし、優美の気もすんだことだし、もういいかな。そう思って僕と優美が帰ろうとしたとき一番偉そうな若い衆がまたドスの利いた声で怒鳴るように言った。「オイコラ。てめえら、それで仕舞いか?まだ他にやることあるんじゃねえのか?」若い衆に怒鳴られたドキュ男たちは、立ち上がって突如ものすごい勢いで服を脱ぎ始めて、あっという間に全裸になった。「お詫びの印です。僕たちの写真も撮ってください」そう言って3人は横になって、3人ともM字開脚のポーズとった。もう僕はポカーン( ゚Д゚)だったふと優美を見たら、優美と目が合って、それで優美は、ハッと我に返ったかのように慌てて彼らに背を向けた。いや、そこまでする必要はないんじゃ…と言える雰囲気じゃなかった。僕が写真を撮らないとおさまりがつかないことは明らかだったので仕方なく僕は3人の写真を携帯で一枚ずつ撮った。脱いだときに分かったけど、3人とも体はあざだらけだった。特にドキュ男の体は酷くて、至るところにタバコの火を押し付けた後があってチムコにもいくつか根性焼きの跡があった。特にドキュ男の乳首の付近が酷くて、右の乳首付近には100個以上のタバコの火の跡があって乳首は原型を留めてなかった。写真撮るために近づいたときに気づいたんだけど、少なくともドキュ男の右の人差し指と中指は、爪が剥がされてた。僕は極道の人たちのやり方を知ってるから、彼らに何があったのか推察できる。きっと彼らは、さらわれて組関係のホテルとか別荘とかに監禁されてこの数日間、若い衆から交代で、不眠不休でいじめられ続けたんだろう。おそらくドキュ男たちが捕まったのは父から電話があった日。そして今日までの3日か4日の間、ドキュ男たちは一度も解放されず、睡眠も許されず、ずっといじめられ続けたんだろう。睡眠さえ許さない虐待方法で、極道の恐怖を骨の髄まで叩き込んで彼らは、普通の人を従順な下僕へと変えてしまう。警察への通報が不可能な状態にまで心理的に追い詰めてしまう。若い衆の一声でためらうことなく全裸になってしまう彼らの従順さはたぶんこの虐待によるPTSDのトラウマを利用したものだろう。極道の人たちは、PTSDという言葉が生まれるずっと前からPTSDのトラウマの利用方法を知っている。「もう十分です。ありがとうございました」僕はそう言って、父から教わったお辞儀の方法でお辞儀してドキュ男のアパートを優美と二人で出た。若い衆は自宅まで車で送ると言ってくれたけど今は優美と二人きりで歩きたいからと、申し出を断った。僕たちが帰る間際、一番偉い若い衆が「あ、優美ちゃん。今回のことは僕男さんの命令でも、僕男さん親父さんの命令でもないからね俺たちが義憤に駆られてやったことだから、そこを忘れないでね」と念を押した。堅気の大学生をここまで詰めたんだから、今回は危ない橋を渡ってると思う。これは、火の粉が組にまで及ばないようにとの彼らなりの配慮だと思う。もし組にまで火の粉が及んだら、今度は下手打った彼らが危ない立場立つことになる。そのために優美にまで、こんなことを言ったんだと思うアパートを出た僕たちは、無言のままなんとなく駅っぽい方向に歩き始めた。優美「…すごかったね」最初に沈黙を破ったのは優美だった。僕男「ごめん。僕もあそこまでやると思わなかった」それからいろいろ話したけど、よく覚えてない印象残ってる部分だけ書き出します。優美「ドキュ男さん、もしかしてドラム缶に入れられて海に沈められちゃうの。 ねえ、なんとか助けることできない?」僕男「まさか。いくらなんでもそこまでしないでしょ?w ドキュ男も堅気の人なんだし。 後は示談金払って終わりだと思うよ」優美「ホントに大丈夫?」僕男「心配なら、命までとらないように後でお願いしておくよ」優美「そう。じゃあお願いね」優美「示談金て、誰に払うの?」僕男「うーん、僕と優美かなあ でも示談金の大半は、あの場にいた人たちの仲介手数料になっちゃうだろうけど」優美「ふーん。そういうもんなんだ?なんか不思議」僕男「金額少なくて不満なら、僕の取り分は優美に上げるよ」優美「あ、私お金はいいや。そういうお金って…なんかね。 私は取り分いらないから、全部あの人たちにあげるって言っといて」僕男「そうなんだ。実は僕もそうするつもりだったんだよ」優美「ホント?( ^▽^) よかった。僕男がそういう人で」優美「僕男って、全然不良っぽくないし、むしろすごく好青年風だけど 将来はあんな風になっちゃうの?」僕男「まさかw 組は兄貴が継ぐと思うよ。 そのために父さんの下で頑張ってるし。 僕はきっと、普通に会社に入ってサラリーマンだよ。 それに、兄貴たちと違って、僕にはあんな真似できっこないし」優美「よかったー。そこが一番心配だった( ^▽^) やれやれ。お母さんは一安心だよ」僕男「…ごめん。やっぱり、ショック大きかったよね?」優美「驚いたけど、僕男は、やっぱり僕男っぽいからいいよ」優美「うーん。まあすごく怖かったけど、今回はこれでいっか。 ドキュ男さんもあれだけ怖い思いしたら、 もう写真ばら撒く勇気なんてないだろうし 本当にこれで一件落着だね」優美「こうして話してると、僕男ってホント普通の人だよね」僕男「そう?でも優美が見てる僕が、きっと素の僕なんだよ」優美「そのまま、ずっと変わらないでね。今の僕男好きだから」ドキュ男に謝罪受けてから、優美はすっかりいつもの明るさを取り戻した。でも、トラウマはまだ残ってるみたいで寝てるときに僕がうっかり体を触ったりしたら、飛び起きて悲鳴上げたりするようになった。悪夢も見るようになって、寝ながら泣いたり、突然飛び起きたりもするようになった。悪夢は、その後半年ぐらいは続いた。触られて悲鳴上げるのは、今でも治ってない。女性に対する性犯罪って、本当に酷いことだと思う。女の人は、こうやって事件の後もずっと引きずるんだ。事件の二ヶ月後ぐらいに、ドキュ男から携帯に連絡があった。会って話したいとのことだった。その頃はもうドキュ男は大学を辞めてて、会うのは本当に久しぶりだった。優美が僕たちに近づかないように言ったためドキュ男を詰めた人は、二度と僕たちに近づかないことを念書を盛り込んだ。この約束を守るため、彼らは大学を辞めざるを得なかった。待ち合わせの公園に行ってみたら、ドキュ男は、会うなりいきなり土下座して、現金の入った袋を差し出した。示談金300万がなかなか用意できなくて、今は支払遅延損害金も含めて450万になってるとのことだった。若い衆は、ドキュ男が払えないならドキュ男が書いた念書をたてにドキュ男の実家に取り立てると言ってるけどとりあえず用意できただけの現金を渡すから、それだけは勘弁してほしい親が殴られたり脅されたりなんて耐えられないから僕からそれを中止するよう言ってほしいとのことだった。さすがに可哀想に思ったけど、もう僕には止めることができないものだった。極道にとっては、こういう示談金も重要な収入源だ。今回のことは、発端はたしかに優美と僕だけどもうこの問題は、僕たちの手から離れて若い衆のビジネスの問題になってる。若い衆は、このビジネスを成功させるために、リスクを犯してドキュ男たちを監禁し、極道の恐怖を骨の髄にまで染み込ませたりして前準備をしてるんだ。もう僕じゃ止められないのは分かってたから僕は、ドキュ男が支払いに応じざるを得ないような話をした。僕男「でも、示談金払うってことでケリつけたんじゃないんですか? 示談金払わないって事は、示談を反故にするわけですけど 本当にそれでいいんですか?ドキュ男「え?どういう意味ですか?」僕男「あの手の人って、約束を重んじるんですよ。 あんな危ない人たちとの約束破って、それで無事に済むと思ってるんですか?」 「ドラム缶に詰められてる遺体って、 時々見つかってニュースでも流れてますよね? ああいうのって、ドラマの中だけのことじゃなくて 本当に、現実にあること何ですよ? しかも、あの人たちの約束破って僕に会って。 彼らを完璧に甘く見てますよね?」そこまで話したら、ドキュ男は震え始めた。状況を理解したドキュ男は、会ったことをくれぐれも口外しないよう僕に言ってそのまま帰って行った。雑談がてらにドキュ男から聞いたんだけどドキュ男は大学辞めても、逃げたと思われるのが怖くてまだあのメチャクチャにされたアパートに住んでるらしい。他の二人も、もう大学は辞めて、別の道を歩き始めてるらしい。ずいぶん経ってから、あのときの若い衆が僕の分と優美の分の示談金を僕の家に持ってきた。取り分は数十万程度かと思ったけど、袋を開けてみたら5百万以上入ってた。おそらく、僕の父に相当遠慮したんだと思う。僕も優美も取り分は要らないといって返そうとしたけど親父の息子である僕の取り分まで取ったら立場がないからもらってくれと深々と頭を下げられた。仕方なくそのお金は一旦僕が貰ったことにして同額だけ僕がその人に礼金として支払うということを提案した。併せて、他の二人にもちゃんとリスクに見合う分を取り分として与えるようお願いした。それでもまだ若い衆は納得しなかったので後で僕と優美に食事奢ってくれればそれでいいと言って、ようやく納得してもらった。その後、僕と優美はその人に、とんでもない高級料亭に連れて行かれた。その席は父も同席した。父は「いまどき珍しいぐらいのいい子だ」と優美をすごく気に入ってくれた。優美も「すごく怖い人かと思ったけど、なんか話してみたらそうでもなかった」と極道に親近感を持ってくれた。 ←クリックでランダムの記事が表示されます
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